ねぎとろの正体?

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ちょろむし@そこらの釣り好き 2002.01.08 ホームページの過去ログ集は大変興味深く読ませていただきました。
ビートルズのベスト版というか、よりぬきサザエさんというか(どっちにしろ古すぎですね)、内容が濃くて一気読みです。
特に「アブラソコムツと鯨の油脂」の項は二重丸でした。
当方、釣り好き、特に海のルアー、中でもジギングと呼ばれる船釣りに長いことエネルギーを費やしており、数年前にブームとなり、いまや1ジャンルとして確立した感もある、「アブラソコムツ(サットウ)&バラムツ」のルアー釣りには、いろいろ思うところがあったからです。
で、その魚たちについて、いま一度、質問させてください。
少し古い話題をまた掘り起こしちゃって、すみません。

私は東京在住なので、主に関東エリアで釣りをしておりますが、その釣行現場で、こんな話を聞いたことがあります。ルアー乗合船で同船した同じく釣り好きとの雑談上ででした。
「ネギトロって、どうやって作るか知ってる? ほら、キハダマグロなんかで、どうしようもなくバサバサの身のやつがあるでしょ。そのすり身に、あるモノを1%混ぜるんだよ」
「サラダオイルを添加するっていうのは聞いたことありますけど」
「そういう商品もあるみたいだけどね。あと、ラードの場合もあるかな。でも、そんなのより旨くなるモノ。バラムツなんだよ。食いすぎるとほら、そのままお尻から出ちゃうけど、1%くらいなら問題なし。駿河湾あたりではそんなふうに流通していて、回転寿司なんかでは我々もすでにそいつを食っているはずだよ」
この話を最初に聞いたとき、「面白いけど、これは一種のフォークロアかな」と思いました。
ルアー釣りの世界では新参者で、姿も怪獣っぽく、しかもワックス成分の問題で市場取引が禁じられている、そんな「インパクトのある」釣り魚だから、いろんなウワサも飛び交うのかな、と。
しかし、ちょっと引っかかるところもあって、それはアブラソコムツ&バラムツ釣りの乗合船で釣れた魚を、漁師でもある船長が欲しがるケースを何度か経験していたからです(最近は駿河湾ではほぼリリースしているようですが)。
一匹10キロ20キロの巨体が数十本も船の上に転がっていて……という日もありました。
さすがにそのときは「これ、ぜんぶどうするんですか?」と私も船長に聞いてみたのですが、「食うんだよ。この辺の漁師は前から食ってるから」という答えでした。
家族内で、あるいは近所で私的に食べると言うのです。
でも、それにしては量が多すぎ。いくら配りまくっても、この量をぜんぶでは、お尻が大変なことにならない?と疑問でした。
また、それからしばらくたって、他の釣り好きからも「バラムツ入りネギトロ」の同様の話を聞きました。
いわく、「アブラソコムツはワックスがきつすぎるけど、バラムツのほうは大丈夫らしいよ。だから、駿河湾の船頭たちもバラのほうだけ残しておいて、ってよく言うじゃない」と。

さて、この件について、ことの真偽をお聞きしたいんです。
●「バラムツ入りネギトロ」なんて商品は、ほんとうに実在しているのか。
●実在しているとしたら、それは現在もか? それとも過去のお話か。
●ネギトロ以外でも、もしかしてなんらかの流通がなされているか。
●個人的に、ちょっと食べてみたくも思うんです。バラムツORアブラソコムツ商品ってネギトロ以外にもある?
●あるいは、ネギトロ成分について、「こんなものも入ってる」という話はないか。
もし、「バラムツ入りネギトロ」が商品として流通していたら、現行法では「闇」ということになってしまうのでしょうが、「1%の添加」など、使い方次第では食品衛生上も問題ないだろうという気がします。
取引禁止となってから、駿河湾ではこの両魚が増えすぎとも聞きます。他の漁で意図せずして水揚げしてしまったアブラソコムツやバラムツが海洋投棄されるのは、釣り好き、魚好きとして悲しいものがあります。
うまい利用法があるのなら、制限つきで市場流通が許されてもいいのでは、と個人的には思います。
(ただ、駿河湾の場合、ルアー船ブームで、この魚たちも減ってきたという話もあります)
なにかご存知のことがおありでしたら、是非教えていただけないでしょうか。
琵琶湖オオナマズ 2002.01.11 一時、お造りの担当をしていて、ネギトロ製造の業者さんともつきあいがありましたが、こういう話は聞いたことがないですね。
少なくとも、メジャーな業者さんなら、「信用第一」ですから、そういう違法に近いようなことはしていないでしょうね。
ローカルなところでは流通しているのでしょうか。私も気になりますね。
ちょろむし@釣り好き東京 2002.01.11 気になってしかたがないので、方々に同様の話をしまくっていたら、ある一般雑誌で仕事になってしまいました。
ネギトロ問題は「おもしろい事実」が見つからない限りさらりと済ますつもりですが、「えー、こんな魚がこんなふうに売られているの!」と一般消費者が驚くような話を集めて、軽いエッセイにしようと考えております。
業界糾弾型の記事はよくありますが、そうしたものではなく、「いろんな魚種が食べられたら楽しいと思うよ。だから、商品名の表示もちゃんとしてもらえるといいな」といった感じを想定しています。
あ、私は取材して原稿を書く、フリーの立場です。
生協組合員の鯖@一般消費者 2002.01.11 「アブラソコムツ&バラムツ」の話は、「マクドナルドの裏には猫の首が転がっている」とか、「王将の餃子にはネズミの肉が入っている」という類の噂と同レベルではないでしょうかね。
でも、消費者は本当におバカですから、「これは噂です」と断ったとしてもそれが公の文章になると「本当の話」になってしまいます。
ちょろむしさんに悪意はなくても、結果的に真面目にネギトロを売っている方に迷惑がかかると思います。
などときついことを書くのも、この間の狂牛病に関するマスコミの無責任な報道にほとほとうんざりしているからです。
特に、女性週刊誌やスポーツ新聞などは、牛だけでなく「サルモネラ鶏肉の恐怖」だの「誰も知らない食品の細菌兵器」だのといった記事を垂れ流し、とうとう、「食べるものがなくなった」人まででてしまいました。
今、この手の「一般消費者が驚くような話」(という表現も、一般消費者をバカにしていると思います)を書く時期ではないと思います。
ちょろむしさんのジャーナリストとしての良心に、期待します。
一消費者としての意見を、述べさせていただきました。
ちょろむし@末端マスコミ人 2002.01.11 > 「アブラソコムツ&バラムツ」の話は、「マクドナルドの裏には猫の首が転がっている」とか、
> 「王将の餃子にはネズミの肉が入っている」という類の噂と同レベルではないでしょうかね。

たぶん、そうだと思います。
ただ、単なる噂だとしても、それが広がる背景には、正式な原材料名をはっきり明示しきれていない業界の現状といったものがあるかとは存じます。
この「バラムツ入りネギトロ」の噂の場合は、釣り業界の問題もあります。
前にも書きましたように、乗合船客の釣ったバラムツやアブラソコムツを大量に貰い受ける船頭(漁師)は少なからず存在しますから。
あるいは、「引きが強くて面白ければ、なんでもかんでも釣りまくって喜ぶだけ」の釣り業界や釣り師たちの問題でもあります。
そうした背景のうえに「ブーム」がくるから、その心理的反動(「なんかヘンなことになってない?」という不安感)で、フォークロアは生まれてくるのでは、と私は考えております。

> マスコミの無責任な報道にほとほとうんざりしているからです。
> 特に、女性週刊誌やスポーツ新聞などは牛だけでなく「サルモネラ鶏肉の恐怖」だの
> 「誰も知らない食品の細菌兵器」だのといった記事を垂れ流し、
> とうとう、「食べるものがなくなった」人まででてしまいました。

……といった背景があるとはいえ、マスコミの無責任はもちろん許されません。
私の父はペット業界の人間でして、あちらでも何年周期かで「ミドリガメのサルモネラ菌恐怖」といった非科学的報道による風評被害を受け続けております。
ただ、「消費者は本当におバカ」だとは思いません。バカも賢者もいろいろいるという当たり前の話ではなく、私は「徐々に賢くなってきている」と感じています。
いまだきちんとした情報公開をできない各業界に対しても、インチキマスコミに対しても、たとえば10年前に比べたら、だいぶ距離が取れてきているとお感じにはなりませんか。

> 今、この手の「一般消費者が驚くような話」という表現も、一般消費者をバカにしていると思います)
> を書く時期ではないと思います。

厳しいご指摘ありがとうございます。
上記の「表現」は、言葉のプロとして浅はかでした。訂正させてください。
「書く時期ではない」については、逆に今だからこそ、と考えます。
媒体にも、書き方にもよりますが、流通する情報は多いほうがいい(原則的に)。
私は、「読者」は、一言では捕らえきれない、底の見えない存在だと思っております。
「読者」がどう反応するかの最終的なところは、誰にもわかりません。
だから、要は記事を作る側が自分たちで納得できるもの、にするしかない。
「読者」をこうだと規定することは、傲慢すぎて私にはできません。
神奈金 2002.01.12  「ネギトロにアブラソコムツの脂を」という話 、確たる根拠は有りませんが、ちょっと考えられない気がするのですが。
いわゆる「ネギトロ」作る時、安く作るのであれば植物系の油を使いますし、ちょっとだけ良心的に作るのならば魚の油を使います。いずれにしろ高いものではありません。
法律的にも問題があり、手間暇がかかる、安定的にも手に入らないアブラソコムツの脂を使う理由が
考えつかないのですが。
「ネギトロ」という商材、今出回っているものは味にはほとんどこだわっていないようですし。
鮪の端材の活用。もし問題になった場合、小売業者にとっても加工業者にとっても致命的です。
メリットが無いと思うのですが。
少なくとも、市販されている製品には使われていないと思います。もし使われている事が分かれば、私も仕入れをやっていた立場からしてその業者が二度と立ち上がれないくらいのペナルティを課します。
仕入れを担当してきた立場からして、「信用して」「分からなかった」では済ましてもらえません。
このメールを読んでいる方で、私と同じ立場の方も多いと思います。
 マスコミの報道で、情報は多い方が確かにいいとは思いますが。
最近、あちらがこれだけ「安い」、こちらがこんなに「安い」の報道ばかりでいささかうんざりしています。
この話をし始めますと、止まらなくなりますので今まで控えていましたが。「安い事」がイコール「良心的」ではありませんよね。
この事は、消費者の方も、流通に携わる方も理屈ではわかっていただけると思います。
私も魚の流通に携わる人間として、「お客さんのこわさ」はわかっているつもりです。
素人だとたかをくくってはいけない、魚の知識は無くとも悪いものは悪いと判るのです。
むしろその消費者に、偏った情報を与える事によってその目を曇らしているといっては、いいすぎかな。
 魚の原料表示については最近それほどひどくは無いと思うのですが、原産地表示・添加物表示には問題を感じるのですが。この問題は一つ、一つ具体的にやっていったほうがよいのでしょうね。
 確かに、流通に携わる人間として、このMLでも話題になったカキに水を吸わせて出荷している実態をメールに書いていいものかどうか私自身ちょっと迷いました。
他の方がメールにかかれましたが(私はというか当社は水を吸わせた牡蠣はチェックして扱っていませ
ん)。この業界、他にも問題は多々あります。やはり長くなりました。失礼。
 これからも建設的な方向で情報交換していきたいと思います。
ちょろむし@ライター東京 2002.01.15 アブラソコムツ(噂はバラムツでしたが)入りネギトロの件は、たしかに仰る 通りですね。
法を犯すリスクを抱えてまで、そうするメリットがわからない。
ウワサでは「そのほうが味がいい」と聞きましたが、「味にはほとんどこだわっていないようですし」という貴兄のお話のほうに説得力を感じます。
この 問題は私なりに取材してみます。が、九分九厘単なるウワサ話でしょう。

> 「ネギトロ」作る時、安く作るのであれば植物系の油を使います
> し、ちょっとだけ良心的に作るのならば魚の油を使います。

「魚の油」というのは、たとえばどんな魚のものをどのように抽出したものでしょう?さしつかえなければお教えください。

> 最近、あちらがこれだけ「安い」、こちらがこんなに「安い」の報
> 道ばかりでいささかうんざりしています。

まったく同感であります。
特に限りある資源でもある魚の場合、「そこまでして飽食するのは気持ち悪いぞ」と個人的に強く感じております。
ユニクロブー ムがようやく翳りを見せてきましたよね。
値段だけでわーっと群がった客は、 じきにさーっと去っていきます。もっとも、ユニクロの場合は、その前のアパ レル業界の流通構造があまりにも消費者をバカにしたものだったからこそであり、あのチェーンの出現で、少しは業界改革のきっかけに結びついたとも言えますが。

> 魚の原料表示については最近それほどひどくは無いと思うのですが、原産地表示・添加物表示には
> 問題を感じるのですが。この問題は一つ、一つ具体的にやっていったほうがよいのでしょうね。

はい。抽象論に流されるより、具体的にいくべき話だと思います。
添加物表示 には、我々一般人が知らない話がたくさんあるようですね。
恥ずべき内容でなければきちんと表示してほしいものです。でないと、「添加物はぜんぶアヤシイ」という、これまた極端な自然派志向みたいな風潮も強まるし、誤解が複雑 になってしまうと思うんです。
琵琶湖オオナマズ 2002.01.15 > 「魚の油」というのは、たとえばどんな魚のものをどのように抽出したものでしょう?
ビンチョウ鮪や鰹の脂を使っていたと思いますが。
抽出というより、そのまま混ぜ込んでいたのではないでしょうか。(不確実ですけど)
ちょろむし@ライター 2002.01.15 私がこれまで調べたこともご紹介しますと、「ネギトロ問題」は、94年にいくつかの大衆誌がとりあげ「叩いて」います。
「植物油脂がまざっているじゃないか!消費者を騙すな!」という論調ですが、植物油脂は動物性の油よりも分解速度が遅く鮮度を保ちやすい、といった事情も紹介されており、読んでみるとあまり勢いはありません。
この年に同様の記事が続いたのは、さる栄養学者の調査がきっかけだったようです。
栄養学的見地からだと、植物油脂ネギトロは栄養価が低い。
そういえば、ドコサヘキサエン酸の効能が話題になっていましたよね。
「これが本物のネギトロの15%程度しか入ってない、逆にとりすぎるとよくないリノール酸が多すぎで、だから問題!」という感じでした。
うーん、ちょっとこれだけでバッシングの対象にするには強引すぎですよねー。
要は、DHAブームの反動で出てきた勇み足的、生け贄的ネギトロ受難だったとも、少しばかり言えそうでした。
この例でもそうですが、マスコミが騒ぎ出した場合の多くには、「もと」があります。
自分で何かを不思議に思って独自調査して……という手間隙のかかる効率の悪い記事作りは、あまりやりません。それは恥ずべきことですが、これを怒ってみたところでも何も変わらない、ひとつの「市場原理」でもあります。
だから、「もと」を発信する人間の責任は大きいし、こういう「原理」に気づいているマスコミ人の責任も大きい。(「もと」になる学者さんやその筋のプロの方ってのは、これまた逆に、マスコミの「原理」に無防備すぎだったりするんですよねー)
あまりこうした「川下」からの話はないようなので、ご参考として(たいした話じゃなくて、ごめんなさい)。
築地に通う関根@さいたま市 2002.01.15 ネギトロ問題でチョット。
スーパーで販売されているネギトロはすでに加工品ですから、添加物の表示が正しければ、動物脂でも植物脂でもかなわないはずです。
魚油ですが、現在は養殖魚の飼料に使われ、ネギトロにはあまり使用されません。
主に、植物脂と動物(豚)脂を配合するメーカーが多いようです。
この割合がメーカーの味となります。
市販されているネギトロは・・・原料が築地で言えば、セリ残りの中の下から2番目レベル位かな・・刺身で食べたら「美味くない」とクレームの付くレベル。
これを、上手く加工して、美味しい?ネギトロで販売します。
もし、100%純粋ネギトロを作ったら、市販価格は今の10倍以上は楽にするでしょう。
それと、スーパーで最近良く目にする、マグロ中落ち(風)も加工品です。
我々の段階では「剥き身」と呼んでます。もちろん、添加物も入ってます。
Vぞう 2002.01.16 > 市販されているネギトロは・・・原料が築地で言えば、セリ残りの中の下から2番目レベル位かな・・
 げふん そうなのですか‥…

> 刺身で食べたら「美味くない」とクレームの付くレベル。
> これを、上手く加工して、美味しい?ネギトロで販売します。

 もうネギトロは食べさせないことにします〜 / 泣
 
 そうそう そう言えばネギトロの粘りを出すのに、足で踏んで踏んでするてコト聞きました。
 まぁ踏むコト自体はうどんやおそばでも、力のないおばぁちゃんは生地を踏むし、衛生的にもちゃんとしてるでしょうからなんとも思わないのですが、一軒のお店でそうやって作るほど、じつは売れてるんだなぁ〜と、そっちのほうにカンシンいたしました
さかなや@京都 2002.01.16 私が見学した某社の加工場では、「植物脂」の製造ラインと、「魚脂」のラインの2つがありました。
「魚脂」は、メバチやキハダ等のマグロの脂を使用していました。
ちなみにここの会社は「IY」さんや「J」さんに商品を卸しています。
我が社向けには、「マグロ脂」使用のネギトロを出荷していただいています。
原料のマグロは、焼津から直送です。



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