カツオ漁法の優劣について

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琵琶湖の小鮎 2000.08.10 ある漁業者の方から、下記のようなメールを頂きました。
みなさん方は、書かれている内容について、どう思われるでしょうか。
私は、中の作港に水揚げされるカツオの事は、全く知りませんので、なんとも言えないのですが、一般的には、「巻き網物は、一本釣りに比べると鮮度にバラツキがある。したがって、総合的に考えた場合、巻き網物のほうが鮮度の悪い魚が混ざっている確率が高い」と考えております。
なお、私が行ったカツオの産地は、焼津、沼津、塩竃、気仙沼などです。
  • こんにちは。初めてメール致します。私共は大中型まき網漁業にてカツオ、マグロを漁獲しております。
    このたび、カツオの『漁法について』を一読させて頂きましたが、そのなかで、「カツオの鮮度の点では1本釣りが一番....まき網で漁獲されたカツオは鮮度が落ちやすい。」とありますが、これは間違いです! まき網は漁獲した魚を生きたまま、運搬船の魚倉(海水と氷)の中に入れ、瞬時に『野締め』にし水揚げ港に運びます。確かにカツオの表面は氷でこすれ、少し白っぽくはなりますが鮮度は落ちません。(1本釣りは表面がきれい) 特に弊社では、1日で水揚げ港に到着できる距離でカツオを漁獲し、中の作港(福島県いわき市)に水揚げしており、ときには1本釣りのカツオの数倍の魚価で取引され、ブランド化しております。以上の点を消費者の皆さんに知っていただければ幸いです。
中の作港は、**さんの本拠地ですので、**さんのご意見も頂きたいです。
東京の料理やさん 2000.08.10 一社の取り組みを上げられても何とも言えないですね。
#これをもって全ての巻き網物が良いとは言えない。

一般的に言って、小鮎さんのご意見が正しいと今のところ思っています。
元記事に有るように、その社のカツオがブランド化しているのならば、普通の巻き網は鮮度落ちが有ると言うことになりませんか?

こういう物が有るという情報は参考になります。 でも最後は使ってみないと判りません。
#うちは見てくれが悪くても美味しければ良いです。

うちのを使ってくれという宣伝なのかな? それともブランド化の努力?
本当に良い物ならば、ほっておいてもブランド化しますよ。 そしてみんながやり始めるでしょう。
今後の巻き網の動向に注意と言うところです。
築地市場で
働いておられる方
2000.08.11 私も小鮎さん、東京の料理やさんさんと同じ意見だな。
しかしながら、キハダなどもまき網船の漁獲物を処理をよくして、刺身用にする動きも活発になってきているし、漁獲後の処理を迅速に行う、氷を沢山持っていき漁獲したサカナの温度の上昇を防ぐなどの処置をしてすぐ水揚げしたら、それこそ"日戻りブランド"できますよね。
われわれも通説にとらわれずに、こういった情報は敏感にキャッチして、自分の目で確かめなければなりませんね。
中之作港に水揚げされるカツオを仕入れているスーパーの方 2000.08.11 > 私は、中の作港に水揚げされるカツオの事は、全く知りませんので、なんとも言えないのですが、一般的には、「巻き網物は、一本釣りに比べると鮮度にバラツキがある。したがって、総合的に考えた場合、巻き網物のほうが鮮度の悪い魚が混ざっている確率が高い」と考えております。
私も同意見です。
鮮度にバラツキがあるのは、おっしゃるとおりだと思います。
市場の値も一本釣りが良い値をつけているのも事実です。
ただ、最近ですと流通の進歩なのでしょうが、巻き網でもよい値がつく良品が多くなり、釣り品と同様に翌日まで変色の無いカツオも多くなってきました。
日戻りカツオも確かに多く入荷しております。
そのなかでも中之作では有名なカツオのメーカーさんが二つありますが、その価格はまったく違っています。
ブランド化しているメーカーがあるもの事実ですね。

> > 特に弊社では、1日で水揚げ港に到着できる距離でカツオを漁獲し中の作港(福島県いわき市)に水揚げしており、ときには1本釣りのカツオの数倍の魚価で取引され、ブランド化しております。
日戻りカツオの価格・鮮度は確かに特別であります。
しかし、一本釣りよりもすべてのまき網品が勝るということにはならないと思います。
ここでは、「日戻り」であることが重要な特徴です。
「まき網」という漁法すべてが、釣りに勝るということではないと思います。
比較されているカツオは、同じ地物の釣りカツオなのかも重要です。
中之作に水揚げされる釣りカツオ、ケンケンカツオとの価格の比較をすれば、釣り品が高いのが普通だと思います。
ここでは、同じ日戻りの土俵であることが重要です。
品物、漁場に差があれば、まき網のほうが良い値がつくこともあるでしょう。
他産地の釣り品と比較すれば、漁場との距離が違う地物なのですから、他産地よりも高値がつき、ブランド化されるのは当然だと思います。
ごくごく近海の日戻り品であって、漁場の状態も非常に良ければ巻き網が高値をつけることもあることもあるでしょう。
しかし、鮮度が落ちやすいカツオが多いのはやはりまき網だと思います。
これは毎日カツオに触れているかたがたはハッキリおっしゃると思います。
日戻りであれば、この鮮度劣化がまき網でも非常に遅い。
日戻りのカツオは特別なもので、他産地の釣りカツオにも勝る鮮度があるのは、正しいと思います。
「地物の日戻りまき網カツオ」であれば「他産地の釣りカツオ」に勝ることもあるのは想像できますが、「すべてのまき網カツオ」が 釣りカツオすべてに勝るということは無いと思います。
琵琶湖の小鮎さんのお考えは正しいと思いますし、私も同様の考えです。
毎日、築地に通う
「情報通」
2000.08.11 確かに、一本釣りと巻網では全部の平均を見れば、一本釣りに軍配が上がると思います。
しかし 巻き網も技術向上はしています。 鮮度だけで見ると、大差無いかも知れません。
氷の入った海水に魚を入れれば肌目は悪くなります。
巻網を巻いている最中に死んでしまえば別ですが、100%生きているならば鮮度は同じです。
この作業をスムーズにできるかが、その漁船の力量だと思います。
私は一本釣りより良い魚の捕れる巻網船はあると思います。
しかし、数はそうは多くないのでは無いかな。
琵琶湖の小鮎 2000.08.12 カツオの件、ご意見をいただいた皆様に感謝しております。
皆様方のご意見を添えて、相手方に私の考え方を伝えました。
先方の意図としては、下記のような事でした。
  • 「東京の料理やさん」はじめ他の方のご意見は正しいと私も思っています。ですが、「すべてのまき網物」が「一本釣り物」に勝るとは一言も言っておりません!逆に私は、「すべての釣りカツオ」が「まき網カツオ」に勝るということは無い。まき網の魚もいい物がある。ということを少しでも皆さんに知ってほしかっただけです。
さて、先方より返信を頂いたなかで、下記のような質問がございました。
  • ついでで申し訳ありませんが、カツオの中には「ゴリ」と呼ばれる肉質の悪い固体があるのを知っておられると思いますが、これはどういった要素が原因で起こるものなのか?教えて下さい。
この件は、**さんや高知の##さんが中心に議論されていたと思うのですが、その後、なにか、原因と思われることがわかりましたでしょうか。
もし、何かわかったことがありましたら、教えていただけると有り難いです。
中之作港に水揚げされるカツオを仕入れているスーパーの方 2000.08.12 この「ゴリ」については色々な説があるようですが、販売現場で感じることでは、釣りカツオに多いと思われている場合が多いかと思います。
巻き網カツオには釣りカツオと比較して、ゴリカツオが少ないように感じているかたが、多いようです。 (統計などはとっていませんので、あくまで感覚的なものですが)
この「ゴリ」が生まれる原因について、WEBにはまとめていませんが、私のWEBの掲示板にてお話を伺ったことがあります。
  http://www5a.biglobe.ne.jp/~yusa/yusa/39263916015625.html

そのなかで質問に答えてくださったかたの内容を転載します。
  • 静岡では『石カツオ』と言っています。 1.5kg以下の伊豆列島沿いに上って来る群れに入っているようです。 私の知見では餌が影響しているようです。日本の近海へ来て、アミやシラスを一杯食べると無くなるようです。今年は10年ぶりに黒潮が大蛇行し様子が変っていますが、静岡の引き縄漁(御前崎沖)では、この連休前までは『石カツオ』がかなり混じっていましたが、連休後は少なくなつてきました。 巻き網に少なく、一本釣りに多いと言われていますが、餌を一杯食べた魚は釣りでは漁獲されにくいが、巻き網では関係なく漁獲されてしまう、このあたりにも原因があるのではないでしょうか。 2kg以上の魚ではほとんど見られないことから、買うのはこのサイズでしょう。
このなかで特に重要なのは、餌が原因の可能性があるということだと思います。
「ゴリ」が発生しているときは、その日のそのメーカーさんの商品がほとんど「ゴリ」であることからしても、漁場が原因なのも考えられます。
知り合いの荷受さんが言うには、漁場の水温が原因とも言われているみたいです。
しかし、現在私が調べている範囲では真意はわかりません。。。
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