養殖鮪と自然の鮪

養殖によって育ったまぐろと自然の中で育ったまぐろの違いを教えてください。値段はやっぱり養殖まぐろのほうが高いのでしょうか。養殖まぐろの短所、長所は何なのでしょうか。ぜひ、教えてください。よろしくお願いします。
書き込み日 2002年8月15日
養殖まぐろは狭いイケス(近畿大学大島実験場の場合、直径30メーターの丸形イケス)で飼われているので、自然のマグロと比べるとどうしても運動量が少ないので、脂肪が蓄積されやすいです。
イカやサバなどを餌として与えていますが、身質は自然のマグロと比較して、背身の部分でも脂肪分が多いです。
私が現役の時に取り扱ったオーストラリアの蓄養マグロは全身脂身でした。
価格については単純な比較ができません。
天然の鮪の場合、いいものは極端に高く、悪いモノは捨て値になります。
養殖マグロの場合、天然に比べるといつでもそこそこ安定した身質ですから、価格の大きな振れはありません。
ですので、時期により天然が高い時もあり、養殖が高いときもあるということです。
普通、天然のお魚は「漁模様」に左右され、量・価格が不安定です。
その点、養殖魚は計画的に生産できますし、「漁模様」という概念はありません。したがって、価格も安定します。
以上のことで、養殖まぐろの短所、長所をつかめると思うのですが、いかがでしょうか。
ありがとうございました。マグロの養殖についての知識がまた少し増えたように思います。
けれども、私にはもう1つだけ解決しておきたいことがあります!!(聞きまくってすいません。)
先生のお返事の中に“養殖マグロは脂肪分が多い”と書いてあったのですが、脂肪分が多いというのは良いことなのですか?脂肪分が多いと人間の体に何か影響がでたりするのでしょうか。
私は先生ではありませんよ。(^_^;)
脂肪分が多いということは、食べると美味しいということですよ。
普通、トロというのは腹身のことを言いますよね。養殖マグロの場合、腹身だけでなく背の身も脂がありトロのようです。
ということで、人間が食べるという点で言えば、美味しいけどカロリーが高いのでたくさん食べるのは良くない・・・というぐらいですかね。
そこそこいい値段がしますので、一般庶民がたくさん食べられるようなものではないですから、気にしなくてもいいと思いますけど。
今後は、養殖の方法や餌の研究によって、養殖マグロの身質が変わってくるかもしれませんね。今の養殖マグロは天然とかなり違いますし、トロの味も天然の本マグロのトロの味とは違います。この点がどう評価されていくのか、興味深いところです。
蛇足ですが、天然の本マグロの大トロは、ダイオキシンの含有量が多いことが分かっています。
赤身は、他の魚とかわりません。



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