今日は2005年7月12日、土用の丑まで、あと2週間ちょっとです。 まだ、梅雨は明けていません。
今朝、北陸地方の友人からメールがきましたが、鰻が売れていないそうです。
このままでは、丑も不振で、丑あけには大暴落するのではないかという心配をされていました。
厳しい状況ではありますが、コンビニの店頭には「鰻弁当予約」のノレンがかかっているし、生協の共同購入のカタログのトップページには、大きく鰻蒲焼の写真が入っています。
鰻を売らなければいけない季節ですから、早く「カンカン照り」になって、消費者をその気にさせて欲しいですね。
5月後半頃から、ぼちぼちスーパーなどを見て回っていますが、鰻蒲焼の小売価格は、昨年比130%程度で、国産はたいがい1000円を超えています。
中国産でも、大きなサイズは1000円近い売値になっています。
この値段では、大きな「売り」を作るのは難しいと思います。
昨日、嫁さんがボソッと言ったことですが、「世間では、景気回復と言ってるけど、ほんとかなー」、これが、庶民の偽らざる気持ちだと思います。
給料が増えるどころか、減っている人が大多数なのですからね。(私も、例外ではありません。)
消費税の増税やサラリーマン減税の増額など、お上から出されてくるこれから先の政策は、一人一人の国民から見ると「お先真っ暗」なものと言わざるをえません。
さあ、それではどうしましょう。どこに展望を見いだせばいいのでしょうか。
基本的には、展望とは「他の人から与えられるべきものではなく、自分自身で切り開くべき」だと私は思っています。
しかし、みんなで議論し考える中で、展望を見いだしていくということはあり得ると思うし、少しでもそのためのお役に立てればいいなあなどと思ったりしています。
日々の仕事の中で気づかされる事ですが、よく言われる「食事(食生活)が変わってきた」というのは、まさにそのとおりだと思います。
これは、食文化という大きな枠でもそうだし、個々の食材についての料理法や食べ方についてもそうですね。
ここのテーマである「鰻」という食材で言えば、「鰻丼」「鰻重」が代表的な食べ方で、「櫃まぶし」は中部地方のローカルな食べ方に過ぎなかったのですが、ここ数年のところで、「櫃まぶし」(もしくは「櫃まぶし風混ぜご飯」)が、広く全国的に認知されるようになりました。
私のまわりでは、今年の土用の丑の日に食べる鰻料理のトップは、「鰻丼」と「櫃まぶし風混ぜご飯」が争うという状況になってきています。
「櫃まぶし」は、刻んだ鰻を使います。
ですから、最初から刻んで商品化すれば、「家庭のマナイタを汚すことはない」のです。
紀州のK水産が、こういう商品を作り、生協で大ヒットになっています。
キッチンを汚さないこと、煙やニオイを出さないこと、気持ちが悪くないこと(魚=鰻も含む=の頭や皮や内臓を見て、気持ちが悪いと言う若い女性は多いのです)、手間ががかからないこと、あとかたづけが簡単なことなどが、料理を選ぶ上での大きな要素になってきているのです。
もちろん、安くて美味しいことは、大前提になります。
産地業者の方の中には、信じられない方もたくさんおられるでしょうが、消費者の実態はそういうもの(特に若い人)で、決して誇張しているわけではありません。
そういう事実があるということを前提に、鰻の新しい売り方について、智恵を出そうではありませんか。 |