このページは、業界でウワサの「お魚情報館」の兄弟ページです。(^_^;)
うなぎ完全養殖成功のニュースについて思うこと ウナギのリンク集 昨日の朝から、テレビやインターネット、新聞で、「ウナギの稚魚を育てることに成功。 養殖研、完全養殖に道」というニュースが報道されていました。「うなぎの完全養殖」へのチャレンジは、だいぶ前から試みられていたことですが、やっとここまで来たかという感じですね。これは、画期的な技術開発だと言えると思います。そして、商業化に成功したら、鰻業界の構造を変えてしまう可能性を持っています。しかし、しかしですね・・・・・・・・・インターネットの掲示板を見て回ると、早くも「鰻相場はどうなる」なんていう書き込みがされていますが、ちょっと早すぎというか焦りすぎだと思いますね。実験室での成功と、商業ベースでの成功とは全く意味が違うことを忘れないで欲しいです。
先にも書いたように、確かに、画期的な技術だと思いますが、実験室の中での成功であって、ここで育った鰻くんは言ってみれば「純粋培養」「箱入り娘」です。大量生産、商業ベースにのせるまでは、まだまだ紆余曲折があるような気がしますし、冷静に見ておくことが必要だと思いますね。報道でも、この実験の責任者の方が「完全養殖の普及には時間はかかる」と言っておられるそうですし、あまり先走って考えたりしないほうがいいと思います。
また、商業ベースに乗ったとしても、養鰻の原料がすべて人工に変わるわけでもないでしょう。
したがって、これからの推移を注意深く見ていく、当面はそういうことでは無いですかね。
とりあえずここまで 2003年7月11日記某所で聞いたことで、関係者ならみんな知ってることかもしれませんが・・・・・・・・
今回の場合、レプトセファルスがシラスに変態する期間が、230日〜500日かかっているそうです。
天然の場合は、約6ヶ月で変態し、シラスになります。(そうらしいです。僕は研究者じゃないので、又聞きですが・・)
この点だけをみても、まだまだ研究課題が多いことがわかりますね。 2003年7月12日記えーーと、それから、、、、、、これも、業界人なら、たぶん皆さんが知っておられると思うんですが。
養殖研の先生が、記者会見の時に「(商業ベースにのるまでには) まだ10年かかる」と言われたらしいですよ。
したがって、最初に僕が書いてることが当たってるということですね。(^_^;) 2003年7月15日記今日は祇園祭山鉾巡行の日でした。このところ、ずっと雨降りだったので気になっていたのですが、今日は幸いにしていい天気になりました。でも、明日からは、、また崩れるらしいですよ。
今日は、出勤前に、ちょっとだけ市場に寄って、鰻やさんと話をしてきました。。。 彼が言うには・・・
「ああ、あれね。あれは、わたしら末端は関係あらしまへん。養殖業者さんには関係あるやろけど。しょせん、価格は需要と供給で決まります。末端の需要がなければ、いくら供給されてもダメやしね。」
それから、こうも言ってられました。
「大量の卵を、どこから手に入れるんですか。鰻は多産系じゃないのですよ。」
私が思ったより課題は多いようですが、養殖研究所は、こうした課題をどの程度クリアしてるんでしょうかね。
僕の経験から言えば、実験段階では、あくまで「その実験を成功させる」ことだけに集中するのが普通ですので、商業化の問題は考慮されていないはずですから、これからが厳しいと思います。 2003年7月17日記