マキリ

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たむやん 2001.09.28 いま私が主として魚の三枚おろしに使っているのが、
「マキリ」と呼ばれる漁師用のナイフです。
これがよく切れて、使いやすい。
出刃を使うのは、かぶとを切るか中骨をたたくぐらいのものです。
釣り人のナイフを見ても、「マキリ」を使っている人は、これまでついぞ見かけたことはありません。
この「マキリ」は人にいただいたもので、ステンレス製ですが、ハガネのものもあるそうです。
「マキリ」に詳しい方はいらっしゃいませんか。
もしいらっしゃったら、「マキリ」についていろいろ教えてください。
東京日野のぼうずコンニャク 2001.09.28 「マキリ」は東北の日本海側でよくみかけました。
以前に青森県の風合瀬と言う港で魚の水揚げを見てたら、一人だけ「マキリ」を使う人がいて佐渡で買ったと教えられました。
新潟から村上に行く道路ぞいの汚い釣り道具屋で大量に並べられているのも見て、買ってしまおうかと思ったら、そこの店主が「これは毎日使わないとすぐ錆びると」こちらを追い払うように話すのでやめました。
東京ではなんと東急ハンズで売っているのですよね〜!
しかし「マキリ」は日本海側の港町で買いたい。
たむやん@横浜 2001.09.29 「マキリ」は、「真切り」「間切り」とでも書くんでしょうかねぇ。辞書・辞典には見当たりません。

> 「マキリ」は東北の日本海側でよくみかけました。
> 以前に青森県の風合瀬と言う港で魚の水揚げを見てたら
> 一人だけ「マキリ」を使う人がいて佐渡で買ったと教えられました。
私のは山形県の酒田でいただいたものです。

> 新潟から村上に行く道路ぞいの汚い釣り道具屋で大量に並べられているのも見て買ってしまおうかと
> 思ったら、そこの店主が「これは毎日使わないとすぐ錆びると」
> こちらを追い払うように話すのでやめました。

新潟には、洋食器の燕や金物の三条がありますので、その付近が「マキリ」の産地なのでしょうかねぇ? 私も今度岩船あたりを通ったら、釣具屋をのぞいてみます。

> 東京ではなんと東急ハンズで売っているのですよね〜!
そうですか。ハンズで売っていますか。
mituru@souya 2001.09.29 結構日本全国で使われている言葉なんですね。
私が聞いた範囲では語源はアイヌ語と聞いていましたが
これほど皆さんのところでも使われているなら違うのかな・・?
私の所では同じタイプのマキリをサバサキとも呼びますが皆さんはどうですか?
たむやん 2001.10.03 手元にある辞典では「マキリ」という語を発見できなかったのですが、ウェブを検索するとけっこう見つかるものですね。
私も、マキリの語源はアイヌ語にあるのではないか思っていました。
どこかで聞きかじりしたのかもしれません。
東北にはアイヌ語を語源とするのではないかと思われる地名が残っていますが、小道具としてのマキリもそうなのでしょう。
私の持っているマキリは、たぶん漁師マキリというものです。
刃渡り135ミリほどで、たしか1500円位だと聞きました。
素朴なナイフですが、よく切れます。
このほかに、マタギが使う猟師用のマキリもあるようですね。
漁師マキリは主に東北の日本海側以北で使われているようですが、どこで作っているのでしょうか。
mituru@souya 2001.10.03 北海道の浜でも良く使われています。
製造は何所で行われているかは解りませんが組合の購買で買っていますよ・・(笑)
ロープを切ったり、魚を卸したり・・とても使いやすいです。
鮭のえらを取るのにも使いやすいです。専門にはもっと刃渡りの短いのがあるんですが、私はマキリの方が良いです。えらの周りに沿ってくるっと刃が回りやすいです・・片刃なので。
イカを卸すのにもこれが一番かな・・(スルメにおろす) なぜかといえば、目をむしるのに刃の幅がすくないので親指で抑える事が簡単に出来ます。
まぁ・・ずっとソレばかり使っているので馴れているというのが一番の理由かも・・
三陸のkinちゃん 2001.10.03 > 製造は何所で行われているかは解りませんが組合の購買で買っていますよ・・(笑)
そうです。うちの購買でも売ってます。
太平洋側でもつかってるんですよ。

> ロープを切ったり、魚を卸したり・・とても使いやすいです。
鮭のえらを取るのにも使いやすいです。専門にはもっと刃渡りの短いのがあるんですが

> まぁ・・ずっとソレばかり使っているので馴れているというのが一番の理由かも・・
そうかも。知れませんね。
何でもかんでも、マギリ(このへんでは、濁りが入ります)です。使わない日はないです。
台所にも、必ずマギリはおいてあります。
野菜もマギリ、キノコもマギリ、肉もマギリ、おまけに味噌の救いまでマギリです。

さて、北海道のサケ、今年は良いようですね。
岩手も昨年の3倍ペースです。(ココ何年か不漁でしたから、前年比は参考になりませんが)
mituruさんも、サケ漁やってますか?
三陸では、定置は捕ってますが、縄は10月15日からです。実際、縄が始まるのは、11月に入ってからです。来てくれるのを期待してます。
そのくみ 2001.10.20 少し前、マキリの話題が出ていましたね。
 これ1本で何でもできるというので、チェックしていたのですが、オオナマズさんは知らなかったでしょ。
でも、北海道、東北の漁師さん達は、当たり前のように使うポピュラーなものなんですよ。
こういう道具は、まだまだ、地域によって独特のものが使われているんですね。
マキリを普通につかう地域はどの辺までなんでしょうか?
 調べると、マキリはアイヌ語で小刀のことでした。
木彫り細工用、皮ハギ用、女性用は裁縫にも使ったそうです。
刃の長さや形も用途に合わせていろいろで、鞘にいれておくんですね。
 結婚を決めるとき、男性が女性にマキリを贈り、女性がそれを身に付けていたら(腰に下げる)、OKの意味なんだとか。
 聞くところによると、釣りの雑誌に紹介されて、評判になって、ちょっと広まってきたみたいですね。
 ミーハーな私は、さっそく使ってみたいと思います。
かめさん@吉祥寺 2001.10.22 私も先日、マキリの実物を初めて見ました。
北海道根室に近い別海の、鮭の棚漬け(山漬け)をしている方のところで。
4sも5sもある大きな鮭を、刃渡り15pほどのマキリ1本でさばいていました。
@エラブタから差し入れてエラの両端を切り離し、向こうのエラブタから ポンッとエラを押し出す。
A肛門の方から刃を入れ、一気に腹を切り裂き内臓をとる。
ほとんどツーアクションで終わり。
メフンをとったり恥骨(?)のあたりの血合いをこそげるのも含めて、1尾1分もかかっていませんでした。
両刃だから左右どちらへ引いてもOKだし、切っ先も使いやすそうですね。
なるほど、と思いました。
ちなみにその方のところのマキリは、手入れのラクなステンレス製でしたよ。 
たむやん@横浜 2001.10.22 >  調べると、マキリはアイヌ語で小刀のことでした。木彫り細工用、皮ハギ用、女性用は裁縫にも
> 使ったそうです。刃の長さや形も用途に合わせていろいろで、鞘にいれておくんですね。

調理場や家庭の台所においておく包丁とは違い、鞘に入れるということは、もともと携帯用なんですね。

>  結婚を決めるとき、男性が女性にマキリを贈り、女性がそれを身に付けていたら(腰に下げる)、
> OKの意味なんだとか。

このように人生の重要な場面で意味を与えられるということは、マキリがアイヌ民族の生活や文化と密着して大切に使われていたんですね。
私達の周囲にも、つい数十年前までには、そうしたモノがいくつもあったようですが、最近ではめったにお目にかかれなくなってしまいました。

>  聞くところによると、釣りの雑誌に紹介されて、評判になって、ちょっと広まってきたみたいですね。
これは知りませんでした。
釣りの世界もいろいろあるんですが、どんな釣り人に広まっているんでしょうか。
私の持っているマキリは刃渡り135ミリですが、釣った魚をさばいた印象を以下に簡単に…。
いちばんがカツオ。
カツオは「おろす」というより「さく(裂く)」という印象です。
ざっ、ざっという感じで、ほんとに使用感が気持ちいいです。
大きいものではワラサ(関西で言うメジロ)です。
「大きさ負け?」せず、きれいに三枚におろすことができます。
サケはこのワラサと同じようなサイズです。
私は「塩引き」を東北の故郷から送ってもらうのですが、出刃よりマキリのほうが使いやすく、きれいに二枚におろすことができます。
アイヌの人々は装飾用も含めてさまざまなマキリを使っていたと思いますが、サケをさばくのには刃渡り135ミリ程度のものが使いやすいのではないかと想像します。
(※投稿しようとしたら、かめさん@吉祥寺さんがサケについて書かれていますね。…やはりそうなんですね。)
それから、イカです。
いわゆる「イカ釣りオヤジ」(^-^; の特権で船上干しというのをやります。
刃を上にしてイカの胴に入れるとすうーっと一文字に切れて、すばやく開きにすることができます。
ときどき醤油を持参して船の上でイカ刺しもいただきます。

小刀(こがたな)というと「肥後の守」を想像してしまいますが、このマキリはサバイバルナイフそのものです。
もし自分に息子がいて釣りを始めたとします。
一人前の釣り人に成長するのを見計らって、プレゼントしたいと思わせるのがこのマキリです。
釣りをやっているから余計そう思うのでしょうが、釣った魚をきれいにさばくことで(さばけるようになることで)、その魚に礼を尽くしたような気になります。
生き物を殺すと言うことはこういうことであるのだと、一本のマキリから学べるように思いますね。
どうも「マキリ礼賛」となってしまいました。お後がよろしいようで。
そのくみ 2001.10.22 > 私も先日、マキリの実物を初めて見ました
> 北海道根室に近い別海の、鮭の棚漬け(山漬け)をしている方のところで。

鮭の棚漬けだなんて、取材で行かれたのですか?

> 4sも5sもある大きな鮭を、刃渡り15pほどのマキリ1本でさばいていました。
中略
> 両刃だから左右どちらへ引いてもOKだし、切っ先も使いやすそうですね。

そんな風にマキリを使いこなせたらカッコいいですね。

> ちなみにその方のところのマキリは、手入れのラクなステンレス製でしたよ。 
鋼製とステンレス製があるそうですね。どちらを頼もうか迷っていますが、不精者として
は、ステンレス製のほうが無難でしょうな。
そのくみ 2001.10.22 > 釣りの世界もいろいろあるんですが、どんな釣り人に広まっているんでしょうか。
 検索しているうちに、そのような記載を見つけたのです。知床倶楽部さんのホームページ?
   http://www.aurens.or.jp/hp/theRAUSU/rausu4.html

> 私の持っているマキリは刃渡り135ミリですが、釣った魚をさばいた印象を以下に簡単に…。
刃渡り135ミリという小ささで、皮の厚い鮭や大きな魚をおろすというのも小気味いい感じですね。

> もし自分に息子がいて釣りを始めたとします。
> 一人前の釣り人に成長するのを見計らって、プレゼントしたいと思わせるのがこのマキリです。
中略
> 生き物を殺すと言うことはこういうことであるのだと、一本のマキリから学べるように思いますね。

かっこいい!父親と息子の信頼関係がこんな風にして築いていけるといいですね。

> どうも「マキリ礼賛」となってしまいました。
ただの道具ではないような気がしていたのですが、 マキリにこれほどの魅力があると知っ
て、益々欲しくなりました。
かめさん@吉祥寺 2001.10.23 > 鮭の棚漬けだなんて、取材で行かれたのですか?
そうです。
別海の魚真という屋号の店(漁もやっていますが)。
イマドキの振り塩&冷凍の箱切りではなく、昔風にしっかり塩に漬け水分をぬいて作っています。
昔と同じように何週間も漬けるとさすがに辛すぎるので、4日漬けがメインだそう。
それでも旨味がじんわりと出ていて、しみじみおいしい塩鮭に仕上がってました。

> そんな風にマキリを使いこなせたらカッコいいですね。
ホント。羨ましかったです。

> 鋼製とステンレス製があるそうですね。どちらを頼もうか迷っていますが、不精者
> としては、ステンレス製のほうが無難でしょうな。

同じく不精者の私も、買うとしたらステンレスにすると思います。

蛇足ですが……。
これを機会にと定置網をあげに行く船にも乗せていただきました。
ワクワク大喜びで挑んだのですが、なにせ夜中の3時半で真っ暗闇。
砂浜から船を押し出すので、寄せる波に船は半ばジャンプ状態。
最初はさすがに心細かったです。

それにしても、腹子をもったメス鮭は別として、浜値でオスの銀毛がs150円、少しでも婚姻色が出てブナがかかるとs80円、キズがあったりすると30円だとか。
量とれるせいかもしれませんが、安い……。
幻の鮭といわれる鮭児を筆頭に、メジカとか時鮭とか、ノルウェーサーモンとか、脂のあるものは人気があるのに。
脂少ないものは少ないなりのおいしさがあると思うのですが。
なんとかならないものでしょうか。



Copyright(C) Oct.12.2001 by Toshio Yabe. Allrights reserved