塩のこだわり

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さんまや 2003.09.22 最近、塩で悩んでいます。
 当社「こだわりさんま」には、HPでも表示していますがインドネシアの天日塩を使っています。その塩を直売店でも販売しているわけですが、来られるお客様で、「私、国産の天然塩しか使わない」と言われる方がおられます。
そこで、「国産のどこの塩がいいですか?」と聞くと、大抵某有名な塩の名前を言われる。しかし、私が調べた所、市場に多く出ている塩(天然塩とか天日塩とかいわれている塩)はかなりの割合で、輸入(メキシコ、オーストラリア等)の岩塩、天日塩を溶かして作っている。ごく一部で海水を平釜で炊いて作っている物もあるが・・・
これも国産というのかな?
お客様には「ああそうですか。良かったらこれも使ってみてください」としか言ってませんが、どれほどの違いがあるのか良くわかりません。
 同業者でも、国産塩使用と表示し上記の輸入品溶かし塩を使っている所もあります。
成分表を見ても、まあ色々な数値があり、後は自分の舌で美味しいと感じた物を使うしかないのかと。
 魚ではありませんが、魚を美味しく食べる「ねた」としての塩、詳しい方居られましたら、ご教授下さい。 また、お勧めの塩があればご案内も。
ミネポン@横浜 2003.09.22 5月に父親の故郷、山形に行った帰り道、R7号線を山形から新潟に入ったところに「海の塩」なるものがありましたよ。買ってこなかったので詳しくはわかりませんが…
 http://e-farm.atori.net/products/salt1/  のことじゃないでしょうか?

ちなみに、うちの店では「伯方の塩」を使ってます
琵琶湖オオナマズ 2003.09.22 塩の話は、過去ログをWebにしてるのがあります。
まだ見ておられないようでしたら、ご覧下さい。
 http://www.fishml.com/sonotairoiro/sionituite.htm
大阪のガリー 2003.09.22 さて、国産の塩が・・・・と言いますが、どこからどこまでの海水なら国産なのかということが問題になります。
 沖縄と台湾の塩はどう違うのか?
 結論から申し上げますと、塩というものは無機物ですから、農作物やワインのように産地の影響はほとんどなく、製法によって成分の差がでてきます。
 よほど汚染された海の塩でない限り、製法によって(人為的に)成分調整はできるのです。 つまりは産地はほとんど関係無い(国産にこだわる必要は無い)ということです。
 次に岩塩について・・・
 よく岩塩を舐めながら「ミネラルが入ってて甘いですねえ」というフレーズをテレビで聞きますが、実際、岩塩にはミネラルはほとんど入っていません(純塩化ナトリウム!)。
成分的に言うと、キロ100円くらいで売られている食塩と同じです。
実際、仕入れはキロで10円代がいいとこですし、それが日本の市場に並んだとたんキロ当たり何千円もするのですから、仕入れてるところ(商社?)は笑いがとまらないと思います。
 さらに岩塩は塊を削ってと思われてる方が多いと思いますが、ほとんどが真水に溶かして、塩水にしてから精製します。
 塊で採掘されたそのままの岩塩は、PCBや水銀等重金属の問題があるのと、土砂などがまじっているため食用には向いていません。
 ちなみに岩塩、海水塩にかかわらず、色がついているのもはほとんどが異物です(茶⇒土、グレー⇒砂)。
 水溶液を作ってコーヒーフィルターにかけると、べっとり砂などがつきますよ。
 余談ですが、スイスなんかでは岩塩にヨードを添加しないと販売できないといった国もあります。
 これを考えると、人間の思い込みは怖いなあと思います。

 2年前に自由化になってから「昔ながらの製法」やら「古代の製法」など色々なキャッチフレーズがありますが、それが本当に「いい塩」かというと疑問です。
 その製法が何故廃れたかというと「手間がかかる(生産効率が悪い)」「気候に影響されやすい」「にがり分が残り過ぎる(まずいし、腎臓病になると言われている)」という理由からだからです。
 塩に関して言えば、『値段が高い=いい塩』という図式は成り立ちません。
 あまりに無駄な(無意味な)手間が多いからです。
 確かに苦労して作った塩が美味いというイメージは沸きますが、実際はそうではありません。
 よく塩を舐めて「この塩は美味い」「これは辛い」という人がいます。
それはそれでいいと思いますが、実際まったく同じ成分の塩でも粒状(粒の大きさ)が違えば塩味の感じ方が違ってきます。これは、舌の上での溶けるスピードに関係するのです。
料理に使ってみて初めて「この塩はこの料理に合っている」とか「この素材の旨みを出してくれている」というのが分かると思います。
 色々長々と書きましたが、結局は自分が食べて「美味い」と思う塩を買えばよいと思います。現状(上記)を知っていれば無駄なお金を出さずにすむかもしれません。
 PS;伯方の塩は安心できる塩ですよ。大手のメーカーも使用してますし。 
さんまや 2003.09.22 ありがとうございます。
最後の「結局は自分が食べて「美味い」と思う塩を買えばよいと思います。」との考え、一致しました。

>  さて、国産の塩が・・・・と言いますがどこからどこまでの海水なら国産なのかと
> いうことが問題になります。
>  つまりは産地はほとんど関係無い(国産にこだわる必要は無い)ということです。

お客様の中には、塩は「国産しか使わない」と言って、伯方の塩、赤穂の塩の名前が出てきます。そのときには今までのとおり、「ああそうですか!」とだけ言っておきます。
伯方の塩も赤穂の塩も、原材料塩はメキシコやオーストラリアですね。しかし、最近は原材料の欄に海外産天日塩使用等の表示が出るようになってきていますから・・・
秋武@門司港じじや 2003.09.22 >  よく塩を舐めて「この塩は美味い」「これは辛い」という人がいます。それはそれ
> でいいと思いますが実際まったく同じ成分の塩でも粒状(粒の大きさ)が違えば塩味
> の感じ方が違ってきます。これは舌の上での溶けるスピードに関係するのです。

実は、先日、といってもだいぶ前ですが、じじやの干物の味が変わったことがありました。同じ塩で、同じように干物に作ってるのですが、味が違うのです。
「これは絶対に、おかしい」と、塩の問屋さんに尋ねました。
 「塩が変わってないですか?」
すると、塩屋さんは、「成分も同じ、袋も同じ、メーカーも同じ、全く同じ」と言うのです。
でも、絶対に違う。それで、もっとしつこく調べてもらうと、なんと、2つのメーカーが合併して、国内でも塩を作る浜が違ってたのです。
塩の問屋さんもビックリのようでした。
多分、採取する海が違ってたのだと思います。
メーカーは同じでも、合併によって工場が変わってるので、中身が違ってたのです。
これには、かなりビックリしました。
それで、今では、メーカーが変わっても、以前の浜で作られてる塩に変えて、元の味に戻せた、そんなお話です。
大阪のガリー 2003.09.22 それは、長崎のダイヤソルトと香川の讃岐塩業でしょう。
何年か前から、DS(ダイヤソルトと讃岐塩業の頭文字をとってつけた)ソルトという、要はイオン交換膜をつかって海水を濃縮した後、加圧式の釜で塩を結晶させてできる塩(市販の食塩、業務用の並塩など)を販売していますよね。
あの膜は1価のイオン(カリウムなど)は通す性質があり、昭和48年頃から流下式に代わってされている製塩法ですよね。
PCBや水銀などの異物はシャットアウトするものの、いかんせん「ほぼ純塩化ナトリウムの塩」さらに結晶が「立方晶」の塩。
表向きはそれだけは分かっているのですが、微量ミネラルによって味(素材からにじみでてくる旨み成分)が違ってくるかもしれませんね。

私は、実はソムリエをやっていました(今も資格はありますが^_^;)。で、そこのシェフ曰く「どこの塩でも料理に合えばいいが、有害物質の危険性がある商品は洒落にならん。だから信用おけるメーカーの商品を使う」と。
結局は日本だろうと、外国だろうと安心して使えて、尚且つ美味い(素材の旨みを引き出す)塩が総合的にいいんでないでしょうか(勿論同じ味・成分なら安いに限る!)。
 ちなみに私のいたイタメシ屋では『伯方の塩』を使ってました(美味くて、製法をはっきり教えてもらえて安心したからとのこと)。
秋武@門司港じじや 2003.09.23 > それは長崎のダイヤソルトと香川の讃岐塩業でしょう。
おおー!よくご存知ですね。ビックリしました。
といっても、私はメーカーの名前までは、知りません。
実は、私の店では、ほんとに安上がりの塩しか使ってないんです。
ですから、お客様には「塩」を売り文句に使うことはありません。
「塩汁」は、前面に出しますが。
塩問屋さんからいろいろな、いい塩を紹介されますが、いまいち私の納得のいく味にならないので、今まで通り、安い塩で勝負って、感じです。
よく「天然の塩?」とか、聞かれますけど、そこにこだわる方は、私の店にはあわないお客様だと思ってるんです。
おいしい塩より、いい塩加減が、売り文句です。
自分がおいしいと感じるものを、自分なりに売って行く。
どんな塩を使おうが、それでいいのではないかと思っています。
天然国産にこだわるという意味では・・・
私の店の売上の約60%を締める「ノルウェーあじ」
最近、世間では売れ行き悪いようですが、先日テレビで、「じじやの霜降りアジはノルウェー産」ということで、大々的に産地に焦点を当てて、製造現場から放映してもらったら、逆に売上が上がりました。
「干物屋:じじやの実態を、お尻の穴まで(失礼!)全て見せます。」って、ディレクターに啖呵きって、ドキドキで撮影してもらったんですけど、放映後の反応が怖かったです。
他にも近海ものをそろえてるので、そちらを勧めても、お客様はわかっていながら「ノルウェー産のアジ」を買っていきます。
お客様は、店頭での試食食べ比べで判断されますので。
せっかく関門だから、「近海ものをどんどん売りたい」の意に反して外国産が売れていく・・・これって何?見たいな、変な感じです。
値段は、1枚600円2枚で1000円ですから、飛行機で売るより、いい値段かもしれんです。
さんまや 2003.09.23 > 塩問屋さんからいろいろな、いい塩を紹介されますが、いまいち私の納得のいく
> 味にならないので、今まで通り、安い塩で勝負って、感じです。

いい事ですよね。それもこだわりと思います。
ただ安いと言うだけでなく、商品にとって一番良い味になる塩だから使われているわけだから、それがたまたま安かったと言うことですよね。
私も通常の商品は安い塩を使っていますし、これからも同じです。

> よく「天然の塩?」とか、聞かれますけど、そこにこだわる方は、
> 私の店にはあわないお客様だと思ってるんです。
> おいしい塩より、いい塩加減が、売り文句です。
> 自分がおいしいと感じるものを、自分なりに売って行く。
> どんな塩を使おうが、それでいいのではないかと思っています。

店にあわないお客様にも買っていただきたい。
それで、その方が美味しいと感じてくれたら尚、うれしい。
よく聞かれます、「天然塩使用のこだわりさんまと普通のさんま、どっちが旨い?」
私は、「私の舌では味に大きな違いはないと思います。塩にこだわられる方、食べ比べられて美味しいと感じられた方が買われています」と言ってます。
だから、私のこだわりと言うより、お客様のこだわりに任せています。
ただ、いま使っている塩は、当然自分が美味しいと思った塩を、それぞれ自信を持って使っています。

> 私の店の売上の約60%を締める「ノルウェーあじ」
> 最近、世間では売れ行き悪いようですが、先日テレビで、「じじやの
> 霜降りアジはノルウェー産」ということで、大々的に産地に焦点を
> 当てて製造現場から放映してもらったら、逆に売上が上がりました。

中略
> 値段は、1枚600円2枚で1000円ですから、飛行機で売るより、
> いい値段かもしれんです。

ここらがじじや様をうらやましく思うところです。
少しでも、多くの人にさんまやの「灰干乾燥」さんまの美味さを知ってもらうためには、さんまが空も飛ばねば・・・・<量販店の安い開きとの違いを分かってもらえるよう>
しげる 2003.09.24 >最後の「結局は自分が食べて「美味い」と思う塩を買えばよいと思います。」との
>考え、一致しました。

考え方は、よく分かります。
ただ、一般の人は(私も含めて)、多くの塩を味見しているわけではありませんね。
ですから、どうしても、パッケージや値段の高い塩の方が、ありがたがる傾向にあるかもしれません。
最近は、どこでも多くの種類の塩を売っていますが、昔ながらの食卓塩には触手が伸びませんね。
何となく、テーブルソルトと調理用分けていますが、本当に、何となくですね。
amitake 2003.09.24 わたしの知り合いが、横浜でこだわりの「東京湾料理」を出していますが、そこで使っている塩です。確かに味が違うようです。
 http://www.seasalt.jp/item/s415.html

以下同感です。

> >最後の「結局は自分が食べて「美味い」と思う塩を買えばよいと思います。」との
> >考え、一致しました。

> 考え方は、よく分かります。ただ、一般の人は(私も含めて)、多くの塩を味見
> しているわけではありませんね。ですから、どうしても、パッケージや値段の
> 高い塩の方が、ありがたがる傾向にあるかもしれません。
> 最近は、どこでも多くの種類の塩を売っていますが、昔ながらの食卓塩には触
> 手が伸びませんね。
> 何となく、テーブルソルトと調理用分けていますが、本当に、何となくですね。
秋武@門司港じじや 2003.09.25 > 少しでも、多くの人にさんまやの「灰干乾燥」さんまの美味さを知って
> もらうためには、さんまが空も飛ばねば・・・・
> <量販店の安い開きとの違いを分かってもらえるよう>

全く、その通りだと思います。
私は、さんまやさんは全国でも数少ない「灰干乾燥」ですから、「乾燥方法の違い」を強烈に、ウリにすべきだと思います。
塩などは、二の次ですね。(商売のユニークセールスポイントとしてですよ)
私のところは、乾燥方法など、とても売りにはできません。
「どこでもやってる」冷風乾燥ですから・・・といっても、どこでもやってる「たて塩製法」を売りにしてますが。
でも、「塩汁」のことは、ほとんどのお客様はしらない。
つまり、お客様があまり知らない「製法」の部分をクローズアップすることで、お客様の気持ちを掴むべきだと思うんです。ライブで見せる!ですね。
どんどん、灰干乾燥が世の中に知られて、そんな中で、干物への消費者の認識が高まっていく。私とさんまやさんとセールスポイントは違いますが、そんなお互いの努力の中で、干物が生活の中で特別なものとして捕らえられていく。
そんな過程をとても楽しみに仕事をしてる私です。
多田@東京都調布市 2003.09.27 > 当社「こだわりさんま」には、HPでも表示していますがインドネシアの天日塩を
> 使っています。その塩を直売店でも販売しているわけですが、来られるお客様で、
> 「私、国産の天然塩しか使わない」と言われる方がおられます。
「国産の天然塩」というのもかなりあいまいですよね。
みなさんが発言されているように、原料の原産国がどこであれ、日本国内の工場で、近海の海水で溶解して精製すれば、「国産の塩」と法規的に問題なく表記できます。
また、販売する塩の原料として最も安価なのは輸入岩塩です。
岩塩は人工的に作った物ではなく、自然の鉱山から採掘する物です。
そうすると、日本の工場で作った塩のほとんどは、「国産の天然塩」を名乗れることになります。
国産ですから、一応衛生面はクリアしているだろう程度の意味はありますが、「国産の天然塩」に「売り文句」以上の意味があるとは思えません。
むしろ、完全天日干し塩の方が、海水中に含まれるミネラル分をほぼそのまま残している製法という点で、意味があると思います。
ただ、完全天日干しで塩を作るとなると、日本ではまず無理です。
湿度が高く平地の少ない日本では、実用的ではありません。
古来の方法でも、最終的には釜で炊きあげる形がほとんどです。
原料の海水はどこの国でもタダに近いので、コストの大半は人件費。
小学生の夏休みの実験で、スプーン一杯作ることはできますが、商業用として作るのはまず無理でしょう。
なので、商業ベースで成り立つのは、人件費の安い国に限られます。

>塩の話は、過去ログをWebにしてるのがあります。
>まだ見ておられないようでしたら、ご覧下さい。
> http://www.fishml.com/sonotairoiro/sionituite.htm
そっか、過去にも話題があったのかと思って興味深く読んでいたら、最後に生意気なガキが学生時代のうろ覚えで長文投稿している…… (^^;
すっかり忘れておりました。でも大きな間違いは書いてなかったようです。
多田@東京都調布市 2003.09.27 >すると、塩屋さんは、「成分も同じ、袋も同じ、メーカーも同じ、全く同じ」
>と言うのです。でも、絶対に違う。それで、もっとしつこく調べてもらうと、
>なんと、2つのメーカーが合併して、国内でも塩を作る浜が違ってたのです。

「成分も同じ」というのは語弊がありそうですね。
成分が完全に同一であり、水溶して用いる(粒子サイズ・形状の影響を受けない)形であれば、それが天然物でも合成物でも味の差は生じないはずです。
同成分でも波動が高いとか低いとか言う人もいますが、私は疑問に思っています。
正確には『「栄養成分表示(100g当たり)」の表記が変わっていなかった』ということでしょうね。
この栄養成分表示って、(財)日本食品分析センターで分析してもらうのが業界の慣習で、塩の場合はここの「塩試験法」で依頼するのが一般的です。
その結果として、ナトリウムで0.1g単位、塩化物イオン、カルシウム、マグネシウム、硫酸イオンで0.01%単位、カリウムが0.001%単位なので、それ以下だと区別がつきません。
※(財)日本食品分析センターの「分析試験成績書」を参照
  http://www.jfrl.or.jp/

また、厚生労働省令で定められている栄養表示基準の必須表示項目とその順番は以下の通りです。
 1.熱量
 2.たんぱく質
 3.脂質
 4.炭水化物
 5.ナトリウム
 6.栄養表示されたその他の栄養成分
これ以外の成分であれば表記の義務はありませんので、省略されていれば比較すらできません。
さらに「含有量の数値の丸め方については、特に基準はない」となってます。
なので、マグネシウム0.18gも0.21gも丸めて0.2gと表記してしまえば、区別はつかなくなります。
誤差の範囲も、ほとんどの成分が-20%〜+20%で、それ以上の精度が必要とされる成分は記載されていません。
逆に、カルシウムは-20%〜+50%、ビタミンB1は-20%〜+80%など、より大きな誤差範囲を認められている成分もあります。
ただし「0と表記できる基準」は、たんぱく質・炭水化物・糖質で0.5g、ナトリウムで5mgなどと定められています。
※以上 薬事日報社刊「新版健康食品取り扱いマニュアル」東京都健康局
        東京都生活文化局 編 を参照

ppm(百万分の一)単位のホウ素、ストロンチウム、鉄、マンガン、セレン等は塩試験法の分析試験項目範囲外で、より費用のかかる分析を依頼しないと検出されません。
でも、鋭敏な人の舌はそれを判別してしまうようです。

>多分、採取する海が違ってたのだと思います。
>メーカーは同じでも、合併によって工場が変わってるので、中身が違ってたのです。
>これには、かなりビックリしました。
>それで、今では、メーカーが変わっても、以前の浜で作られてる塩に変えて、
>元の味に戻せた、そんなお話です。

なるほど、そんなことがあったのですか。
先程、正確には『「栄養成分表示(100g当たり)」の表記が変わっていなかった』ということでしょうね、と好意的に書きましたが、どうせ似たものだろうからと、新たな成分分析をせずにパッケージの袋ごと流用した可能性もありますね。
海水の成分は地域によって差がありますし、採った時期によっても差がありますが、これは塩試験法の測定範囲内でも十分差が認められます。
私の勤めている会社でも、中国福建省産の天日干し自然塩を輸入販売しています。
秦の始皇帝以下歴代皇帝に献上して二千年以上、同じ場所で同じ陶板を敷き詰めた塩田で、同じ製法で作られているのですが、海水の成分は採った時期により違います。
なので、輸入する度に若干(0.0x%単位)の成分差があるのです。
私は専門家ではないので、その程度の差では全く味の区別はつきません。
また、その程度は誤差の範囲内だろうとずっと思っていました。
ところが、ある時お客様から「梅干しの出来が全然違うので色々調べてみたところ塩が違っていた。以前送ってもらった塩のサンプル小袋が残っていたので比べてみたら、今度のはまろやかさが減り、とがった塩辛さになっている」というクレームが入りました。
成分分析結果を見ると、確かにナトリウムと塩化物イオンで約1%増えており、その他マグネシウム、カリウム等の微少成分に0.01〜0.05%単位で減っていました。
とはいえ、私にも上司にも、味の区別はつきませんでした。
社内規定に則り、クレーム担当を兼任する社長に報告書を上げたところ、「確かに違う、お客様が正しい。事情を説明して謝りましょう。」と自ら電話してました。
安定した品質という点では、輸入岩塩をブレンド・溶解・再結晶させた大手メーカ製品の方が優れていると思います。
さんまや 2003.09.27 塩の話、色々と勉強させていただきました。
過去ログ、今回の皆さんのご意見、他のHPやらで、少しは塩のこと分かるようになってきました。その結果、私の方針は
 1、 お客様が国産塩しか使わないと言われたら、ニコニコと
    「この塩も美味しいので良かったらどうぞ」だけ言っとく。

 2、 当社「こだわりさんま」は従来どおり、私が美味しいと思う塩に
    どこまでもこだわります。(国産、輸入関係なく)

 3、当社の売りは塩ではなく「灰干乾燥」だ!
   「こだわりさんま」は塩だけのこだわりではなく、原料、製法
   職人等、もちろん「灰干乾燥」にしつこいほど、こだわった製品でーーす。

しかし、じじや様や多田様のレスにあった様に、同じメーカー、同じ製品であっても、時期や企業の状況等で味が微妙に違ったりすることがあるとの事、これには感心させられ、毎日自分の舌に緊張を持たせて、確認することの大切さを再確認しました。
ありがとうございました。
秋武@門司港じじや 2003.09.27 > 「成分も同じ」というのは語弊がありそうですね。
> 正確には『「栄養成分表示(100g当たり)」の表記が変わっていなかった』と
> いうことでしょうね。

ご指摘ありがとうございます。以後、そのように理解します。
わたしは、今まで塩にほとんどこだわってなかったので、今回のお話は、とても勉強になりました。

> 先程正確には『「栄養成分表示(100g当たり)」の表記が変わっていなかった』と
> いうことでしょうね、と好意的に書きましたが、どうせ似たものだろうからと
> 新たな成分分析をせずにパッケージの袋ごと流用した可能性もありますね。

むむむ??
さて、そこまでは、わかりませんが、そんなのともあるかもしれませんね。
やっぱり、塩工場に出かけていって、確かめて使うぐらいの、探究心が無いといけないのかもしれませんね。
秋武@門司港じじや 2003.09.27 > 3、当社の売りは塩ではなく「灰干乾燥」だ!
>   「こだわりさんま」は塩だけのこだわりではなく、原料、製法
>   職人等、もちろん「灰干乾燥」にしつこいほど、こだわった製品でーす。

うらやましい限りです。
今更、じじやの乾燥方法を「灰干し」に変えろといっても、無理な話です。
ぜひ、ガンガン売り込んでください!!!!



Copyright(C) Oct.5.2003 by Toshio Yabe. Allrights reserved