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最近の状況について思うこと   ウナギのリンク集
先日、エビを仕入れるために市場に行きました。エビヤの友人の話では、エビの相場は安値で落ち着いているようですね。以前なら、ちょっとした為替の変動で、エビ相場が上下したものですが、今は、少しぐらいの為替変動では相場は動かないそうです。これは、やはり末端が動かない、つまり、売れないからなのでしょう。
エビは、なかなか需要の拡大が難しいですね。画期的な新しい料理法が出てこない限り、ダメでしょうね。
これから、気候がよくなって、みんな外に出かけてバーベキューをしたりしますが、エビ・ホタテ・イカなどは、そうした用途での消費を増やす努力が必要だと思います。
いっぽう、鰻相場は文字どおり「鰻登り」だそうです。シラスはそこそこ入っているようですが、在鰻が少なく、台湾・中国が強気なため、相場下落の見通しがないようです。
巷では、景気回復傾向と言われていますが、一人一人の国民の財布の中が増えているわけではないので、末端消費が伸びる見込みはあまりありません。まして、将来的な暮らしの保証である年金もどうなるか分からない状況ですから、国民は財布の口を引き締めはしても、ゆるめるようなことはないでしょう。
今の状況で、政府の宣伝に乗って「消費が伸び、高い鰻でも買ってもらえる」と単純に考えるのは危険です。
鰻相場がどこまでいくのかは分かりませんが、国民の「実態的な消費購買力」を無視した小売り価格になってしまうと、あとで大きなしっぺ返しが来ることを忘れないで欲しいと思います。
それと、いまだに存在しているらしい「うそ表示の鰻」、これを根絶しなければいけませんね。昨年は、そこそこ名の通った中堅業者のところが摘発されていますので、今年こそ、そのようなことがおこらないようにして欲しいと思います。
「消費税の総額表示」の件ですが、JUSCOのように方針のしっかりしたところ以外は、バタバタしているようです。
あるスーパーチェーンが、取引先に対して、5%の値下げを強要した、それも品目毎に納入価格を指定していたということで、お上からの指導を受けていました。
詳しいことはわからないのですが、私は、「これはちょっと違うなー」と思いました。
だいたい、小売りでの価格設定は「198円」「398円」「1980円」というようなつけかたをしています。(値頃)
これは、消費者に「安い」と印象づけ、買う気にさせるためで、実際に「200円」より「198円」のほうが売れるのです。メーカーは、こうした値段で売れるように、小売りの利益率も考えた上で原価設定し、そうした商品を作っているわけです。ということからすると、原価は変わらないうえ、小売りが利益率を引き下げない場合、「消費税の総額表示」では、、小売り段階で表示する価格が「一ランク」上がるわけです。つまり、198円なら、9円(207円)もしくは10円(208円)プラスした価格となります。そうすると、最終的な支払い額は今までと同じであっても、消費者心理からして「高くなった、値上がりした」と捉えてしまい、売れ行きが落ちるだろうというのは、事前から予測の範囲にあったわけです。
実際、現状はそのとおりで、「消費税の総額表示」が始まってから、明らかに「買い上げ点数」が低下しています。
このことは、「売り上げが落ちる」ということですから、小売りが困るだけでなく、メーカーも困るはずです。
ですから、メーカーとしては、小売りに言われる前に、総額表示として「198円」等で売れる商品を開発すべきであるし、そうしていれば、何も強要されることもなく、メーカーから小売りに対して、積極的な提案ができたんじゃ無いかと思います。いっぽう、スーパーのバイヤーは、その逆の立場から、事前にメーカーに提案し、共同で「値頃で売れる商品作り」をすべきだったと思います。
今からではちょっと遅いかもしれませんが、「総額表示で198円」等で売れる商品の開発を、競合より早く作り出すことが必要でしょうね。


  
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