鰻についての言葉いろいろ
言葉 | 読み | 意味・解説 |
レプトセファルス | れぷとせふぁるす | 変態する前の、ウナギの稚魚。レプトケファルスという人もいる。 |
白子鰻 | しらすうなぎ | 鰻の稚魚、業界ではちりめんじゃこくらいから10センチくらいまでをこう呼ぶ。これより大きくなると「黒子」と言う。今年(1997年)は超高値で、5000尾で120万円くらいした。 |
鰻登り | うなぎのぼり | 一直線に登る様を表現した言葉。例「今年のウナギの値段は、文字通り、うなぎ登りだ。」 |
電気鰻 | でんきうなぎ | デンキウナギ科の魚。ウナギ状で全長二メートルに達する。体は暗褐色で、鱗はなく柔らかい。筋肉が変化してできた発電板をもつ。南アメリカのアマゾン川、オリノコ川などに住む。. |
白焼き | しらやき | タレをつけずに焼くこと。このままポン酢で食べる場合は完全に火を通す。てんぷらなどにする場合は、浅めに火を通す。 |
降流魚 | こうりゅうぎょ | うなぎなど、産卵のために川から海へくだる魚 のこと。逆に、サケ類のように、海から川にあがって産卵する魚もいる。 |
目打 | めうち | 鰻(うなぎ)をひらく時、目(首)の所に錐を打ちつけること。または、その錐を言う。京都の場合、腹から開き、東京の場合は背から開く。(江戸は「切腹」を嫌ったと言われている。) |
鰻の寝床 | うなぎのねどこ | 間口が狭くて奥行の長い建物、場所などをたとえていう言葉。京都では、京都の町中の古い作りの家を指す場合が多い。 |
まむし | まむし | 京都・大阪では、鰻どんぶりのことをこう言う。飯にウナギを「まぶし」たことから、「まぶし」と呼ぶようになり、それが転じて「まむし」となった。蛇とは関係ない。 |
土用の丑 | どようのうし | 夏の土用の丑の日。土用に鰻を食べると、夏負けせず滋養に効果があるとして、この日に鰻を食べる風習がある。2000年は、7月30日です。(土用の丑は夏だけでは無い。) |
武奈伎 | むなぎ | 昔は「うなぎ」を「武奈伎」(むなぎ)と呼んでいたらしい。ものの本にそう書いてある。 |
半助 | はんすけ | 一般的には、「あたま」のこと。京都では、うなぎの頭部のことを指す。地方によっては、アナゴの頭部をこういう場合もある。 |
鰻丼 | うなぎどんぶり | どんぶりに盛った熱いご飯の上に、鰻の蒲焼をのせ、醤油のタレをかけたもの。うなどん。 .(熱いご飯であることが、絶対的な条件である。) |
肝吸 | きもすい | 鰻(うなぎ)の肝臓に生姜を加えて湯がき、なまぐささを除いたものを入れた吸物。最近では、濃縮したものや粉末のものも出回っている。 |
蒲焼 | かばやき | 昔は、うなぎを丸のまま縦に串刺しにして焼いた、その形、色が蒲(がま)の穂に似るところからこの名がついたと言われている。現在では、開いて、たれをつけて焼く。(アナゴやサンマなども、蒲焼きにすると美味い。ナマズも美味いらしいが、私は食べたことが無い。) |
落鰻 | おちうなぎ | 秋、産卵のために川の流れに従って下る鰻の事。同様に「落ちアユ」などとも言う。 |
食い合わせ | くいあわせ | いっしょに食べると体に害になるとされているものを、同時に食べることをいう。「鰻(うなぎ)と梅干」は食い合わせと言われているが、これはウソで、一緒に食べても害は無い。 |
立て場 | たてば | 池あげしたばかりのウナギは、腹に餌を持っているため臭いがする。この臭いを抜くために、2日間程度、穴のあいた桶のようなものの中に入れ水を流し続けて、餌抜きをする。 これをする場所を「立て場」という。これを、きっちりしておかなければ、苦情が発生しやすい。 |
4pとか5pとか | よんぴー・ごぴー | これは、ウナギのサイズ(重さ)のことで、1kgに何尾入っているかを表します。4pサイズなら、1尾250gですし、5pなら、1尾200gです。なお、焼けば、重さは65%程度に減ります。 |
ウナギの製品名 | |
有頭腹開き | 関西風の蒲焼きです。基本的に、「蒸し」は入れませんので、食べた感触は固く、香ばしいです。うちの主力商品はこの開き方ですが、少し「蒸し」を入れて柔らかくしています。しかし、関東風のような「トロトロ」に柔らかいものではないです。 なお、この焼き方をするウナギは、4P以上が多いようです。(関西は、小さなウナギは使わない。) |
有頭背開き | 関東風の開き方です。関東は武士の世界だから、切腹を嫌って「背開き」にしたとか言われます。これを焼いて、タレをつけると、タレが腹の部分のへこみに溜まるのです。私はこれが嫌いです。店に並べたとき美しくないですから。 なお、関東では小さめのウナギを使うようです。(5p〜6p) |
無頭背開き | |
アミ串 | ウナギを半分に切って、横に二切れ並べて串に刺した物です。1尾で、一串しか出来ません。小さめのサイズのウナギを使います。関東風の製品で、関東方面では売れますが、関西(特に京都)では売れません。 |
正ポン半 | これは、サイズの大きなウナギを使って作ります。やはり、関東の製品です。ウナギを三等分にして、尾の部分を横に半分に切り、腹の部分の1切れと尾の部分の半分をを並べて串に刺した物です。一尾で2串出来ます |
ハーフ | ハーフカットとも言い、文字通りウナギを半分に切ったものです。大きいサイズのウナギを使います。これは、関西でもうっています。(うちでも売ってますが、あんまり売れません。) |
小 市 | ハーフカットの蒲焼きに串をさしたものです。うちでも売っていますが、あまり売れません。 |
3カット | 文字通り、3つに切ったものですが、関西では見かけませんね。関東では売れるのでしょうか。 |
その他 | 略ポン半・四分一などの製品があるらしいですが、私は知りません。 |
追加・1.5尾 | これは、うちで売ってるのですが、ハーフカットを3枚パックしたものです。売れるかって? まあ、品揃えのうちですね。 |
Kokugo Dai Jiten Dictionary. Shinsou-ban (Revised edition) Shogakukan
1988.国語大辞典(新装版)小学館 1988.から、一部引用させていただきました。