背開き?腹開き?

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琵琶湖オオナマズ 2003.10.15 鰻は、一般的に関西が腹開き、関東が背開きといいますが・・・・
まあ、それはそれとして・・・
そしたら、アジ開きはどうなんでしょう。
先日の焼津ミニオフ会でお尋ねした羽野シーフーズでは、腹開きでやっておられました。
四国のメーカーさんで、頭は開かずに首のところから包丁を入れ、背開きしておられるところがありました。
アジ開きにも、関東・関西等で、開き方が違うのでしょうか。
どなたか、ご存じの方おられませんか。
金太郎 2003.10.15 鰻という文字に反応して出てまいりました。
和食では干物にする時、腹の薄い魚は背開きが一番初めの基本と教わりました。
しかし、季節、鮮度、風習、魚の口の位置などでこれらは変化します。
季節・・同じ魚でも、子をもつ時は腹が薄くなりますよね。
鮮度・・腹が厚めでも鮮度落ちの場合は、背開きにしないとぐちゃぐちゃになりますよね。
風習・・アマダイでも、伝統料理で静岡の干沖津は腹開きですし、
    京都の若狭ぐじは背開きですよね。 (俗説とは反対です)
口の位置・・その他に頭つきの商品の場合のみ、口が上か下かできまるそうですが、
       う〜ん例が思いつかない。(すんません)

上の理由は、あくまでも私が教わった料理人側からの背開きと腹開きの仕方ですので、まだ色々あると思いますが・・・・

ちなみにナマズさん、京都では古い文献には背開きとされているのが見つかりました。(また謎が増えましたが)
きんのり丸 2003.10.15 > アジ開きにも、関東・関西等で、開き方が違うのでしょうか。
ちょうど夕方に、小アジのサビキ釣りに行ってきました。
外道のカタクチイワシとシンコばかりで・・・セイゴまで釣れたのですが・・・アジはたったの2匹でした。(笑)釣れる時は100匹以上は釣れるのですが・・・
漁師でも、海苔とアサリの漁師で釣りは苦手です。
タタキにして食べましたが、甘くて美味しくいただきました。
イワシは猫の餌となってしまいました。
こっちでは私の知るところ腹開きですね。大きいのが釣れると開きにします。
さんまや 2003.10.15 私のところは全て背開きです。さんま、あじ、かます、うるめ・・・・
さんまの開きは、関東も関西も背開きのようです。(売りかたは以前投稿しましたが、腹見せ、背見せと違いますが)
あじは背開きでも、頭から開いてくるところと、私のようにエラのところから開くところがあるようです。
私のところは、包丁もまな板も全てさんま用のため小さいので、頭からは硬くて、開きにくいこともあります。
さんまの開きも、同じ背開きでも業者によりかなり違いがありますよ。
当社のような、目の下から開いている所は少ないように思いますが・・・
琵琶湖オオナマズ 2003.10.16 > 和食では干物にする時、腹の薄い魚は背開きが一番初めの基本と教わりました
あ、開き物にも、そういった基本形があるんですね。
僕はちゃんと勉強したことがないんで。(^_^;)

> しかし、季節、鮮度、風習、魚の口の位置などでこれらは変化します
なるほど。

> 季節・・同じ魚でも、子をもつ時は腹が薄くなりますよね
その場合は、背開きにするということですね。

> 鮮度・・腹が厚めでも鮮度落ちの場わいは背開きにしないとぐちゃぐちゃになりますよね
なるほど。

> 風習・・アマダイでも伝統料理で静岡の干沖津は腹開きですし、
>     京都の若狭ぐじは背開きですよね (俗説とは反対です)

そうですね。そして、どちらも、頭から割ってますね。アマダイの開きの場合は、頭を割らずに開くというやりかたは無いようですね。

> 口の位置・・その他に頭つきの商品の場わいのみ、口が上か下かできまるそうですが、う〜ん例が思いつかない(すんません)
これは、あまりよくわかりません。

> ちなみにナマズさん、京都では古い文献には背開きとされているのが見つかりました。(また謎が増えましたが)
ほんと、謎ですね。また、詳しいこと、教えて下さい。
金太郎 2003.10.16 殆んどの魚は、はらわたをとる水洗いの関係で腹開きがしやすいと考えて下さい。
そして、例外的に背開きにする魚は昨日書いた、季節、鮮度、風習、魚の口の位置との関係になるのですが、腹も厚くて、鮮度は最高の魚で、口の位置が理由で背開きにする魚はコイです。
カマス屋@鹿児島 2003.10.16 先日、愛媛県の加工屋さんにおじゃましたときに、その工場で作っている「アジヒラキ(塩干し)」製品をみせてもらいました。原料は同じでも、開き方は「腹開き」と「片開き(って言うのでしょうか、頭を残して左半身を開く方法)」の2種類を作っておられました。
理由は、「販売地区が違うから」とのことです。
海をはさんで広島方面は腹開きでOKですが、四国、特に山から南の高知方面は背開き(片開き)でないと売りにくいそうです。そちらさんの出し先が主としてスーパー向けですので、地区の特性というか、一般のお客さんの好みがそういった形なのかもしれません。
ちなみに、自分で開き干しを作る時は、カマスは片開き、アジは背開きです。
カマスは、「そのほうがカッコいいから」というのが理由ですが、
私が釣るカマスは、腹いっぱい餌を食ってることが多いので、開く時には腹が薄くべらべらになってしまい、「かっこ悪く」なることもしばしばです。
琵琶湖オオナマズ 2003.10.16 > 当社のような目の下から開いている所は少ないように思いますが・・・
これって、なにか理由があるのでしょうか。
琵琶湖オオナマズ 2003.10.16 > 殆んどの魚は、はらわたをとる水洗いの関係で腹開きがしやすいと考えて下さい。
京都の場合、カマス、アマダイは背開きなんですよ。
ところが、アマダイは頭も割るけど、カマスは頭は割らず、首のところから開きます。どちらも、腹は、ササラで洗います。

> 腹も厚くて、鮮度は最高の魚で、口の位置が理由で背開きにする魚は、コイです。
そう言えば、コイは背開きにしますね。
あれは、内臓をつぶさないためかと思ってましたよ。
コイの干物は、見たことないなあ。
琵琶湖オオナマズ 2003.10.16 > 海をはさんで広島方面は腹開きでOKですが、四国、特に山から南の高知方面は
> 背開き(片開き)でないと売りにくいそうです。

そうか、それで松山にあった干物やさん(倒産した)は、背開き(片開き)だったんですね。納得。
さんまや 2003.10.16 > 当社のような目の下から開いている所は少ないように思いますが
> これって、なにか理由があるのでしょうか。
少し訂正を
 目の下から開いている所はありますが、当社ほど目に近いところから
 開いている所は少ないと思いますに変更してください。
本題です。
一番の理由は、開いたときの魚をより大きく、丸みを着けた状態を見せるためです。
あと、首?の部分の骨が折れにくいように、滑らかな傾斜をつけて開くため、なるべく上(目の下すぐあたり)から包丁を入れる。
私はこの2点を重視し、なるべく目に近いところから開くよう、自分も実践し従業員にも指示しています。
 しかし、最初はこの「灰干乾燥」開きを教えてくれた明石家さんまさんの親父さん、おじいさんの指導がこの開き方であって、うちの父(頑固な老漁師)がアレンジしていった方法が今の開き方で、その理由付けを私なりに考えて従業員にも説明しているのが上記の理由かも知れません。
 市場からは同じサイズのさんまを開いても、当社の開きが一番大きく見えるとよく言われますので、この開き方を続けます。
秋武@門司港じじや 2003.10.17 じじやでは、基本的に背開きです。
なぜ背開きかは、昔からの慣習でわかりませんが、もともと九州は背開きが多かったようです。
じじやでは、背開きで頭から割ります。
大分や鹿児島は頭を残すところが多いようですね。
それは、以前、どなたかが書かれてましたが、頭が固いと言うのが理由だろうと思います。特に、青アジ(丸あじ)などは、特に硬い。
青あじなどがよく取れる地域などは、総じて頭を割らないのでは?と考えたりしてました。推測ですが。
もう、20年近く前になりますが、沼津にアルバイトに行ってたとき、ある週刊誌か雑誌で、なぜ九州が背開きが多くて、沼津(関東)が腹開きなのかということが、書いていました。
アジの開きの場合ですが、腹開きだと、開いた姿が丸く見え、背開きだと細長く見えます。関東のほうは、その姿が丸い方が商品価値が上がります(油のりがいいものはまるいと言う一般常識)ので、腹開き。
その点、背開きは身がキレイにしまった形で開けるということが書いていました。身崩れしにくい。一理あるなと思っています。
作業上は、大量に開いていく場合、とにかく早く処理するという場合、腹開きですと、まず、先にエラを取ると言う作業をする必要があります。これは、包丁で取るのですが、背開きの場合、一旦開いてから、後で、内臓とともにエラを手で取ると言う作業になります。
この場合の作業性は、背開きの場合の方が早いと思います。
余談ですが、機械で開く場合、背開きの方がもっと作業性が上がります。なぜなら、一旦機械で腹開きをしてしまうと、エラが両サイドに割れて、エラをとる手間が二度かかるからです。
そういう意味では、関東の業者は、機械開きは導入しにくいかもしれません。
私の勝手な意見ですが、見かけをしっかり作り上げようとする関東。
どんどん処理するスピードを求められる九州。
その違いは、昔から大いにあるのではないか。
それには、九州の業者がとても扱えないような単価でごっそり買い付け、つまり1匹単価が高いからムダに出来ない沼津と、とにかく水揚げされた魚をどんどん開くことが先決という九州の産地事情もあるのではないかと思います。
いすに座って作業する工場の多い沼津に比べ、水揚げされた大量の魚を立ち仕事で、コンベアを使っってでも早く処理しないといけない九州の理由もあるのではないかと思います。
最近は、九州の加工業者も、関東方面や関西方面への出荷のため、腹開きをする業者も増えました。私のところは,背開きの方が九州らしいし、じじやらしいということで、かたくなに背開きをやっています。
仕上がり重視の関東、スピード重視の九州。
腹開き、背開きの違いには、こんな背景もあるのではないかという私の意見です。
金太郎 2003.10.17 確かにコイは内臓の関係の方が深いかも知れませんね、ここは、鯉専の方のご意見をお聞きしなくては。

> コイの干物は、見たことないなあ。
う〜ん、私も燻製の記憶はあるのですが・・・

アマダイもそうなんですが、口が下の方にある魚は背開きのほうが二つに割った頭の接触部分が多い為に、焼いた時に離れにくく綺麗にしあがります。
逆に、コイやアマダイのような魚を腹開きにした時の、頭同士の接触部分は殆んど無くなり、焼いている時や盛り付けのときに頭が落ちやすくなってしまいます。
ただ、腹開きの長所は腹骨の部分を簡単に包丁で削除できますので、干沖津に関しては将軍家への献上品だったせいかわかりませんが、腹骨はもちろん背骨、小骨まで頭以外の骨は取り去ってから干しますので食べる時は楽ですが。
琵琶湖オオナマズ 2003.10.17 > アマダイもそうなんですが、口が下の方にある魚は背開きのほうが
> 二つに割った頭の接触部分が多い為に、焼いた時に離れにくく綺麗にしあがります。

確かに、そのとおりです。

> ただ、腹開きの長所は腹骨の部分を簡単に包丁で削除できますので
> 干沖津に関しては将軍家への献上品だったせいかわかりませんが、
> 腹骨はもちろん背骨、小骨まで頭以外の骨は取り去ってから干しますので
> 食べる時は楽ですが。
なるほど、それぞれ、ちゃんと理由があるんですね。
勉強になりました。
【山形】さとう 2003.10.19 > 殆んどの魚は、はらわたをとる水洗いの関係で腹開きがしやすいと考えて下さい。
> そして例外的に背開きにする魚は昨日書いた
> 季節、鮮度、風習、魚の口の位置との関係になるのですが
> 腹も厚くて、鮮度は最高の魚で、口の位置が理由で背開きにする魚は、コイです。

知らなかったです。勉強になりました。ありがとうございます。
苦玉の関係で先にはらわたを取る時に誤って潰してしまい、身に苦味が付かない様にする為かな?と思います。
んで、開いてみました。
 http://www.maruhara.biz/3/3.htm
金太郎 2003.10.19 う〜ん、なるほど、やはり鯉は苦玉の関係が第一ですか、こちらこそ勉強になりました。
ありがとうございました、これからもよろしくお願いいたします
先日の投稿から、私も鯉の干物を探していましたが、和食では見つかりませんでした。 
中華では一旦、背開きで干物にした(頭付き)ものをさらに調理するものはみつかりましたが。
話はそれてしまいますが、さとうさんの画像を見て、内臓を残して活き作りにしてさらに泳がすという技法を思い出しました。(成功したのは見た事ありません)
河内やにほ水 2003.10.20 > 内臓を残して活き作りにしてさらに泳がすという技法を思い出しました。
これって、活きたままの魚の背中筋肉だけを採って水槽に戻すやつでしょうか?
もしそれならば、一度テレビで見たことがあります。
それが出来ますっていう料理屋のおっちゃんがうれしそうに水槽に戻してたけど。
嫌な絵でしたね。背骨丸出しで漂うタイの向こうに、どうだと言わんばかりのオヤジの笑顔。
たしかに『お腹は下に背は上に』って状態だったけど、泳ぐ道具採られちゃってるんだから、決して泳いではいませんわな。
モモ肉ステーキを食べながら、その牛を歩かせてるみたい。
【山形】さとう 2003.10.20 >先日の投稿から、私も鯉の干物を探していましたが、和食では見つかりませんでした。
私も見た事がありません。「新巻鯉」というのは噂には聞いた事がありますが、見た事や食べた事がありません。
干物というと保存という一面があると思うのですが、鯉にはこの概念が必要では無かったのではと考えます。
乾燥させて保存する物の多くは、農作物、水産物共に収穫、漁獲時期が限られているものが多いような気がします。川魚で言えば鮎や鮭などでしょうか?
鯉は通年で食する事ができるので、乾燥させて保存する必要が無かったのでは?と思います。



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