鰻・シラスの採捕と餌付け&寄生虫について

下記の3項目は、いずれも一色町にお住まいの小澤さんに教えていただきました。
疑問などがございましたら、こちらまで→ http://www4.ocn.ne.jp/~uca2/


シラスの採捕は、なぜ「闇の大潮」なのか。
  • 昔は、シラスウナギの光に集まる性質を利用して、カーバイトランプにシラスウナギを寄せていたので闇夜がよかったようです。
  • 今では、待ち網という小型の定置網を使うのであまり関係ないようですが、潮の上げ下げでシラスウナギの動きが変わるようなので、やはり闇の大潮前後がよいようです。
  • シラスウナギの採捕には手網と上記の待ち網があります。(ホントは他にもありますが、少数なので省略)
    手網は現在、車のバッテリーを使い電気の光に寄せて1〜数尾眼で確認しながら採捕します。待ち網は地引き網を小さくしたような形で、河口に、口を海側に向け、袖を張り固定します。
  • すなわち、シラスウナギは上げ潮に乗り、川を目指すわけです。この時潮の動きが大きいほどシラスウナギにとっては遡上するのが楽なのではないでしょうか。
  • 事実、大潮になるまで砂の中に潜っているようで、大潮になる前に雨が降り、風が吹いた方が動きがよいそうです。
  • 月夜より闇のほうがよいのは、おそらく他の魚に補食されにくいのではないでしょうか。しかし、それが電気の明かりに寄ってくるというのもおかしな話ではありますが.............。

シラスウナギの餌付け
  • シラスウナギ(以下シラスと略します)を、元池に坪あたり300〜500g放養します。100坪の池なら、30〜50kgのシラスを入れることになります。
  • 1週間ほどかけて、水温を29度〜30度にあげていき、透明なシラスが黒くなり、体がしまってきたら、餌付けの開始です。
  • 餌付け用の飼料は、昔は「糸ミミズ」を使っていたのですが、いまはほとんどが「イカ」を主原料としたペースト状のものです。
  • 餌付けは、夜から始めます。シラスは池の周囲を群泳しているので、水車を止め池の周囲に餌を細かくして撒きます。1時間ほどこの作業を行えば99パーセントのシラスは餌付きます。その後、朝晩2回餌を与えるのですが、餌場での餌量を増やし、餌を食べずに遊んでいるシラスがいるようなら、その場で、少量撒いて100パーセント餌付けを目指します。
  • 餌付けから7日が過ぎれば、ほとんどが餌場に集まるので、少しずつ配合飼料を混ぜ、1週間ほどかけて、完全に配合飼料のみにしてしまいます。 

            ウナギの寄生虫        この項のみ、2001年8月26日加筆
  • ウナギ体内に寄生する、「寄生虫」は、アンギリコラ、プリストフォーラ、ミキシジウム等が知られていますが、アンギリコラ、プリストフォーラは現在、ほとんど発生しません。
  • 皮膚ミキシジウムは時々出ますが、一ヶ月で完治するため問題にしていません。
    したがって、予防、治療は行なっていないのが実状ですし、また、その方法もないと思います。
  • 鰓に寄生する、シュードダクチロギルスはウナギの入っていない状態で、卵を孵化させて殺す、という事が考えられています。          


  
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