マグロの目利き
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宮城県の長内 | 2004.06.16 | 疑問に思うことがございまして、どうしても聞きたくて、質問させてください!! 日頃からまぐろが好きで、よく食べております 先日市場に見学に行きましたら、大きなまぐろがいっぱい並んでおりました 生まぐろもいれば冷凍マグロもありました 仲買の人は、あのゴロンとした、マグロのどこを見て、これはおいしいまぐろだから○○円だ! このまぐろはいまいちだから××円だ、と目利きをしながら値決めをしていると思うのですが、どこを見て、よしあしを判断しているのでしょうか? 懐中電灯なんかも使っているようですが… |
多田@東京都調布市 | 2004.06.16 | >日頃からまぐろが好きで、よく食べております 私も大好きです。赤身・中トロ、それぞれの美味しさがありますよね。 # 大トロももちろん好きですが、小遣い的になかなか手が出ない。(^^; >仲買の人は、あのゴロンとした、マグロのどこを見て、 >これはおいしいまぐろだから○○円だ! >このまぐろはいまいちだから××円だ、と >目利きをしながら値決めをしていると思うのですが、 私は一消費者なので詳しい事は知りませんので聞いた話です。 尾っぽのとこをかなり大きく切り落としてありますよね。 脂のノリも含めてその断面を見て判断されているそうです。 生のマグロでしたら全体的な外見でも判断されるのでしょうが、霜に覆われた冷凍物では、外観からの判断は難しそうな気がします。 # もちろん単なる素人考えで明確な裏付けは無いのですが。 ちなみにこの尾っぽの部分は基本的には廃棄されてしまうそうですね。 実は会社近くの業務用食材ディスカウントショップで売ってました。 半分に割って骨を除いたブロック×2(数百gくらい?)で300円くらい。 まぁ原価ゼロでも加工費と輸送費を考えれば安いでしょうね。 フライパンで焼いて食べたらけっこう美味しかったですよ。 >どこを見て、よしあしを判断しているのでしょうか? >懐中電灯なんかも使っているようですが… そうなのですか。 私は写真や漫画でしか見た事がないので、実際の様子には興味があります。 ところで、マグロ本体にも確かに興味はあるのですが、一消費者としてはちょっと空の上の話です。 丸ごとよりもっと目利きが難しそうですが、柵取りされた身についての「素人でも可能な判断方法」ってあるのでしょうか? 総合評価は無理としても、一酸化炭素や添加物を加えた身の見分け方法だけでも判れば素晴らしいと思います。 |
のちゅ | 2004.06.16 | マグロの目利きは非常に難しいです。 懐中電灯で照らしているのは、照りを見るため?これによって脂ののりがわかるのだとおもいます。(私は、直接目利きをして仕入れるのではない物ですから、はっきりは解りません。すみません!) 尻尾の断面は、肉が盛り上がっているのは鮮度がよく、生きている身だと思います。 この鮮度のよい生のまぐろ、または、冷凍でも縮みのあるマグロは鮮度が良すぎて味があまりありません。 やはり、ある程度熟成させなければ、うまみが出てこないと思います。 (縮みとは、身がまだ生きていて、急速解凍[急速冷凍された物は基本的に急速解凍する]すると取れたときの状態になりますから、身がよじれて縮む様になる)どんな魚でもこれは同じだとおもいます。この辺の加減はよくわかりません。 縮みのマグロを、当店ではメインで売っています。 並品(縮まない、色ボケしている)ものは、水っぽいです。(キハダ) 縮みは、肉質がいいです。ドリップ(魚からでる汁)も出ませんし、色もきれいですから。 マグロはほとんど色が命!味なんてそんなにわかるものではないですよ!食べ比べしてみなくては!(トロとかは別ですよ!)(私が言っているのは、キハダのことです。バチや、本マグロはまた味が違うかもしれません。) やはり、マグロの目利きは難しいですよ! あと、切り口(尾)の年輪がハッキリしているものは縮みます。(たぶん) 魚体によって凍る速さ、上身、下身によっても早さが違うので天身(赤身)とカワラ(皮に沿った部分)でも身質に違いがあります。大きいほど天身はボケます。 最近では、獲れてすぐ四つ割りにする商品もありますが・・・・ 聞いた話ですと、基本的に、色の濃いほど旨みがあるそうです。 TADAさん、添加物のことはわかりません。ごめんなさい! > 仲買の人は、あのゴロンとした、マグロのどこを見て、 切断面、腹の肉厚、脂の乗り、肉質、だと思います > 懐中電灯なんかも使っているようですが… 市場内、セリが早くて暗いから・・・ではないと思います・・・ 間違っていたらどなたかフォローお願いいたします。 私も、治さなくてはいけませんから・・・ |
SATOH | 2004.06.16 | はじめまして、仕事で蓄養マグロの輸入をやっています。 私が主にマグロを卸しているのは築地ですが、場内の仲卸さんの目利きは本当にすごいです。私なんぞは尾っぽの切り落とし部分を何本も一度に見ているとみんな同じに見えてきてしまいます。(笑) 懐中電灯で照らして見るのは「照り」を見るほかに、肉の「色」そのものを見るという理由もあります。 早朝のセリ場は夏でも薄暗く、照明に蛍光灯を利用している事が多いため、そのままでは本当の色より暗褐色に見えてしまいます。 これと同じ理由で、仲卸さんの売り場の陳列場所でも、特別な照明を使っていることが多いようです。 のちゅさんもおっしゃっているように、基本的に赤身の強いものには旨みが多いようです。しかしあんまり色鮮やかなものは脂の乗りが悪いともいえます。(インドマグロ、ホンマグロの場合)逆に目利きの初心者の方は、色ボケのものを脂があると思ってしまうこともあります。 いずれにせよ尾っぽの断面だけで全体を判断するのは、毎日やってるプロの人でも難しいと聞きました。 特に天然物は、尾の断面より上の部分に「病い」、「寄生虫」や「変色」があったりすることもあります。脂ののりも一様でなく、割ってみたら「ハズレ」ということもあり、どうしても賭博性が付いてまわります。 もし御興味がおありでしたら「魚河岸マグロ経済学」集英社新書刊をお勧めします。 わかりやすい内容ですが、今日のマグロのおかれた状況がとてもよくわかります。 |
琵琶湖オオナマズ | 2004.06.17 | > もし御興味がおありでしたら「魚河岸マグロ経済学」集英社新書刊をお勧めします。 > わかりやすい内容ですが今日のマグロのおかれた状況がとてもよくわかります。 この本は、築地の鮪やさんの親父さんが著者です。 現場からの報告なんで、すごく面白いのでおすすめですね。 著者 上田武司(築地仲卸「内藤」社長) 2003年3月19日発行 本体価格 680円 |
琵琶湖オオナマズ | 2004.06.17 | 次のオフ会では、鮪が水揚げされるところに行ってみたいですね。 僕の見たところでは、一番豪快なのは、清水港の冷凍鮪の水揚げでした。 手カギ一丁(だったと思う)で、鮪の評価を決めるという高度な技術には驚嘆しました。 焼津の冷凍鰹のセリ場でも、ナイフで尾っぽの所を切り、そこの身の状態で判断されてますね。 いずれも、高度な職人の技術だと思います。 > 私は一消費者なので詳しい事は知りませんので聞いた話です。 > 尾っぽのとこをかなり大きく切り落としてありますよね。 > 脂のノリも含めてその断面を見て判断されているそうです。 市場で生鮪を扱ってる人の話ですが、そのようにして評価してても、中に「焼け」があったりする。そこまではわからないということです。 SATOHさんが、下記のように書いておられますが、全くその通りのようです。 > いずれにせよ尾っぽの断面だけで全体を判断するのは毎日やってるプロの人で > も難しいと聞きました。特に天然物は尾の断面より上の部分に「病い」、「寄 > 生虫」や「変色」があったりすることもあります。脂ののりも一様でなく、割 > ってみたら「ハズレ」ということもあり、どうしても賭博性が付いてまわります。 私が現役の頃、境港から生の本マグロを丸で仕入れたことがあります。 境港の業者は「焼けてない」と言ってましたが、届いて開いてみると、骨のまわりが完全に「焼け」てました。冷却処理が不足してたんですね。鮪は難しいですよ。 > ちなみにこの尾っぽの部分は基本的には廃棄されてしまうそうですね。 最近は、売ってるところもあるようですよ。 なんでもお金にしないと利益が取れないというのが現実なんです。 (ちなみに、ガソリンスタンドでも、以前は一円の単位は切り捨ててくれましたけど、今はきっちり一円の単位まで取りますよ。) > 丸ごとよりもっと目利きが難しそうですが、柵取りされた身についての > 素人でも可能な判断方法ってあるのでしょうか? 筋があるとか無いとかは見てわかりますけど、それ以外は難しいですね。 スーパーでは、基本的に「うまさ」は「販売価格」に比例すると考えれば、カスをつかむ比率は落ちるでしょう。 時々、「大トロ 100g780円」なんてのもありますが、まずウソです。 > 総合評価は無理としても、一酸化炭素や添加物を加えた身の見分け方法だけでも > 判れば素晴らしいと思います。 これは、現在は、一般の所には出まわっていないのではないかと思います。 スモーク鮪が訴訟になってましたけど、あれはどうなったんだろうか? |
heita@沖縄 | 2004.06.24 | > どこを見て、よしあしを判断しているのでしょうか? > 懐中電灯なんかも使っているようですが… 私は、このMLでよく鮪を取り上げますが、実は商売で扱っているわけではなく、興味半分で選別人の後から付いて歩いている漁港管理人です。 それでも毎日のように鮪を見て、色んな人の話を聞いているので「門前の小僧、習わぬ経を読む」状態です。 マグロと言っても種類で見分け方が異なります。また、延縄漁船か曳き縄か、それとも 網船かなど、同じ魚種でも漁法によって選別の主眼が異なります。 こちらで一般的な沿岸・近海鮪延縄の魚について、概略をお知らせします。 まず、マグロ類は沖合で鰓と内臓を除去したセミドレスの状態で陸揚げされます。 陸に上がってから腹に包丁を入れ生殖腺を取り除きます。 このときの包丁の入れやすさ、切り口の状態で鮮度を見ます。 また、手鉤を口に引っかけ魚を揺すり、全体のしまり具合を見ます。 この時、新鮮な物は一本の棒のような動きをしますが、鮮度の悪いのは尾びれを振ります。 また、生きたまま船上にあげられた物は延髄に穴が開けられ即殺された後があります。 魚の太り具合や腹の厚さ、傷の有無など全体を調べて、上物から順番に並べていきます。 体表の艶、そして尻鰭から尾丙に掛けての色と模様の有無も、大きな判断材料です。 新鮮な魚は鰭に黄色みがあります。特にキハダは鮮やかな黄色です。 尾丙は黒っぽい肌地に網目模様がありますが、鮮度が落ちるに従い白っぽくなり最後は綺麗な白色になります。 外見で選別した後、尻尾に近い尾丙部分を切り取って実際に肉質を調べます。 キハダやメバチは上半分を三角形に切り、ホンマグロは完全に切り落とします。 切断面が縮む物は死後硬直が継続していることで高鮮度と判断され、色目が長続きします。切り口がダラッとした物は、その時は良い色でも数時間後には変色する危険があります。 ホンマグロは切り口がまん丸な物は肉付きが良く、横に広がる楕円形の時は歩留まりが悪いので敬遠されます。 切り口で見るのは、肉色、粒の粗さ、照り、そして脂乗りです。 キハダは鮮紅色で透明感のあるきめの細かい肉質が上品で、主に西日本に出荷されます。ホンマとメバチは暗紅色で深い色が好まれ、主に東日本に出荷されます。 色は、非常に微妙な判断なので、光源が重要な要素となります。 買受人が懐中電灯を使うのは、光源の強さ、角度、光色などを一定にする工夫です。 赤色に虹色や鉄色が混じる場合があるので見逃すと大変です。 脂は、慣れないと筋との見分けが難しいのですが、慣れてくると不思議に一瞥しても判るようになります。 外見は丸々していても脂がなかったり、痩せているのに脂はぎっしりなどの個体もあり、毎日頭を振って悩んでいます。 マグロ類は、同じ漁船が同じ日に釣ったものでも1本1本品質が異なるので、全部の肉質を調べる必要があります。 こちらは産地なので、陸揚げ地の品質ではなく、出荷して後、翌日に消費地市場で売られるときの肉質がどう変化しするかを想定して選別します。 当然、消費地市場の買受人は早朝の魚の状態ではなく、夕方店に並べたときの状態を想定して値決めをするでしょう。 そうなると、産地では翌日の夕方、30時間後の肉質を考えてないといけないのです。 これが難しい。何しろ魚を追いかけて調べられないのです。 しかも、30kg以上の魚を小さな窓から全体を想像しなければならないのです。 生きているときから病気や栄養失調、疲労した乳酸のえぐみもあるし、漁獲時に暴れて上昇した体温を下げきれずにヤケを起こしているなど、小さな窓からは窺い知れない状態も多発します。 いつも思っていて、今回これを書きながら確信しますが、鮪の選別はバクチです。 100%選別が成功すれば商売人はみんな儲かる!と、買受人の皆さんは言ってますもの。 |