イワシの手開き

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熊井@熊本の魚屋 2002.08.17 メールでご質問をいただきましたので、お知恵を拝借したいと思いお願いに参上しました。
以下、そのご質問メールです。(投稿者の方の了承は得ております)
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はじめまして、中学校の家庭科教師をやっています。この度授業で「いわし」を扱うことにしました。そこで、質問なのですが、鰯の蒲焼を作ろうと思っていますが、「手開き」にする理由とは何故か科学的に証明したいと思います。包丁を使うより、簡単にできるというのは分かるのですが、詳しくはよく分かっていません。もしよろしければ、鰯の骨のつくりとか、科学的に分かる資料とかあれば教えていただきたいのですが・・・。よろしくお願いします。
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以下、私の返事です。

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メールありがとうございます。
科学的にわかる資料は持ち合わせておりません。すみません。
しかしながら、私の経験上のお話でしたらどれだけでもして差し上げます。
あ、それ以上によくわかる方法があります
ぜひ、手開きした鰯と包丁で開いた鰯を比較されてください。
比較するのは「開いた身」ではありません。残った「中骨」です。
包丁で開いた中骨はキレイな一本に、手開きの場合は中骨の中心から細ーい小骨がビッシリついてくると思います。これは一目瞭然です。
つまり、手開きする最大の利点は歯ざわり・舌触り・食感を悪くする身中の小骨を「骨ヌキ」を使うことなく難なく開く過程で抜くことが出来ることです。
ご参考になれば幸いです(^^)

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回答は回答として送らせていただきましたが、「科学的に分かる資料」という一文が気になりまして・・・そういうものがこの世に存在するのかも含めて、ご存知の方がおられましたらご教示くださいませ。
(この質問のレスに関しましては、質問者の方に転載させていただくことをご了承ください。よろしくお願いいたします)
琵琶湖オオナマズ 2002.08.18 何を科学的に証明したいのか、もひとつ良くわからないのですけど・・・・
「手開きができる理由」なら、科学的に証明できるのかもしれませんが、「手開き」にする理由は、あくまで結果が証明だと思いますが。、
「先人の知恵」ということでいいのではないでしょうか。
「こうやったら、包丁をつかわんでも簡単にできるよ」ということでしょ。
それに、熊井@熊本の魚屋さんが書いておられるように、小骨まで綺麗にとれるよということでいいように思いますが。
学校の先生だということだけど・・・ちょっと難しく考えすぎなんじゃないですか。
髭野鯰 2002.08.18 マイワシを鉄の包丁でひらくと鉄の味がイワシに写ります。
ステンレスだと大丈夫ですが。
数を捌く場合は鮮度にもよりますが、手開きの方が早い。鱗も手で取ってしまいます。
更に、蒲焼きの場合、手開きの方が表面積が増え、所々、小骨のとった後が正確では、ないがV字型となり、味のなじみが良くなります。この効果、表面に小麦粉をまぶしてもまぶさなくても出てきます。こんなとこで、どうでしょうか。
 ところで、この頃は見かけなくなりましたが脂ののった25cm位の大羽イワシを開く場合にする場合、やはり手開きされますか。
このくらいになるとステンレスの包丁で下ごしらえをして、手開きした方が楽ではないでしょうか。
愛知県のM 2002.08.18 > 「こうやったら、包丁をつかわんでも簡単にできるよ」ということでしょ。
> それに、熊井@熊本の魚屋さんが書いておられるように、小骨まで綺麗にとれる
> よということでいいように思いますが。

自分もそう思います。(^。^)
調理も簡単、また、食べる時も小骨も取れているので良いと思います。
科学的と言われても。。。。困っちゃいますが。(^^;
熊井さんの言われるとおり、残った骨が証拠?と言えるでしょうね。
自分はSMの魚屋なので、手開き派なのですが、販売時の見た目が良いという点で、包丁を使っての開き方をする方が多々おります。
で、ここでMLに居られる魚屋さんへの便乗質問をさてください。(^^;
店に開いて販売する場合、どうやって開いて販売陳列しているのでしょうか?
手開きでもちゃんとやれば、綺麗に出来ると思うのですが。
でも包丁を使ったのと比べると開いた身の部分のシャープさ?、無いかな?
琵琶湖オオナマズ 2002.08.18 > このくらいになるとステンレスの包丁で下ごしらえをして、手開きした方が楽では
> ないでしょうか。?

家でするのと売り物にするのでは違うのですね。
家でする場合は多少開いた身の部分が崩れていてもいいけど、売り物の場合、表面が綺麗になってないと売りにくいですから、包丁でするでしょうね。
でも、今は産地で機械で開いているのが入荷していますからね。
愛知県のM 2002.08.18 > マイワシを鉄の包丁でひらくと鉄の味がイワシに写ります。ステンレスだと大丈夫ですが。
> 数を捌く場合は鮮度にもよりますが、手開きの方が早い。鱗も手で取ってしまいます。
> 更に、蒲焼きの場合、手開きの方が表面積が増え、所々、小骨のとった後が正確では、ないが> V字型となり、味のなじみが良くなります。この効果、表面に小麦粉をまぶしてもまぶさなくても> 出てきます。

これは、考えた事もなかったです。^^;
ここまで考えて初めて食べる人の事を考えて、と、言う事なんですね。

>  ところで、この頃は見かけなくなりましたが脂ののった25cm位の大羽イワシを
> 開く場合にする場合、やはり手開きされますか。
> このくらいになるとステンレスの包丁で下ごしらえをして、手開きした方が楽では
> ないでしょうか。?

本当に脂ののった大羽は見かけなくなりましたね。
デリカで作っている鰯の煮付けは輸入物の冷凍トロ鰯を使っています。
日本近海には脂ののった鰯は居なくなったのでしょうか?ここ数年めっきり見かけない。。
確かに大羽は包丁で調理した方が楽ですね。手開きだと指が痛い痛い。(;_;
愛知県のM 2002.08.18 > 家でするのと売り物にするのでは違うのですね。
> 売り物の場合、表面が綺麗になってないと売りにくいですから、包丁でするでしょうね。

対面接客販売で、お客様と話しながら(開き方やその利点)、調理が出来れば最高ですね。
セルフは見た目勝負もありますからね。

> でも、今は産地で機械で開いているのが入荷していますからね。
こちらの市場に出回っている生開きは、若干塩辛いから敬遠される傾向にありますね。
自店で生を開いていると。
髭野鯰 2002.08.18 わたくしはイワシの刺身をさっとカボスの生酢で締めて、中ネギをあえてわさびで食べるのが大好きです。 このとき、イワシを引くのに切れのいいステンレスの包丁が必要になります。

>これは、考えた事もなかったです。^^;
>ここまで考えて初めて食べる人の事を考えて、と、言う事なんですね。

 母の受け売りのところもあります。^^ゞ
 
>本当に脂ののった大羽は見かけなくなりましたね。
>日本近海には脂ののった鰯は居なくなったのでしょうか?
>ここ数年めっきり見かけない。。

 ほとんど見ないですね。たぶん、マイワシの資源量が減少しており、カタクチイワシとの種間交代が起こっていることによるものだと思います。

>確かに大羽は包丁で調理した方が楽ですね。
>手開きだと指が痛い痛い。(;_;

 特に腹骨がいたいです。
takeuchu 2002.08.18 当店では、鰯を開く時は、柳包丁、または、出刃で頭を落とし、尾を上にして(腸は入ったまま)包丁を腹骨の真ん中あたりから腹骨を切らないようにしながら尾まで包丁を一気に入れて、皮一枚残して切ります。
反対側も同じようにして、腹から(頭の方)切っ先をまな板につけて尾まで切ります。
最後に骨を切り身と離します。
この方法は身が少し少なくなりますがとても早いです。1分で4〜5匹は出来ます。
昔は、キチンと頭を落としてから腹を出し、きれいに洗って開いていましたが、ある人に教えてもらい今はこの方法でやっています。
文字ではわかりづらかったかもしれませんが許してください。カメラがありません。
熊井@熊本の魚屋 2002.08.19 > 「先人の知恵」ということでいいのではないでしょうか。
ですね。『論より証拠。まずやってみよ(食せよ)』かと。

>  マイワシを鉄の包丁でひらくと鉄の味がイワシに写ります。
>  ステンレスだと大丈夫ですが。

なるほど・・
そういえば、テレビ番組であったそうなのですが、「包丁を使わずに簡単に鰯を開いたり卸したりする方法として、荷物の梱包を補強する平べったいテープ(黄色とか水色とかの・・)、あれで卸すとうまくいく」という話をお客様からお聞きしました。
これですと「金ッ気」もつきませんね(^^)。(骨はどうなんだろう・・)

> 手開きの方が表面積が増え、所々、小骨のとった後が正確では、
> ないがV字型となり、味のなじみが良くなります

説得力のあるお説ありがとうございます。よくわかりました!(^^)

> 店で開いて販売する場合、どうやって開いて販売陳列しているのでしょうか?
当店は鮮魚はほとんど対面販売のため、鰯を開いた状態で陳列することは稀です。
たまに開く時は・・・・すみません。包丁でやってます(^^;
産地に近いためか、ほとんどのお客様は、丸のまま買っていかれます。
家でどんな風にやってらっしゃるんだろう・・・興味あります。

> 文章で書くと難しいですね。
よく捌きかたをメールで質問をいただきますが・・・まず言うことだけ言ってあとは「本屋さんに『詳しい図解入り』の調理本が便利ですよー」と言ってしまう私・・だって言葉で伝えるのって難しいですよね・・
髭野鯰 2002.08.19 >荷物の梱包を補強する平べったいテープ(黄色とか水色とかの・・)、あれで卸すとうまくいく」
>という話をお客様からお聞きしました。

 カタクチイワシの身だけをとって、刺身をする場合このテ-プを使用すると楽です。
 昔は、竹を削いで作っていました。 またスプーンでも代用できます。
 魚の肩口からスプーンを入れ、骨に当て身だけを掬っていくようにするとうまくいきます。
 後に、頭と骨とはらわたの付いた魚体が残ります。
 この手はキビナゴやウルメ、マイワシも行けます。
琵琶湖オオナマズ 2002.08.19 > セルフは見た目勝負もありますからね。
そうです、開いた面がデコボコしていたりすると売れにくいです。
それに、イワシの身の中にある小骨ぐらいは、食べてもらっていいと思いますから。
(ただし、しっぽのところの骨はのぞきます。あれは固い。)
多田@東京都調布市 2002.08.20 >鰯の骨のつくりとか、科学的に分かる資料とかあれば教えて…
科学的にとなると解剖学とか構成組織とかかなり難しい気がします。
でも家庭科としてなら、経験と実験値をベースとする工学的な解説で十分なのではないでしょうか?
つまり熊井さんが返信されたような解説です。
生の状態でも骨と身が離れ易く、逆に骨同士の関節(軟骨)部の結合力が強く、背骨が固くなくしなやかなこと。これらの条件が重なれば手開きはしやすいのだろうと感じます。
以前西伊豆の堂ヶ島にある港でサビキを楽しんだことがあります。
10cmに満たない小魚(イワシを中心にアジ・サバなど)が獲れました。
小アジは唐揚げにしたのですが、酢で締めたのも食べたくてイワシは手開きにしました。
サバも同サイズなので横着にも一緒に手開きしようとして失敗。
生だと身離れが悪いし、小さいにも関わらず骨がしっかりと固くて身が崩れるばかりで開けなかったんです。
イワシなら20cm以上ある大きなものでも簡単に手開きできるのに、サバは10cm以下の小さいものでもできないことを試して実感しました。
まぁサバの小さいのは売っていませんが、唐揚げ用の小アジならばいつでも安く売っているかと思います。
一緒に小アジも用意して、イワシの手開きが簡単なことを実習した後で、アジでは小さくてもうまく出来ないことを体験させてあげれば良い経験になるのではないでしょうか。
手開きに失敗した小アジは、見てくれは悪くなってしまいますが、唐揚げには出来て、無駄にせず美味しく食べられると思います。
またご返信されていた包丁で開いた中骨と手開きのものとの比較に加え、ここで皆さんが紹介されていた、竹・スプーン・荷造りテープで開く方法も実演して比較されれば生徒さんの興味を惹くと思います。
私が中学の頃は男子は技術、女子は家庭と同じ時間に別れていたので、男子は魚のさばき方とかを習うことは出来ませんでした。
小学校の家庭でも魚の料理は無かったような気がします。
こういう授業があったなら、きっと面白かったでしょうね。
切り身やフィレでない丸ごとの魚を自分でさばくことに対する「なんか難しそう」という壁はすぐ打破できそうな気がします。
多田@東京都調布市 2002.08.20 >対面接客販売で、お客様と話しながら(開き方やその利点)、調理が出来れば最高ですね。
対面接客販売で実演してもらえれば最高ですね。
私のよう買って食べるだけの基礎知識に乏しい素人にとっては、その場で調理法まで教えてもらえると、とっても助かります。
小アジの唐揚げは、下処理としてエラとワタを取りますよね。
エラの部分をつまんで引っ張るとワタごと一気に取れるのですが、一人暮らしを始めた当時の私は、そんな事も知りませんでした。
その頃に近所の魚屋さんで物色していたら店員さんから声が。
「お兄ちゃん、この小アジどうだい、安くて美味しいよっ!」と。
「どうやって食べるの?」と尋ねて「やっぱり唐揚げだね」って、下処理の方法から説明してもらったんです。
最初は口頭だったけど、初めてなのでちょっと不安になって、「一皿買うから、見せてくれませんか?」とお願い。その場で実演してくれて、自分もその場で試して簡単さに納得。
その晩作って以来、私の好きな料理の一品となってます。
私は遠慮とは無縁でずーずーしい方だから、魚屋さんに行ってそそられる知らない魚があると「どうやって食べるの?」とかすぐ店員さんに尋ねちゃいます。(まぁ混雑時は避けますが)
すると大概簡単で美味しい料理法を教えてくれるんですよね。
でも尋ねるのはちょっと気恥ずかくて遠慮しちゃっている方も少なくないように思えます。
当日お勧めの1〜2種の魚について実演販売する魚屋さんがあったら、私などはきっと常連になっちゃうでしょうね。
バックの柱にさばき方や調理法を描いた手書きのポスターがあればもぅ言うこと無いです。
集客効果もありそうに思えます。
とはいえ、絵心のある店員さんって稀少ですよね。
お忙しい中、そんなことに費やす時間も取りにくいでしょうし。
紐のついた大きなカレンダーみたいに、大きな図版でめくって使う小学校の教室で使う教材ってありましたよね。
あれみたいに魚屋さんや料理教室で使える大判図版集でもあれば、その日のお勧めの魚のページをめくってぶら下げるだけなのですが。
教材屋さんとか漁業系の流通団体さんとかで作ってくれれれば、そこそこの数の需要はありそうに思えるのですが。



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