投稿された 会員さん |
投稿日 | 投稿内容 |
アサリ屋@札幌 | 2001.10.17 | ちょっとここのところ仕事に絡んでいるアサリのことを伺えたらと思うんですが、どこかで、アサリの天然採苗をやっているかやっていたというところを知りませんか? アサリは、有明海が主産地でありましたが、現在は愛知が主産地と聞いております。 近年北海道でもアサリ漁業が行われており、その漁場造成にかかわる仕事をしています。 しかし漁場だけ作ってもなかなか計画生産できません。 人工種苗を作るほどお金はありません。 そこで、天然採苗が可能かどうかを調べています。 もし何か良い情報がありましたらお教えください。 魚に関係ありませんでしたが、お許しください。 ついでにもう一つ。JAS法に関して。 先日アサリの販売の人に話を聞いたら、アサリは産地をごっちゃにしてブレンドして売っているところがあるそうです。 さらに別産地からもってきた成貝を1〜3ヶ月漁場で生育させ、それを出荷したりすることもあるそうです。 もちろんどちらも有名産地の名前がつきます。 北海道では、厚岸産以外のアサリはほとんど見ません。 北海道内には他にも産地があるのにです。 産地の漁組は、自前ブランドで売りたいようですが、売り手はそうではないようです。 なかなか浸透しないでしょうね。 |
Masashi Yamaguchi | 2001.10.18 | アサリはハマグリに続いて全国的な資源崩壊が起こっています。 天然採苗というのができる場所が残っているかどうか心配です。 種苗生産は干潟の環境保全(有機物汚染の負荷を取り除く)のために行っていた(現在も?)所が伊勢湾方面にあったようです。 北海道のアサリは沖縄のスーパーにも出回っていますが、他の海域のものと較べてみて、同一種かどうか疑わしいと思います。 普通種であるほど最近までの研究者が何も注意を向けないでいた傾向が強く、系統分類はもちろん生物としての基本的な情報が無いのが現状ですが、現実には資源崩壊と共に、海外から輸入されたアサリが流通するだけでなく、潮干狩り用に干潟に大量にまかれたりして繁殖したり、交雑したりが進んでいる可能性があります。 日本の水産関係者は、こういった遺伝情報の混乱には伝統的に無神経であった(無知のほうが正確な表現か?)ので、具体的に何がどうなってきたのかもよく分かりません。ハマグリでも同じです。 貝類は英語でshellfish(これには甲殻類のエビ、カニやイセエビ:spiny lobsterとしてザリガニに似ているlobsterと区別します、なども含む)。 ここのMLは魚が中心であっても,魚に限っているわけでは無いというので参加しています。 |
アサリ屋@札幌 | 2001.10.18 | >アサリはハマグリに続いて全国的な資源崩壊が起こっています。 >天然採苗というのができる場所が残っているかどうか心配です。 >種苗生産は干潟の環境保全(有機物汚染の負荷を取り除く)のために行っていた(現在も?)所が伊勢湾 >方面にあったようです。 熊本の漁獲高は、65,000tが10,000t弱へ、千葉県の漁獲高は、20,000tから8,000tへと激減しているようですね。とりあえず伊勢湾方面で探してみます。 >北海道のアサリは沖縄のスーパーにも出回っていますが、他の海域のものと較べてみて、 >同一種かどうか疑わしいと思います。 >普通種であるほど最近までの研究者が何も注意を向けないでいた傾向が強く、系統分類はもちろん生物 >としての基本的な情報が無いのが現状ですが、現実には資源崩壊と共に、海外から輸入されたアサリが >流通するだけでなく、潮干狩り用に干潟に大量にまかれたりして繁殖したり、交雑したりが進んでいる >可能性があります。 北海道のアサリが沖縄にまで行っているのですか。 そちらの方は、九州産か、中国、韓国、東南アジアの養殖物が主かと思っておりました。 私が知っている範囲では、北海道内での産地移動はありますが、輸入物を撒いているという例は1箇所を除いて知りません。 漁場においても種苗として出荷してもらえず、製品つまり出荷したものを買ってきて、それを更に大きくして売っています。 ただ表に出ていない部分はたくさんあるようです。 本州は行ったり来たりが激しいようですね。 アサリはさっぱりわかっていないようです。 ただ先日聞きかじりしたところ、瀬戸内水研で原虫、細菌、ウイルス感染等の研究と同時に遺伝情報の研究がされているとの事。こちらの情報収集も行いたいと思っております。 |
sea chan | 2001.10.18 | >そこで、天然採苗が可能かどうかを調べています。もし何か良い情報がありましたらお教えください。 天然採苗が可能になるかどうかわかりませんが,ある例をご紹介します。 横浜市に「海の公園」という人工海岸の公園があります。 こちらでは,山砂を使って人工海岸を作ったようですが,すぐに漁業者が「沸いて出る」と表現するほどアサリが沢山採れるようになりました。 といっても,潮干狩り対象なので、漁獲して漁業としてなりたつのかどうかは保証できませんが・・・・。 『よみがえる海辺 環境創造21』港湾環境創造研究会 山海堂 にのってました。 アサリでもなんでも,本来生育生息しているものが増えるように環境をちょっと良くすることはできても,ゼロのところから新しく作り出すのって大変ですよね(^^)。 |
くりさん | 2001.10.18 | > 横浜市に「海の公園」という人工海岸の公園があります。 > こちらでは,山砂を使って人工海岸を作ったようですが,すぐに漁業者 > が「沸いて出る」と表現するほどアサリが沢山採れるようになりました。 横浜市が、戦後、商工業用地を造成するために、子安浜、扇島沖から金沢まで、沿岸の浅い部分(ほとんどが、のり漁場でした。)を埋め立てて、昭和50年代になって完成し、八景島も出来ました。 埋め立てに使った砂は、千葉県富津市の浅間山(せんげんやま)から採取して、横浜に専用船で運びました。 護岸工事が完成するまで、今の八景島辺りの平潟湾沖に、仮置きしました。 翌年すぐに、アサリが湧きました。 その頃、金田湾でも数年間、アサリが沢山採れました。 底質が良好だと、湧くようになります。 東京湾の海流は、黒潮が大島の北側から房総半島の布良(めら)沖に来て、千葉県沿岸を北上し、東京都沿岸を東から西へと流れ、神奈川県沿岸を南下する、反時計回りです。 千葉県沿岸で発生したアサリの幼生が、神奈川県沿岸で定着し貝になるようです。 > アサリでもなんでも,本来生育生息しているものが増えるように環境をちょっと良くすることはできても, > ゼロのところから新しく作り出すのって大変ですよね(^^)。 毎年、新しい砂を撒く、「客土」をすればいいでしょうが、お金がかかります。 環境を保全することは大変です。 昭和45年頃に、今の金沢区柴漁港の辺りは砂浜でしたので、アサリを掘りに、小学生だった子供を連れて行きました。子供は、今、40歳を過ぎました。 |
海人@mie支部 | 2001.10.18 | 伊勢湾産のアサリは身もしっかりしてておいしいですよ。(一応宣伝です) さて、アサリの資源のお話、大変興味深く拝見しておりました。 私も、以前にアサリ生息場の潜水調査を請負い、関連の仕事をしたことがありました。 伊勢湾でも、アサリの資源量は減少しており、漁獲量も変動はあるものの、総じて少なくなってきているようです。そこら辺の原因分析は、専門家の方にお譲りするとして、“アサリが獲れない”というのは、再生産能力が弱まっているのか、あるいは生息環境が悪化しているのか、恐らく様々なファクターが存在しているのでしょう。 伊勢湾でも、以前はかなりの範囲でアマモ場が見られたといいます。 しかし現在ではある特定の場所を除いて、消滅してしまっています。 また、砂防ダム建設や護岸工事等により、以前までは砂洲であったところが、2m以上の深みになっていたり、あるいは生活廃水や工場排水の影響もあり、かつては豊かな漁場であったのが、ヘドロの溜まり場となっていることも見逃せません。 そして、毎年貧酸素水塊という低酸素状態により、大量のへい死があることもしばしば。 漁師さんの話を聞くと、昔はどこにたくさん涌いていた、といった話が良く出ます。 また、現在では、獲れる漁場は限られているのですが、私が実際に潜水して見た感じでは、漁師さん方のお話も必ずしも当ってないようにも思います(!漁師さんの方々、気を悪くなさらないで下さいね)。 また、海が荒れれば、1週間前の海底とは全く様相が変わってしまうことも多々あり、それまではザクザクいた貝が、(恐らく砂ごと)そっくりそのまま消えてしまい、かといって移動したものがどこかで漁獲されたとも聞かず、かといって死貝も出てこない。一体どこへ行ったん?って感じのことがよくありました。 アサリは稚貝の放流がさかんに行われているようで、正味の話、放流がなければ漁獲もないのでしょうか−というか、放流量(投資)しただけ漁獲(回収)がなされるようなカンジがしてならないのですが…。 本県では、稚貝が涌く場所というのは、数ヶ所しかないと聞いたことがあります。 また、県の報告を見ると、湾内の幼生の生息量が、他県と比較して極めて少ない、ということがあるようです。そうなると、その原因はどこにあるのでしょうか。 やはり生息環境は大きいと思いますが、このところの解明は専門分野での調査をお願いしたいところでもあります。 以前から話題になっているイボニシガイのように、環境ホルモンの影響などで、生殖腺の異常が出ているのでは、、などといらぬ心配をしたりしてしまいますが…。 熊本県だったように記憶しているのですが、アサリが少なくなった原因の一つに、支柱のノリ漁場が少なくなったことがあるとか。 今まで竹を海底に打ちこんでノリ養殖を行っていた、その下は格好のアサリの棲家であったのが、養殖業者が減ったことや、浮き流しという沖張りが増えたことにより、棲家も少なくなっていったのだと。 本県でも、ノリ養殖は盛んですが、やはり経営体数も少なくなり、また、浮き流しによる養殖割合も増えているようですので、そこら辺にも原因があるのかも知れません。 ときに、アサリの浄化能力は凄いんですね。 諌早湾では、漁場改善のために大量のアサリを放流していましたね、確か。 ウチの県でも、英虞湾というところがあり、ここはまたヘドロの堆積が問題なんですが、浚渫したヘドロを利用して人工干拓地を作り、アサリも放流するような事業を県や企業がやっているようです。 そういう意味では、アサリの果たす役割はとても大きく、資源を守るということはしいては海の環境を守る、ということにつながるんでしょうね。 酒蒸し、バター炒め、味噌汁…そんなことばかり考えててはダメですねぇ。(反省) |
みやた@おひさしぶり | 2001.10.18 | > 熊本県だったように記憶しているのですが、アサリが少なくなった原因の一つに、支柱のノリ漁場が少なくな> ったことがあるとか。今まで竹を海底に打ちこんでノリ養殖を行っていた、その下は格好のアサリの棲家であ> ったのが、養殖業者が減ったことや、浮き流しという沖張りが増えたことにより、棲家も少なくなっていったの> だと。 私も学生の時に調べた(書類を)事があります。生まれが熊本なのです。 おそらく海人様が言って居られるのは最近の、本当に深刻な事態のことだと思いますので、話が出る時期が違うですが、同じ話があったのを思い出しました。 昔(終戦後しばらく)はノリ業者のひとが行儀良くて、養殖が終わったらのりひび(竹の支柱)を海から引き抜いて片づけて居られたそうです。 が、どうもアサリが取れないと言うので当時の九州大学の教授(お名前失念・・・すみません)が調べられて、竹の支柱を冬も抜かないよう指導されたら、翌年からアサリがザクザク・・・子供の頃、天草の海岸などに行くともう、アサリが無人販売でいっぱい売ってました。 販売台からちょっと降りていって砂をカキカキすればザクザクでしたので、商品の差別化を図るために、売ってあるアサリは砂抜きがしてあるという・・・砂、あまり抜けてなかったけど。 最近はノリもダメだと聞きます。 熊本市に限って言えば漁業生産額のほとんどはノリで、しかも10数年前の当時、ノリ生産の機械化が進んで生産者の方々借金されてなんか大変だったんですが・・・無事キカイ代は回収されたのでしょうか・・・?心配です。 養殖が終わっても竹放置ー>アサリザクザクのカラクリとしては、どうも、アサリの幼生が海からうち寄せられてくるときに、海岸や砂浜があまりにナメラカだと、幼生はまた海に流れていってしまう、らしい、そうでした。 で、竹みたいな障害物があると、そこに水の渦が出来たりで貝の幼生が引っかかって生育を始める、ある程度大きくなったらもう流されないでそこに居て、みそ汁の身にしてもらえるのをじっと待っている、と。 そういえば、学生の時の実習で覚えた話で、潮干狩りプロの方々には当たり前なんでしょうけど・・・アサリは潮が満ちてくると波が寄せてくるときに砂から飛び出して、波のチカラで砂浜の上の方に連れて行ってもらって着地と同時に砂に潜るです。 それを繰り返してじりじりと海岸に花咲く水着おねーさま方の方へ。 潮が引き始めると今度は波が引くときに砂から飛び出して、海に戻っていくです・・・あんな単純なカラダで、どうやって潮の満ち引きや波のタイミングを感知しているのか・・・・カシコイというか、ナゾです。 さらに、アサリを海岸でどっさり(1000個体くらい)採って、殻の大きさを片っ端から測って、2〜3ミリ幅くらいで大きさ別にグラフにプロットしてゆく(殻長@@ミリ〜%%ミリのアサリが**個体、と言った風に)と2〜3こ山が出るのです。 それで小さい方から1歳、2歳、3歳・・・2歳くらいからが食べ頃だったのではなかったかと(記憶おぼろ)。 長くなりました。話の〆に・・・三重でも一つ、海岸(砂浜)に竹やら棒やらたくさん打ち込んで冬の間放置して置いてはいかがでしょう・・・ついでにタンカーも2こくらい並べて置いたりして・・・だめ? |
Masashi Yamaguchi | 2001.10.19 | > 養殖が終わっても竹放置ー>アサリザクザクのカラクリとしては、どうも、アサリの幼生が海からうち寄せら > れてくるときに、海岸や砂浜があまりにナメラカだと、幼生はまた海に流れていってしまう、 らしい、そうでし >た。で、竹みたいな障害物があると、そこに水の渦が出来たりで貝の幼生が引っかかって生育を始める、 > ある程度大きくなったらもう流されないでそこに居て、みそ汁の身にしてもらえるのをじっと待っている、と。 アサリの幼生は打ち寄せられません。 潮流に乗って流動しますが、渦流のなかでとりこになって、着底時期であればそこで海底に沈みます。 このことは大昔からよく知られていて、海苔養殖以前からアサリの種場つくりに応用されています。 アサリは稚貝時代の最初の時期は足糸で砂粒に付着し、その後離れますが、ハマグリのような稚貝の移動(流動)はしません。(ただし嵐で砂ごと動くのは他の砂浜の貝類一般と同様、深く潜る種類を除いて) > アサリは潮が満ちてくると波が寄せてくるときに砂から飛び出して、波のチカラで砂浜の上の方に連れて > 行ってもらって着地と同時に砂に潜るのです。 > それを繰り返してじりじりと海岸に花咲く水着おねーさま方の方へ。潮が引き始めると今度は波が引くときに >砂から飛び出して、海に戻っていくです・・・あんな単純なカラダで、どうやって潮の満ち引きや波の > タイミングを感知しているのか・・・・カシコイというか、ナゾです。 これはナミノコガイとフジノハナガイの話で、アサリではありません。 「あんな単純なカラダ」と言うべきではありません。良く見れば、とても精巧で複雑な構造のカラダです。 最近のアメリカでの研究で、ナミノコガイの一種では、浜で砕ける波の振動のレベルによって、砂から飛び出す行動がコントロールされていることが分かりました。 つまり、砂の中から飛び出し、砂浜を駆け上がる砕け波に乗るために丁度良い大きさの波が砕ける音を砂の中で聞いていて、良い波が来たらみんなでワイワイと出て来てサーフィンを楽しんでいます。 ナミノコガイは地方によって色々な名前で呼ばれていますので厄介です。 アサリと呼ぶ地方もあると思います。 しかし、アサリには波乗りのような活発な行動は見られません。 Miyataさんが実習で貝の波踊りをご覧になったのはどこでしたか。 現在ナミノコガイとその仲間の全国分布地図を作っていますので、生息地の情報を求めています。 |
みやた@忘れんぼ | 2001.10.19 | >アサリの幼生は打ち寄せられません。渦流のなかでとりこになって、着底時期であればそこで海底に沈みます。 納得しました。九州大学の先生はきっと、ご存じだったのですね。 古くてパリパリになった郷土資料に、語り草のように書いてあったのが強く印象に残っています。 竹の周りに渦が、なんて書いてあったのもおぼろげに。 >これはナミノコガイとフジノハナガイの話で、アサリではありません。 思い出しました。見たのはナミノコガイです。 ご指摘、本当に助かりました。 話をカクランしてしまい、申し訳ありません。>皆様 最も慎まなければならないことです(反省) 振動、だったのですね。 証明のためにファーブル昆虫記みたいなわくわくする実験系を組まれたのだと想像します。 やっぱり不思議なのは、小さなカラダのどこに、そんな精妙・複雑なプログラムが焼き込まれているのかと・・・ 考えてみればもっと小さい虫も、いろいろ複雑な行動しますね。 本当に不思議です。こういう命題を物質面から解明できるような時代が、近いうちにやって来ることを願っています。 >Miyataさんが実習で貝の波踊りをご覧になったのはどこでしたか。 私がナミノコガイとフジノハナガイを見たのは宮崎県、青島海岸です。 青島海岸は、鬼の洗濯岩に潮溜まりがたくさん出来て、季節ごとにいろんな生き物が入れ替わりで登場し、さながら触れる水族館みたいでした。ウニだけは、プロの人が良いのを持っていってしまう。 |
Masashi Yamaguchi | 2001.10.19 | 青島海岸にはナミノコガイとフジノハナガイが共存しています。 私の研究室にいた宮崎県出身の元学生さんから標本をもらいました。 来年度は九州の東海岸の調査を計画していますので、私自身も現場でじっくりと調べるつもりです。 |
アサリ屋@札幌 | 2001.10.20 | 皆さんいろいろなお話ありがとうございました。いくつか質問がございます。
>東京都沿岸を東から西へと流れ、神奈川県沿岸を南下する、反時計回りです。 >千葉県沿岸で発生したアサリの幼生が、神奈川県沿岸で定着し貝になるようです。 逆のことを言えば、今話題の三番瀬は、浮遊幼生の供給源のアサリ漁場が無く、今後生産が落ちる可能性が高いと考えられますよね。 >毎年、新しい砂を撒く、「客土」をすればいいでしょうが、お金がかかります。環境を保全することは大変です。 熊本県では、数年前からアサリ漁場に沖合いの砂を撒き、資源の回復が見られていると聞いています。 しかしその効果が2年しか見られないとの事です。 客土をしても結局もとの悪さをする原因を突き止め、それを改善しないと駄目のようですね。 一部では、海苔養殖の所為だとか、諫早のためだとか、言われています。 >アサリの幼生は打ち寄せられません。潮流に乗って流動しますが、渦流のなかでとりこになって、 >着底時期であればそこで海底に沈みます。 アサリの着底については、上潮時は関係なく、下げ潮時の渦度と関係があると聞きました。 きっと海苔養殖の竿も、この渦度を適度にする効果を持っていたのでしょうね。 しかし、皆さんのお話を伺っていると、どんどん漁場を作ることの難しさを感じます。 何かしら違うことをやる事によって、たまたま良い効果が出ていることが多いのです。 つまり意図しておこなったところの話はあまり無い。 と言うことは、人間の考えでは、まだ足りないところがたくさんあると言うことなのでしょうか? なんにしても、人間が作るものは、自然界にとっては、まだまだ配慮が足りないものなのでしょうね。 どんなに自然にやさしいと言っても、本当は作らない方がやさしいのでしょうね。 悪くしてしまったところの修復と言う意味では、効果があるのでしょうね。 ちょっと脱線しました。 ただ、皆さんのお話を伺っていると干潟と藻場と漁場は、すべてセットと思いますね。 長文になりましたが、もう一つ。 北海道のアサリは成長が遅く、4年ものも食べます。 大物のアサリは、殻長が50mm以上、重さが30g以上のものもあります。 これらは、剥いて身だけをてんぷらにすると大変美味です。 ちなみに「ゆうパック」で、11月中旬頃から北海道秘境のアサリと言う名で、40mm以上のアサリを販売しています。>コマーシャルしてしまった。もちろん酒蒸しにしてもおいしいです。 |
Masashi Yamaguchi | 2001.10.20 | > 逆のことを言えば、今話題の三番瀬は、浮遊幼生の供給源のアサリ漁場が無く、 > 今後生産が落ちる可能性が高いと考えられますよね。 東京湾では千葉県の木更津沿岸にアサリ漁場があります(アサリと海苔漁業をされている「きんのり丸」さんのHPをご覧ください: http://www.geocities.co.jp/HeartLand-Gaien/8944/ 東京湾の内湾部では反時計回りの循環流がありますから、湾内のどこかで生まれた幼生は数週間の浮遊期間に湾内のどこにでも到達可能でしょう。 丁度良いタイミングで良い場所にぶつかると稚貝が湧くのでしょう。 良い集団が複数あって、それぞれがメタ集団の一部を構成していれば、全体としての再生産が持続されやすいのですが、例えば親貝集団が限られた場所だけにあれば当たり外れが起るでしょう。 水産資源の何でもそうですが、一箇所だけを見ていては資源の動態を把握し管理するのは難しくなります。 幼生分散がキーワードです。 > しかし、皆さんのお話を伺っていると、どんどん漁場を作ることの難しさを感じます。 > 何かしら違うことをやる事によって、たまたま良い効果が出ていることが多いのです。 > つまり意図しておこなったところの話はあまり無い。 >と言うことは、人間の考えでは、まだ足りないところがたくさんあると言うことなのでしょうか? 経験から出た技術には限界があり、異なる状況の元では応用が利きにくいのです。 普遍的な原理を解明するサイエンスに進んでからが応用科学が生きてきます。 日本の水産学は技術偏重の伝統が強すぎて、基礎科学を忘れがちです。 アサリの種場作りの技術は古くからあって、貝類増殖の古い教科書にも記載されていますが、その技術の成り立つ仕組みを明らかにするための科学のメスはこれまで誰も入れてこなかったように思われます。 合理的に意図して設定できるようなレベルに到達したいものです。 > ただ、皆さんのお話を伺っていると干潟と藻場と漁場は、すべてセットと思いますね。 藻場と干潟、そして砂浜は沿岸生態系において水産資源生物のライフサイクルを維持する場として必須な存在ですが、直接漁獲できたり実際に目に見えるような大きさになっていなかったりするため、軽視されてきたようです。 このような沿岸域の生態系に人為的に手を入れた結果の影響がどうなるか研究がなされていないために、気がついた時には重大な悪影響をこうむっている場合があるのでしょう。 稚貝、稚魚、稚エビ・カニなどの沿岸での生態をしっかり研究せねばなりません。 客土して貝が増えたなら、なぜ増えたのか、その仕組みを解明するべきですね。 |
東京都日野のぼうずコンニャク | 2001.10.20 | アサリ屋@札幌さんのアサリの話はおもしろいですね! 北海道のアサリは東京の市場でも定番であり、グレイの殻を見るとすぐに北海道産と思ってしまうのですが、殻の厚さや色合いから本当にアサリと同種なのでしょうか? アサリ屋@札幌さんの以下の話、東京でも値段が安定して取り引きされているようですし、評価も高い。 > 北海道のアサリは成長が遅く、4年ものも食べます。 > 大物のアサリは、殻長が50mm以上、重さが30g以上のものもあります。 > これらは、剥いて身だけをてんぷらにすると大変美味です。 > もちろん酒蒸しにしてもおいしいです。 例えばイシカゲガイ、バカガイ、アワビには、北海道産には「えぞ」がついているのに、どうしてアサリは北海道産もアサリなのでしょう。我が家の文献では調べようがありません! |
くりさん@横浜 | 2001.10.21 | > 1.横浜市の「海の公園」という人工海岸では、その後も継続的のアサリが取れているのでしょうか? 何時行っても、海の中に入って採っている人を見かけます。 > 2.海砂でなく、山砂を入れたのは、何か理由があるのでしょうか?>コスト?法律的に海砂採取が難しいから? 近くに海砂はありません。そこで、千葉県からとなったと思います。 船で大量に運べるので、コストも安いからでしょう。 陸地を造成する工事が主ですから、山砂でよいということだと思います。 |
アサリ屋@札幌 | 2001.10.21 | >「きんのり丸」さんのHPをご覧ください: 私も「きんのり丸」さんのMLに入っておりました。 先日急に休刊にするとの事、大変残念に思っていたところです。 >東京湾の内湾部では反時計回りの循環流がありますから、湾内のどこかで >生まれた幼生は数週間の浮遊期間に湾内のどこにでも到達可能でしょう。 >丁度良いタイミングで良い場所にぶつかると稚貝が湧くのでしょう。良い集団が >複数あってそれぞれがメタ集団の一部を構成していれば、全体としての再生産が >持続されやすいのですが、例えば親貝集団が限られた場所だけにあれば当たり >外れが起るでしょう。水産資源の何でもそうですが、一箇所だけを見ていては >資源の動態を把握し管理するのは難しくなります。幼生分散がキーワードです。 幼生分散ですか。 親貝の生息分布および生息量の把握は最低限必要ですね。 何処も漁場だからなー。 出荷も組合を通していないものもかなりあるようだし、まあラフでもアサリ部会の連中に協力してもらってやってみます。 今年は、試しに浮遊幼生を捕まえようと採水を何回かしています。 でも何箇所もではやっていないので、親貝の分布を把握後に、来年は挑戦してみましょう。 >経験から出た技術には限界があり、異なる状況の元では応用が利きにくいのです。 >普遍的な原理を解明するサイエンスに進んでからが応用科学が生きてきます。 >日本の水産学は技術偏重の伝統が強すぎて、基礎科学を忘れがちです。 中略 >稚貝、稚魚、稚エビ・カニなどの沿岸での生態をしっかり研究せねばなりません。 >客土して貝が増えたなら、なぜ増えたのか、その仕組みを解明するべきですね。 これから何を目指し、自分が何をすべきか、そして出来るかをよく考えてみます。 貴重なアドバイスをありがとうございました。 これからも訳の解らない事をたくさん書くかもしれませんが、よろしくご指導ください。 |
アサリ屋@札幌 | 2001.10.21 | >何時行っても、海の中に入って採っている人を見かけます。 取れていますか。 実は、熊本だけでなく、北海道の漁場でも何年か後に底質が悪くなり、アサリの生息数が減ってきています。 もう少しさまざまな要因をあったって見ないといけませんね。 >近くに海砂はありません。そこで、千葉県からとなったと思います。 >陸地を造成する工事が主ですから、山砂でよいということだと思います。 山砂でも継続的に漁場が構成されるのですね。 この点に関しては、今ちょっと考えていることがありまして、もう少し何かつかめたら、そのときに話をさせてください。 |
アサリ屋@札幌 | 2001.10.21 | >北海道のアサリは東京の市場でも定番であり、グレイの殻を見るとすぐに北海道産と思ってしまうのですが >殻の厚さや色合いから本当にアサリと同種なのでしょうか? 東京でも見られますか。 地元では、仲買が買った後の流通が掴めず、ほとんどが札幌近郊で消費されていると聞いていました。 値段も安定しているのですか? 少しは出ていると思っていましたが、コンスタントに出ているとは思いませんでした。 産地は厚岸でしょうかね。 >例えばイシカゲガイ、バカガイ、アワビには、北海道産には「えぞ」がついているのに >どうしてアサリは北海道産もアサリなのでしょう。 一応同種と言う事になっています。 ただ、先に山口先生がおっしゃっておられたように、このような一般的な貝は、あまり形態的、遺伝的な研究が進んでいないようで、そういった意味では、分類学的には厳密に言うと異なっているのかもしれません。 しかし、私が知っている範囲では、北海道のアサリを本州の方で撒くと、本州のと同じような模様がついたり、もっと言うと北海道内でも、底質によって模様が変化すると言われています。 (私もやってみたが、変化しました。) また北海道のアサリは、普通年一回の産卵であり、本州のアサリは、年二回の産卵だと言われていますが、北海道のアサリを本州に持っていくと、年二回産卵するようです。 どうも環境によるものが大きいのではないでしょうか? 私は、北海道のアサリ漁場しか知らないので、本州のアサリ漁場見学をしたいなといつも思っております。 山口先生がお書きになっていたように、地域間の入れ替えは、慎重にしなければいけないと思いますが、地域間の知識の交流は促進すべきと思っております。 |
東京日野のぼうずコンニャク | 2001.10.22 | アサリ屋@札幌さんのアサリの話、船橋の業者に話したらびっくりしていました。 2001.10.22の厚岸産アサリの八王子魚市場での値段は、1キロ900円です。 東京湾700円、中国産600円、過去のデータで愛知産は800円です。 いちおう、ホームページに東京湾産、中国産、北海道産の写真を載せました。 http://www.syoku-my.com の中の魚貝新聞10月23日5号です。よかったら見て下さい。 |
sea chan | 2001.10.23 | > 伊勢湾産のアサリは身もしっかりしてておいしいですよ。(一応宣伝です) 身がしっかりしてるってのはいいですねー 加熱してちっちゃくなっちゃうのは寂しいですから。 > 伊勢湾でも、以前はかなりの範囲でアマモ場が見られたといいます。 中略 >毎年貧酸素水塊という低酸素状態により、大量のへい死があることもしばしば。 貧酸素や底質の変化はアサリにとってはダメージが大きいと思います。 そういえば,今年は広島や熊本の方でエイによる被害が出ているようですね > 熊本県だったように記憶しているのですが、アサリが少なくなった原因の一つに、 >支柱のノリ漁場が少なくなったことがあるとか。 中略 >本県でも、ノリ養殖は盛んですが、やはり経営体数も少なくなり、また、浮き流しに >よる養殖割合も増えているようですので、そこら辺にも原因があるのかも知れませ>ん。 千葉県でもアサリ減少の一因として漁業環境の変化があげられています。 (柿野純(2000) アサリの生息条件と大量発生. 雑誌「海洋と生物」127:143-154) ここでは,ノリ支柱柵の効果として
> ときに、アサリの浄化能力は凄いんですね。 中略 >資源を守るということはしいては海の環境を守る、ということにつながるんでしょうね。 >酒蒸し、バター炒め、味噌汁…そんなことばかり考えててはダメですねぇ。(反省) やっぱり食べることは基本ですよね♪ おいしいものを食べたいから海の環境をまもるってアプローチもいいのではないでしょうか?(^^)。 |
sea chan | 2001.10.23 | >1.横浜市の「海の公園」という人工海岸では、その後も継続的のアサリが取れているのでしょうか? ざくざく採れます(笑)。実証済み! 今年の夏に,会社のBBQで公園を使いましたが(7月),子供や大人は夢中になって貝掘りしてました。 座って手がとどく範囲で,子供用バケツに一杯とれるんですよ〜(^^)。 >2.海砂でなく、山砂を入れたのは、何か理由があるのでしょうか?>コスト?法律的に海砂採取が難しいから? ごめんなさい,こちらはわからないです。 >熊本県では、数年前からアサリ漁場に沖合いの砂を撒き、資源の回復が見られていると聞いています。 >しかしその効果が2年しか見られないとの事です。 熊本県では幼生の発生量が減少しているようです。 せっかく着底した幼生も夏を越せないようで・・・・・。 >北海道のアサリは成長が遅く、4年ものも食べます。 >大物のアサリは、殻長が50mm以上、重さが30g以上のものもあります。 聞いたところによると,北海道のアサリは細長いそうで・・・・・。 関東でも買えるかなー?? |