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土用の丑直前に考えたこと      ウナギのリンク集
明日は「土用の丑」です。今年は、梅雨が明ける前に土用の丑がくるので、条件的には厳しいと業界ではささやかれています。
7月10日頃までの数日間は暑い日が続いており、「これなら鰻は売れる」と思っていたのですが、7月だというのに台風が2号も続いて本土直撃、気温も急降下しました。今朝も、雨が」降っていて、「カラッと暑いウナギ日和」にはなりません。
時期的な問題だけでなく、水銀問題・抗生物質問題・産地詐称問題等々、悪い条件が揃いすぎました。これらが、消費者に対して、鰻の安全性について大きな不信感を与えたのは当然で、これは業界ぐるみで克服していかなければいけない問題です。
鰻業界が一丸となることが、かってなく重要になってきていると思うのですが、なかなか思うようにはいかないようです。
日本養殖新聞7月15日号に「新たな法人組織 九州養鰻漁業協同組合連合会発足に動き出す!!」という記事が載っています。記事では、この団体に参加予定の単位漁協は、養殖業者の全国団体である日本養鰻漁業協同組合連合会を脱退するようなことを書いていますが、そうすると、産地養殖業者の全国団体が二つになる、すなわち「分裂」してしまうということになります。うーーー、これはねーーー。ちょっとまずいんじゃないですか。
私は、鰻業界とはなんら関係がない人間ですから、業界内部の細かい事情は知りませんが、「分裂」という事態が良くないことであることはわかります。まして、鰻業界が危機に瀕しているとき、「内輪の争い」をやるなんて、私から見れば馬鹿げてます。

さて、小売り側の状況ですが、中国産の鰻の安全性に疑問符がついたということに影響されてか、量販店の主力は国産鰻にあるようです。この間、見に回ったのは5店ですが、うち3店が国産鰻、2店が中国鰻が主力でした。ただし、7月10日以前の品揃えなので、今日・明日は状況が変わっているかもしれませんけれど、一応、これらのうち4店を報告します。
まず、私の職場の近くにある経営再建中のDですが、ここの主力は中国産、無頭の4p程度で498円だったか。2.5p程度のでっかいやつで、798円でした。もちろん国産も品揃えしていて(たぶん4pサイズ)1尾880円でした。見に行ったのがウイークディということもあり、駐車場はガラガラ、売り場にお客さんがパラパラとしかおらず、なんとも締まらない状態でした。
優れているなと思ったのはIYさん。主力商品は静岡産の無頭4pぐらいのサイズ 1尾798円。備長炭使用というシールを貼っていたので、機械での炭焼きでしょうか。あと、バラウリの中国産4.5pぐらいのが298円。大きめの中国産が498円。串鰻が3入で798円?の品揃えでした。何が優れているかというと、国産蒲焼きを800円以下というリーズナブルな価格で品揃えし国産派の取り込みを狙い、産地にこだわらず安さを求める人には、中国産を298円で提供する。298円のバラウリは、つい手が出そうになるほど魅力的でした。ちょっと心配なのは、どうしてもバラウリの安い鰻が目立ってしまい、主力の静岡産が霞んでしまうのではないかという点です。人がついて試食をさせていましたので、そのあたりのぬかりは無いとは思うのですが。たぶん、土用の丑もこの品揃えでいくのでしょうね。私は、「さすが、IYだなあ」と感心しました。
醍醐という地名の所にあるダイゴロー(笑)という建物内のHというスーパー(滋賀県が地盤)では、テナントの塩干屋さんが霧島湧水鰻を1480円(4p?)で売ってました。POPに小さく、「稚魚から国産です。」と添え書きがしてありました。それにしても高い値付けですね。こんなやくざな商売をやってたらだめだよなーーーと思いました。魚のコーナーの品揃えは、バラウリで「桜島」ブランドの国産蒲焼きを980円(3.5p?)で売ってました。同じブランドの少し小さめ(5p?)は、2尾1080円でした。中国産は、かなり大きいのが2尾1080円、1尾598円でした。それにしても、国産の1尾980円をバラウリするという考え方が、もひとつ良くわかりませんでした。この地域は、けっこう、価格にシビアな地域のはずなんですがねーーー。
次は、大阪を地盤にしているIZというスーパー。ここは品揃えが多く、売り場がすっきりしていなかったので、全部のアイテムを紹介できません。主力は中国産のフランス種です。3.5pですかね。1尾480円、2尾880円、3尾1320円。下段はこれだけでした。2尾を中心に陳列していました。これは当然でしょう。「炭焼き仕上げ」というシールを貼っていましたので、機械焼きの最後に炭火を入れるという焼き行程なのでしょうね。この焼き方は美味しいのでしょうか、私は?です。鹿児島・山中水産の炭焼き蒲焼きも品揃えしていましたが、6pサイズくらいで1尾580円、2尾1060円。なんとも貧相な鰻でした。これは不必要な品揃えですね。差別化商品なら、差別化商品らしいモノを売るべきで、こんな見劣りするような商品を売ったらいかんですよ。このへんが、このスーパーの弱点ですね。これだから、IYに負けるんですよ。

うちとこの状況は、一般の状況よりいいみたいですよ。(うちとこは、当然、国産が中心ですが。)
店舗の予約は、尾数で前年比プラスらしいです。明日、どれだけ売れるやろ、楽しみヤナーーーー。

例年なら、この時期fishmlには、鰻についての投稿が増えるのですが、今年は秋刀魚の話題の方が多いです。これはちょっと問題だなーー。明日は土用の丑なので、「鰻を食べてね」という投稿をして、盛り上げようと思います。
少しでも多く鰻を食べてもらおうと、車に「うなぎはやっぱ国産だね!」のシールを貼って走ってます。みなさん、栄養満点の鰻を食べましょうね。
上のシールは、福山でのオフ会の時、Vさんに頂いたモノ。徳島県漁連が制作した「小さい魚は海へ戻そう。きれいな海をみんなで守ろう」のシール。

「うなぎはやっぱ国産だね」のシールは、産地の方からもらいました。

その左の透明のシールは、「We Love NORIKURA」シールで、昔あった乗鞍MLで制作したものです。

車は、Pajerominiです。

2002年7月19日

  
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