鰻・99年6月の状況

やっぱり今年も暴落です。毎年、同じ事の繰り返しですねえ。
今日は、1999年6月24日、ちょうど、「土用の丑」の一月前です。

今年は、数年ぶりにジャポニカシラスがたくさんとれ、日本・中国・韓国など各地の池には、日本の一年間の総需要量の3倍近くの鰻が養殖されているという状況です。
そういう状況ですから、この秋からジャポニカ種の鰻が大量に出回り、安くなることは誰でもが分かることです。

ところが、鰻相場は、池に成鰻がいないということで、相場高で推移してきました。
しかし、このご時世、高ければ売れません。リストラで、首を切られたり、給料が下がった人が、高い鰻を買うわけがないのです。世間のこうした状況を無視して、鰻だけが高値相場を続けてきたのです。(今は、マグロも高いです。)

私など「こんなん、バブルやで。そのうち、大暴落するで。」と言ってきました。

案の定、大阪で2週間ほど前に、フランス種の冷凍ウナギが2割ほど下落しましたが、先週は京都市場でも暴落です。
2級ブランドのケース(10kg)100尾以上のサイズなら、1万円を切れるものも出てきているようです。つまり、1尾100円以下ですね。末端のスーパーなどでは、4尾580円で売っても、儲けが出ます。信じられない価格です。

私が見たのにこんなのがあります。
ケース(10kg)210尾というサイズ、1尾45グラムくらいの小さな蒲焼きです。穴子の蒲焼きより小さい。
これで、1尾原価**円くらい、今はやりの「100円均一」に使えるのです。これを見て、私は唖然としました。

京都の某スーパーでは、ウナギを「100円均一」に入れるそうです。うーーん、信じられない。
ウナギって、そういう商材だったのでしょうか。
私など、本当に美味しいウナギを、丁寧に売りたいと思いますが、こういう考え方は、もう古いのでしょうか。

一方、活鰻相場は高値に張り付いたままです。
kg2800円〜3000円くらい、つまり1尾250gサイズのウナギの原価が750円前後するのです。
これに、加工賃を加えたら、1尾1300円〜1500円でもおかしくありません。
まったく、二極分化になってしまいました。

このところ、梅雨で雨の日が多いです。こうなると、ウナギは売れません。
この天候が長引けば、まだ相場は落ちる可能性があります。
「土用の丑」まで、あと一ヶ月。今が一番売れるときです。なんとか、天候の回復を期待したいものですね。

さて、この先、 いったいどうなってしまうんでしょうか

これは誰にも分かりません。

予想が当たった人が、今年の勝ち組になりますが、その人が、また来年も勝ち組になれるかどうかは、まさに「神のみが知る」ですね。
 今回の報告は、かなり情緒的になってしまいました(^_^;)


  
Copyright(C) June 24, 1999 by Toshio Yabe. All rights reserved