養殖うなぎの現状

昨日は出荷でした。ビニールハウスの中はもう灼熱の熱帯という感じで
網を引いている最中、身体じゅうから汗が湧き出していました。
暑さで立ちくらみがしたのか、意識を失いかけた瞬間、何か虚しいものを感じました。
「何でこんなことをしているのだろう?。」ここ数年、経営状態が芳しくなく
去年は、かつてない赤字でした。今年も現在、キロ5本物で1050円ですが、
そんな値段ですべてが売れるわけでなく、重量の目減り分とか二等品を含めると
900円程度になってしまいます。これでは原価すら回収できませんし、我々
経営者は無報酬です。固定資産の修繕や消耗品などを含めると1200円程度
無いと再生産できません。よって出荷すればするほど、赤字が増えることに
なります。今年も赤字が必至となるので、来年はどうしようかと、つい先日まで
悩んでました。その意識が元に戻った時、「来年は止めようかな・・・。」
支えていたものが取れた感じで、急に肩の荷が軽くなりました。
何もガムシャラに経営する必要もないわけで、たぶん休んだほうが傷が浅い
感じがしますので・・・。それにしても、我々の出荷したうなぎで、中間、
末端の業者が儲けていると思うと、はっきり言ってムカつきます。
さて、大規模で経営していらっしゃる同業者様、並びに問屋さんの子分の
皆様、今年の暮れもシラスの獲得競争をするんでしょうか。来年の事は
分かりませんが、中国台湾に今年も沢山シラスが入っていることを考えると
今年以上に価格の上昇はあり得ないでしょう。傷が広がらないよう祈ってます。
もう、疲れました。来年は、大病したつもりで休業いたします。
後は、高みの見物とシャレまして・・・。
書き込み日 2001年7月24日
私はfishmlに参加している素人の一消費者です。
グルメにはほど遠い(鋭敏な味覚を持たない)貧乏サラリーマンなので
普段手を出すのは@280〜380円の中国産ウナギ蒲焼きです。
ML管理人の琵琶湖オオナマズさんが国産の炭火焼きはやっぱり美味しい、
中国産特価品とは別物だと力説されています。
「ジャポニカ種」と中国産の「フランス種」では脂の質が違うとのこと。
明日(7/25)は土用の丑の日で混雑が予想されるので、2〜3日ずらして
国産品を食べてみようかと考えています。
# 私の鈍い味覚で差を実感できるかという一抹の不安がありますが。

店頭価格は中国産の輸入が一般化する前(数年前位?)まで毎年値上がり。
私達庶民には高嶺の花になってしまったと嘆いていたので、
最近の値下げには喜んでいた口です。

とはいえ、出荷価格がキロ千円以下とは初めて知りました。
5匹でという事は1匹200円にもならないということですか。
私はド素人なので必要設備やエサ・飼育法などは全然知りません。
でも暮れにシラスを仕入れて半年以上養殖してこの価格となると
大きな赤字となるのは理解できます。
なんと言うか……、部外者としてはお慰めの言葉もありません。

中間・末端業者さんがどの程度の利益を上げているのか知りませんが
最近は国産養殖物でも蒲焼きに加工されて1本580〜680円で買えます。
加工の手間を考えると、利益は微々たるものではないでしょうか。
と言っても一番多大な労力をつぎ込まれている養殖業者さんが
大きな赤字というのは、素人ながらに不条理の極みだと感じますが。

最初は励ましのお言葉をと考えたのですが、私の立場で何を言っても
無責任な戯言(たわごと)にすぎないので言葉もありません。
来年はお休みになさるとのこと、再来年は好転することを祈ってます。



メールはこちらへ
Copyright(C) Apr.19.2002 by Toshio Yabe.Allrights reserved