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中国産炭焼きウナギについて      ウナギのリンク集
中国の露地池  中国の炭焼きライン
上記の写真は、中国広州市のウナギ養殖場(露地池)と炭焼きラインの入った加工場の写真です。実際に、ここに行かれた方が写されたもので、許可を頂きまして掲載させていただいております。
養殖している鰻はジャポニカ種で、生産規模は養魚場100〜200万尾、加工場の生産能力は1000〜1500トンということです。
露地池では浮き餌でそだてており、外見は良好なのですが脂肪分が少ないといいます。
(日本の養殖場では、練り餌を与えていますね。 下記URL参照、写真が多いので重いです。)
  http://www.ne.jp/asahi/to/fishroom/fishml/issikiyousyokujou.htm
炭焼きラインは、焼き工程(数10メートル)の一部で最初の白焼き箇所(3m位)だけのようです。
紀州備長炭を使っており、「備長炭焼き」がコンセプトになっています。
蒲焼きの1尾原価は50元弱といいます。安いですね。
先日、店周りをしました。その時、いくつかの量販店も廻ったのですが、中国産炭焼きウナギ(ジャポニカ種)を品揃えしていたのは、ジャスコだけでした。
京都は独自性が強い土地柄で、味には保守的なところがありますので、なかなか「新商品」は入りにくいなあと思いました。
以前から、「一度は中国産炭焼きウナギを食べんとあかんなあ」と思っていたので、買いました。
3pぐらいのが1尾680円(だった?)なので、2食分と考えたら、決して高くない値段です。
さて、お味のほうですが、とても「炭焼きウナギ」と呼べるような物ではありません。
本物の炭焼きウナギなら、ウナギの濃厚な味、香ばしさなどが、口の中にあふれるのですが、そういうものが全くありません。
普通の冷凍蒲焼きとあまりかわりませんでしたよ。これじゃ、騙しやないか・・・・と、僕は思いますね。
私の実験では、いわゆる本当の炭焼きウナギ(手焼きで、仕上げまでの全行程を炭で焼く)の場合は、1週間程度家庭の冷凍庫で保管しても、炭焼きウナギらしい風味が残ります。
しかし、上記の中国産炭焼きウナギは、そうした風味が無いのです。下記2点の問題を感じます。
  1. 炭焼き工程が、一部だけであること。
  2. 通関の期間とかで、冷凍してから食べるまでの時間が長くかかっていること。
これは、あくまで私の想像にすぎないのですが、ほんとの炭焼きウナギとは全く違うということは間違いないですから、期待して買うことの無いように、消費者の方は注意してください。
その後、調べたところ、ひとことで「中国産炭焼きウナギ」と言っても、下記の3種類があるようです。
  1. 完全な手焼きでの炭焼きラインで製造(人件費の安い中国だから可能なんですね。)
  2. 自動での、全工程炭焼きラインで製造(実は、これは信じられないのですが・・・)
  3. 大部分の工程がガス焼きのラインで製造(一部だけが炭焼きの加工ライン)
私が食べた「中国産炭焼きウナギ」が、この3工程のどれで製造されたものかはわかりませんが、味については上記のとおりです。本物の「炭焼きウナギ」とは全く違うのは間違いありません。
なお、「中国産炭焼きウナギ」のなかには、「炭火フレーバー」というのを使って、蒲焼きに「炭の香り」をつけたものもあるようです。ほんとの「炭焼きうなぎ」には、炭のかおりなどはしません。したがって、これも誤魔化しにすぎないと思います。
業界の中でも、こうした加工法は「邪道」とされているようです。        2001年9月17日加筆

  
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