ウナギについての、ちょっと専門的な知識
以下のことは、三河の小澤さんに教えていただきました。こういうのは、普通、なかなか教えてもらえないことで、貴重な知識になります。ちょっと、専門的になりますが、読んでみて下さい。 小澤家のホームページ |
生ウナギの水分+脂肪量は約80%で、ジャポニカ種もフランスウナギも変わりはありません。 通常、水分が60%、脂肪が20%といったところでしょうか。 もし、水分が55%ならばそのウナギの脂肪は25%くらい、水分が65%のウナギならば脂肪は15%くらいということになるようです。 このようなウナギの食味テストを行うと、脂肪の多いウナギ=水分の少ないウナギほど美味しいという結果が出ました。 さて、ウナギの餌の話ですが、現在の養殖ではほとんどが配合飼料を使っています。 内容は 魚粉・・・・・72〜75% α澱粉・・・・22〜23% プレミックス その他(ビール酵母・甘草末・オキアミミール等) この、配合飼料に水とフィードオイル(魚油)を5〜7%添加し専用の練り機で、餅状に練り上げます。 練り上げが甘く粘着が弱いとエサのロスが多くなり、池を汚すだけでなく、ウナギの腹にも入りません。 ウナギを成長させるのは魚粉と、オイルですから、80%も90%も魚粉を使いたいのですが、粘着の関係上それはできません。したがって、どのメーカーの飼料でも、だいたい上記の数字の中に納まってしまいます。 主原料の魚粉ですが、現在、各飼料メーカーが使っているものは、南米のアジの仲間のミールです。 北洋のスケソウダラのいわゆるホワイトフィッシュミールは、補助的(粘着を保つため)に使用するだけです。 現在、北洋のスケソウダラの船団は日本にはありませんし、輸入物を使うしか方法がありません。←高い。 マイワシも長期的な不漁の波に入っているため、ウナギのエサにまで廻ってこない状況です。 上記の理由から各飼料メーカーのウナギ配合飼料は、内容に大差がないとご理解いただけると思います。 細かいアミノ酸組成とか脂肪酸組成を省略して(ホントは重要なんですが・・)、脂肪が多いウナギが美味しいなら、フィードオイルの添加を増やしてやれば良いのです。これはちょっと短絡的ですが、効果はあります。 しかし、もっと簡単に良いウナギを、年間を通じて養殖する方法があります。 それは、 水温に見合った適正な給餌率で、餌止めをしないで養殖をすることです。 なーんだ、簡単じゃないかと思われるかもしれませんが、これがなかなか難しいんです。 特に、冬季は本来冬眠しているウナギをボイラーで無理やり起こして餌を与えているわけですから、高温で飼育して餌が少ないと運動エネルギーの方が多く、ウナギに肉が付きにくくなります。 病気が出れば当然、餌止めです。こうなると、皮が固いウナギができたりするのです。 1999年6月5日 |