このページは、業界でウワサの「お魚情報館」の兄弟ページです。(^_^;)

ウナギ情報館に戻る。

「中国鰻の抗生剤・・・なんで今頃??」      ウナギのリンク集
新聞・テレビで報道されたので、みなさんご存じだとは思いますが、中国産の冷凍ウナギから、「エンロフロキサシン」という日本では許可されていない合成抗菌剤が検出されました。それで、厚生労働省は7月3日、食品衛生法に基づき、自主検査を義務付ける「検査命令」を輸入業者に出しでいます。
ということなんですが、私が疑問に思うのは、「別々の業者が3月に輸入した2件の中国産冷凍ウナギの白焼き。」がそうなんですけど、「なんで、今なの?」ということです。(裏で、また、なんかあるんか?)
業界では、数ヶ月前から問題になっていて、「何の為の認証シールなんや」という批判もあったわけです。
(認証シールというのは、日本鰻輸入組合が決めた安全基準に合格した鰻加工品だけに貼付することになっていたシール。残念ながら、基準不合格のものまで輸入され、シール貼付が無意味になってしまった。)
3月に輸入した鰻の検査結果が、なんで7月にしか出ないのか。わざと、7月まで発表を遅らせたのか。
土用の丑まで、あと3週間。業界にとって、今はかきいれどきなんですね。それが、この報道でぽしゃってしまいかねない。そんな危機感を持つ人は、私一人ではないですよ。鰻関連業界の若い人が私にメールをくれ、「これは陰謀だ!」と嘆いておられました。全く、私も同感です。なんで厚生労働省は、今の時期に発表したのか、そのワケを聞いてみたい物です。
国産なら大丈夫・・・・と言っても、国産の比率より輸入物の比率のほうが高いのが実際です。中国物が売れないとしたら、相場は上がるだろうし、国産と言っても生産には限りがあるし・・・下手すると、鰻の市場が縮小してしまう可能性もあります。
消費者のみなさんが、「中国はやめて国産を食べよう」ということになるとまだいいのですが、「鰻はこわい」となってしまったら、鰻自体の消費が減ってしまいます。これは困ったことです。
「エンロフロキサシン」が使われていたこと自体は問題ですが、厚労省は「すぐに健康への影響があるわけではないが、食べ続けると問題がある」という見解を出していますので、冷静に対処してほしいなあと思います。
  ここまで  2003年7月5日記
私の身近なところで、こんな話がされていましたよ。
  • お客さん:**さん、あんたとこで売ってる「土用丑」のうなぎは中国産とちがうか?
    店員:案内に書いてると思うんで、見ていただいたらわかると思いますが、うちで扱ってるるうなぎは、
  •     冷凍ですけど、すべて国産のうなぎが原料ですよ。
    お客さん:そうか。よそでは、中国産の安いうなぎが売っているでーー。
    店員:そんなん、買われますか?
    お客さん:あほな、そんなうなぎ、よう買わんわ。
    店員:そうですかーー、やっぱりねーーー。
中国産の鰻蒲焼に対する不信感は、根深い物がありますね。  この項  2003年7月8日記
なんでこの時期に、あんな発表がされたのか。業界人ならずとも、疑問に感じますよね。
うなぎ情報館掲示板  http://baby.iruka.ne.jp/cgi-bin/a6/iruka.cgi?namadu  に、「これはまさしく政府の陰謀です!」という書き込みがされましたが、そう思う人がいてもしかたがないと思います。
今日の京都は、午後から夏日になりました。こうなれば鰻が売れます。
早く梅雨が明けて、夏日が続いて欲しいものです。   この項も  2003年7月8日記
もうすぐ、土用の丑ですね。土用の丑には、美味しい鰻を食べたいですね。
さて、ここだけを読まれた方は「中国産の鰻は食べたくないな。」と思われる人が多いかもしれないので、ちょっと補足しておきます。
私が鰻を扱い初めて、もう15年ぐらいになります。たしかに、昔はひどかった。ちゃんと焼けてない鰻とか、薬臭い鰻とかがありましたよ。そんなことを知らずに仕入れて、店からクレーム続出といったことも経験しています。
しかし、ここ4〜5年の所で、大きく変わってきたと思います。まあ、まだ「どうかなー」と思うのもありますけども、大勢としては「美味しい鰻」が多いです。たとえば、下記URLで実験に使っている中国産鰻、美味しかったです。
 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/2654/unagispa/unahikaku.htm
この鰻は、市中では380円〜480円で売られてるものです。380円で売られているとすれば、十分にその価格以上の値打ちがあると思います。

また、合成抗菌剤問題ですが、これはあくまで「輸入量のごく一部」であって、中国産蒲焼きすべてに使われているわけではありません。そこそこ名の通った量販店や生協で品揃えしているものなら大丈夫です。
このへんの事情は、下記URLをご覧下さい。
 http://www.fishml.com/sonotairoiro/unagi_enro.htm

ですから、中国産と表示されていても、気にせずに買って頂いたらいいと思いますよ。
(ただし、バッタ屋みたいなところで、メチャ安で売られてるのはどーかなーと思いますが・・・・・・)

それから、国産表示でも、輸入物と同じような値段で売られているものがありますが、これも注意が必要です。
ローカルスーパーやディスカウント店では、中国産をリパックして「国産」シールを貼ったものが出まわってますしね。
これは、日本養殖新聞が、東京のローカルスーパーに品揃えされてるのをレポートしています。
私は、京都の中央市場で、こういった鰻が出まわっているのを見ました。ごく最近のことです。

ということで、「中国産」とはっきり表示しているのは、安心して食べられるよ。。。というのが結論でした。
     この項  2003年7月23日記
fishmlでの消費者の方からの質問「中国鰻はなくなるの?」というに対して、「中国からの鰻蒲焼がすべてストップしたら、パニックになりますよ。」というお答えをしたのですが、現在、蒲焼きの輸入はストップしています。
ですので、市場への出回りはショートしつつあります。
ところが、テレビでは、「在庫がたまっている」というような報道をしています。これは、たぶん「エンロ」問題で回収された鰻だと思います。回収された鰻蒲焼はけっこう多いですが、食べても問題がない商品ですから、いずれどっかのディスカウントショップなどで売られるでしょうね。

このような状態になれば、普通なら投機筋の買いが入ったりして値上がりするのですが、そのような動きが見えないと、ある業界関係者が言っておられました。つまり、そのうち、中国側の自主規制も解除され、輸入再開となるだろうという見方が、輸入業者のところでは多いようです。

いっぽう、もっと厳しく見ている人もおられます。
私の友人の鰻やさんは、「2〜3年はダメでしょう。中国の土地は相当汚染されてるから、ちょっとやそっとの対策ではよくなりませんよ。」・・・というような認識でした。

どっちが正しいのかは分かりませんが、中国産の鰻蒲焼が品薄になっているのは事実で、このままなら、鰻の市場が縮小する可能性も無いとは言えませんね。      この項  2003年8月2日記
> このような状態になれば、普通なら投機筋の買いが入ったりして値上がりするのですが、
> そのような動きが見えないと、ある業界関係者が言っておられました。
> つまり、そのうち、中国側の自主規制も解除され、輸入再開となるだろうという見方です。
どうも、こっちが正しかったようですね。10月1日解禁という話を聞きました。
これは、たぶん、中国の輸出解禁と言うことだと思いますので、国内での末端販売は、10月中旬以降になるでしょう。この時期になれば、売り場の主力は、秋〜冬の魚に変わっていきますので、鰻はそんなに売れませんよ。

中国の場合、正式に発表された以外の「内情」がいろいろあると思うのですが、そのあたりが見えてこないことが多いです。これが問題だと思っています。
鰻にとって気になるのは、シラス資源の事もあるのですが、「土壌汚染」の問題です。
いまだに、汚染されたほうれん草が見つかっています。これは、土壌そのものがかなり汚染されているのではないかという疑いに足る事実だと、私には思えます。
もし、そうであるとすれば、鰻の養殖そのものには薬をつかっていなくても、汚染された土壌からしみ出る薬品で鰻が汚染される可能性が有るのではないか・・・という考え方もできるのです。これは心配です。

昔、中国鰻について商談したとき、養殖池の場所について、「近隣で農薬を使った畑がない」ことを一つの条件としました。裏返せば、そういう畑が養殖池の近辺に有れば、池で育てている鰻が汚染される可能性が有ると言うことですだから、心配なのです。

私は、中国に行ったことがありますけど、鰻の養殖場は見ていません。
ですので、上に書いたことはあくまで推測です。違ってるよと思われる方、ぜひ、訂正をお願い致します。
                この項  2003年8月6日記

  
Copyright(C) Jul.5.2003 by Toshio Yabe. All rights reserved