誰がマグロを庶民派と金持ち派に分けたのだろう
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MANA | 2006.11.28 | 最近の新聞やテレビのマグロを扱うときの言葉づかいで、いつからマグロを「庶民のマグロ(キハダ・メバチ)」というような言い方をして、一方に「金持ちのマグロ」があるかのようなランク付けがなされるようになったのだろうと、不思議な気持ちを抱いております。 ミナミマグロと上質メバチが、単位あたりでほぼ同じ値段である場合もあるわけだし、部位と品質と冷・鮮によっては、その逆も当然あるわけです。 ちょっと前(いつだかわらないけれど)までは、キハダ=庶民派、メバチ=庶民派、クロマグロ・ミナミマグロ=金持ち派≠フような、とりたてて階層を区分けをしてのマグロの価値に対する認識は、あんまりしなかったんじゃないかなあという気がしています。 もしかしたらそうしている場合があったかもしれないけれど、今みたいに、そんな階層を特定しての「決め付け」はなかったような気がしています。 べつにたいした意味があっての投稿じゃあないのだけれど、こんな画一的な区分けの仕方をしながら論評するようになっているのは、最近の「世相」の特徴なのかなあ。 最近、近くのスーパーに、色がよくってうまそうで割安な赤身マグロを見つけ出すのを生きがいしてきたのに、そんな赤身さえ見当たらなくなってフンマンやるかたないMANAです。 |
波平 | 2006.11.28 | わたし正直に白状しますが、我が家では、本物のマグロって食ったことが無いような気がします。 マグロは以前からお金持ちの食材であって、庶民が食うものじゃないと思っている。 少なくとも、我が家は、昔からことさらマグロなんぞ買って食うことは無かったし、これからも無いだろうと思う。 で、新聞やテレビで、マグロの捕獲量が減って、庶民の味が遠のくだろうなんて聞くと、“大きなお世話だそんなものは関係ないワイ!”と思う。 回転寿司屋の絵が、マグロのニュースによく出てきますが、あそこでマグロって言われているのは、トンボ(ビンチョウ)やカジキやバショウじゃないかな? ひょっとしたらシイラだったりして、本マグロやミナミマグロなんぞではないように思うがどうなのでしょうね。 100グラムが500円以下の本マグロがありますか? もちろん赤味で…、でも、大トロなら5000円はするのでしょう。 マグロにこだわるなら少なくとも“中トロ”のアジは知っていたいですよね。 本マグロの中トロなら100グラム2000円以下じゃ食えんでしょう。 これって庶民の味でしょうか? 庶民は養殖マグロの餌のサバやイワシやオオナゴを食っておりますよ。 秋刀魚も食いたいが、魚屋に並ぶと高いですなぁ〜、 |
MANA | 2006.11.28 | 西のほうの人のマグロの位置づけと関東人のマグロの位置づけと、ちょっと違うような気がしますが、最近、ぼくも波平さんのような心境になっています。 関東人は、江戸前の魚が事実上ゼンメツしてから、多様な魚を味わうサカナックイにはなれない環境にあるのですね。 それはそれとして、さいきん魚の末端流通の現場がいっそう面白くなくなってしまった。 ちょっと大きなスペースを割いていたスーパーやデパートも、軒並み売り場縮小で、 さびしいです。 回転寿司のマグロは、消費者の盲目的なトロ志向は相変わらずですし、養殖マグロ(それもこの間食べた中野の数店に限ってですが、金出して食うに能ハズのような粗雑な出し方をしているのが目に付きます)にだいぶ前から切り替わってしまいました。 なんかおかしなマグロ流通になっているとかんじるのは僕だけなんでしょうか。 マグロだって、急に供給が減るわけのものでもないのにおかしなことです。 |
神奈金 | 2006.11.28 | 仕事柄マグロも扱いますが専門では有りません。知識もやや古いかもしれません。 違っている点は詳しい方からご指摘をお願いいたします。 > 西のほうの人のマグロの位置づけと関東人のマグロの位置づけとちょっと違うような > 気がしますが、最近、ぼくも波平さんのような心境になっています。 赤身は関東ではバチ中心、関西ではキハダ中心と聞きます。 キハダの評価は関西の方が値が出ます。 関東では、キハダというとやや馬鹿にしたような感じがあります。 関西の魚売り場ではマグロは「ころ」の状態で置いてありますね、最初見たとき「異様な」印象でした。 関東の売り場では、「サク」以外は考えられません。 > 関東人は、江戸前の魚が事実上ゼンメツしてから多様な魚を味わうサカナックイには > なれない環境にあるのですね。 東京湾内の魚、市場では「湾内物」と呼んでいますが、少なくなりました。 スズキ、マコガレイ、エボ、アナゴ、シャコ、船橋のイワシ、ハゼ・・・ 量的に少ないのか高値ですかね。 > それはそれとして、さいきん魚の末端流通の現場がいっそう面白くなくなってしまっ > た。ちょっと大きなスペースを割いていたスーパーやデパートも軒並み売り場縮小 > で、 さびしいです。 スーパーはもともと利益重視で、いわゆる「見せ筋」という品揃えは避ける傾向です。 売れ残って(ロス)、利益の足を引っ張るのでポスデータ至上主義の数値管理上扱いません。 お客さんの目を喜ばす、集客効果という物は数字には出てきませんから。 一時はデパ地下の「鮮魚専門店」が品揃えをして喜ばれたりもしましたが、これもデパ地下の主役が「鮮魚」から「スイート」や「惣菜」に移って、鮮魚店のロイヤリティが値上げになり品揃えする余裕がなくなりました。 「売上」と「利益」です。 市場までは安い魚が来ています。 今ワラサが豊漁で入荷が多いです。値段も安い。結構脂が乗ってうまい。 刺身でも煮ても焼いてもうまい。 今年は国産のサバが安くて、輸入のノルウェーのサバよりも値段が下がりました。 ノルウェーほどではありませんが脂ものっています。 ただ、安い魚を売ってしまうと他の魚が売れなくなります。 店全体としては売上が(利益が)減ってしまいます。 > 回転寿司のマグロは、消費者の盲目的なトロ志向は相変わらずですし、養殖マグロ > (それもこの間食べた中野の数店に限ってですが、金出して食うに能ハズのような粗 > 雑な出し方をしているのが目に付きます)にだいぶ前から切り替わってしまいました。 今年の年末のマグロの供給動向。ほとんど昨年と同じと見ています。 本マグロ、インドマグロ(ミナミマグロ)の漁獲量の制限は来年からです。 地中海の蓄養本マグロの入荷は漸減していくでしょうが、代わってアメリカからメキシコにかけての蓄養本マグロの入荷が増えています。 奄美の養殖マグロも増産の流れです。 インドマグロも、日本船の直接漁獲量は減りますが、他国船の取ったマグロがその分の穴埋めをするでしょう。 冷凍バチマグロを積んで、日本国内の冷蔵庫が一杯で荷揚げができずに「沖待ち」している船は相変わらず多いとのこと。 バチマグロが1〜2割値上がりしても、この範囲なら流通段階・店頭での商品作りの段階で吸収できるのではと思います。 テレビ・新聞の報道している通り、資源保護は重要です。対策は取るべきです。 中国の需要の増加も事実ですが、まだ消費量は日本の十分の一です。 少なくともこの年末は、大きな影響は無いと見ています。 > 回転寿司屋の絵が、マグロのニュースによく出てきますが、 > あそこでマグロって言われているのは、トンボ(ビンチョウ)やカジキやバショウ > じゃないかな? > ひょっとしたらシイラだったりして、 > 本マグロやミナミマグロなんぞではないように思うがどうなのでしょうね。 > 100グラムが500円以下の本マグロがありますか? > もちろん赤味で…、でも、大トロなら5000円はするのでしょう。 > マグロにこだわるなら少なくとも“中トロ”のアジは知っていたいですよね。 > 本マグロの中トロなら100グラム2000円以下じゃ食えんでしょう。 > これって庶民の味でしょうか? ビンチョウマグロは、ここ10年位で随分出世しました。 一昔前の魚屋さんは、ビンチョウというと馬鹿にして「あんな物魚じゃねえっ」てなもんでした。 旬のビンチョウは脂がのって旨いです。「トロビンチョウ」と名付けてヒットしました。 バショウやシイラは、さすがに回転寿司でも扱わないと思います。 シイラは足が早いですし、バショウまで落とさなくても、他に充分安いマグロがありますし。 カジキも「カジキ」表示で充分お客さんが喜んでくれますし。 脂ののったカジキは結構良い値段がします。 本マグロやインドマグロでも安い物はあります。 「本マグロ」だと、近海のメジマグロ(関西では「ヨコワ」)なんか、時々豊漁の時は安くなります。 メジといっても20キロ以上のもありますし、脂がのっている時もあります。 そういう時は、200gくらいの長サクにしてパック単価1000円で並べるとそれこそ飛ぶように売れます。 あと、関東では初夏に、三陸から「巻き網」の本マグロが入荷します。 マグロは一般には「延縄(はえなわ)漁」で取りますが、巻き網でごっそり取ってしまいます。 魚体はでかいですが脂も無く、処理も悪い為価格が安いです。 「身割れ」「焼け」が多くて、又ドリップも多く出て歩留まりは悪いですが これも安くお店に並びます。 インドも「小インド」といって魚体の小さい奴はやすいかと。 市場のマグロやさんに聞くと、一番旨いマグロは大トロよりも中トロ、本マグロはもちろんのこと、結構バチの中トロが一番という人が多いです。 脂と赤身のバランスが良い「中トロ」バチマグロ最高かと思います。 マグロやさんでは「脂バチ」「上バチ」と呼びますが(上>脂)。 それからキハダの脂の乗ったものは「脂キハダ」と呼びますが、これは関西が強い。 マグロ関係は関東のほうが総じて高値ですが、「脂キハダ」だけは関西に負けます。 高い値段が出ます。私も数回しか口にした事は有りませんが、確かに旨い。 > 庶民は養殖マグロの餌のサバやイワシやオオナゴを食っておりますよ。 > 秋刀魚も食いたいが、魚屋に並ぶと高いですなぁ〜、 魚屋さん同士の話で「どの魚が一番旨いか」という話をしますと、「大衆魚が一番旨いんじゃあないか」という所に行き着く事が多いです(個人的経験?)。 アジ、サバ、サンマ、イワシ・・・ 旨いと思います!いかがでしょうか。 |
MANA | 2006.11.28 | こんな丁寧なレスをいただいて恐縮しております。 まさにそのとおりです。ありがとうございました。 でも、もっと、お魚で遊べる場がほしい。 お魚を見ているだけで幸せになる人間からすると、町の中に、ぴちぴちしたお魚でショータイムしているようなお魚屋さんがほしいと、ぜいたくをいっているのですね。 かなわぬ夢としりながら……。 みんな時代の変化を素直に受け入れすぎているような気がして、ときどき心配になってしまいます。 |
高知の紙乃 | 2006.11.28 | 27日のNHK21時、TBS23時を見ていても、さもクロマグロが食べられなくなるような報道とクロマグロが高級で、そのあおりを受けて庶民のキハダが高くなるなどの感情的な発言が多すぎるような気がします。 地中海マグロは、日本船がはいれなかったリビア沖のヨコワ漁場に、マグロ養殖をしている地中海諸国が入り資源を激減させたようです。 詳細なICCATのデータは見ていませんが、今回の削減程度では資源回復は厳しいより無理ではないかと思ったりしています。 オーストラリアのミナミマグロも早急に議題にすべきかと。 すみません、勝手に、かつおについても書かせてください。 中西部太平洋域のかつおについても、フィリピン東方から北部赤道海域の産卵海域での効率的な漁業が行われ、国内では安いかつおが食べられると喜ばれていますが、実は、資源が厳しくなって来ていることを雑誌「漁村8月号」に茨城水試の二平章さんが書かれています。 私のすむ高知県でも、かつお1本釣りをされている漁師の方が多くおられますが、沿岸漁場での漁の少なさに嘆息をつくばかりです。 経済性や効率の尺度で、水産資源を利用することには、より慎重になるべきではないかとおもっています。 |
琵琶湖オオナマズ | 2006.11.28 | > 「大衆魚が一番旨いんじゃあないか」という所に行き着く事が多いです。
> アジ、サバ、サンマ、イワシ・・・ 旨いと思います! 全く同感!!!! 純粋に「旨さ」という点で、そう感じますし、コストパフォーマンスを考えれば、マグロなんて問題にならないと思いますね。 |
神奈金 | 2006.11.28 | 私は魚を売るほうの仕事をしている人間ですが、魚を売ってお客さんに喜んで欲しいと思います。 商売をやっている人間は、恐らく皆さんそう思っていることと思います。 美味しい魚を食べて喜んでもらって、また買ってもらう。 その為に一生懸命頑張れば、売上が上がって収入もいくらか上がる。 でも、魚を売るということが、最近どうにも企業化しすぎてきている(魚に限りませんが)。 MANAさんの言われるとおり、売り場に遊びが欲しいと思います。全く同感です。 シイラもビンチョウも、価格は安い魚ですが美味しい魚です。 そういう魚はたくさんあります。 でも、お店にはなかなか並ばなかったりします。 MANAさんのいわれている夢は、売るほうの一個人の私にとっても同じです。 ショータイムをしながら魚を売りたいと思います。 MANAさんいうとおりの魚売り場を作っていけたら良いと思うのですが。 今私は魚の小売会社を辞めていますのでもうできませんが。 今の仕事為りに、そういう気持ちで頑張りたいと考えています。 |
白浪@舞鶴 | 2006.11.29 | > でも、魚を売るということが最近どうにも企業化しすぎてきている(魚に限りま > せんが)。 > シイラもビンチョウも価格は安い魚ですが美味しい魚です。 > そういう魚はたくさんあります。でもお店にはなかなか並ばなかったりします。 > MANAさんのいわれている夢は、売るほうの一個人の私のとっても同じです。 > ショータイムをしながら魚を売りたいと思います。 ですねぇ.昔の市場の魚屋さんとか八百屋さんは,子供には面白いような怖いようなところでしたもんねぇ...テキ屋さんみたいなところがあったように思います いまは有名な輪○の朝市だって,真夏の禁漁期間中もカニと甘エビばっか もちろん輸入冷凍物なのですが,それでも地場の魚より売れるらしい. 儲かるからと売る方が悪いのか,旬が外れてても買う方が悪いのか(^^;) |
琵琶湖オオナマズ | 2006.12.24 | > 赤身は関東ではバチ中心、関西ではキハダ中心と聞きます。 ボクがバイヤーになった15年ほど前は、マグロと言えばキハダで、メバチは全然でしたよ。 メバチは「血栓が入りやすい」と言って嫌われていました。 今でも、生はキハダ中心だと思いますが、冷凍はメバチも増えています。 > 関西の魚売り場ではマグロは「ころ」の状態で置いてありますね。 これは、冷凍のキハダの小さめのやつです。 サクにすると歩留まりが悪くなるので、コロで売るのです。 特売用によく使われていますね。100g98円とか。(いまは、こんな値段では売れない?) 普通のマグロは、サクで売りますよ。 |
琵琶湖オオナマズ | 2006.12.24 | こないだ、息子がバイトしている回転寿司やに行ってきました。 「マグロフェア」でトロが安い、、、息子に言われていたので、釣られたわけですよ。 大トロ1カン100円でした。脂ギンギンで、養殖物丸わかりなんですが、娘は美味しいと言って食べてましたね。 私は、脂ばっかりで鮪の美味しさは感じなかったんですが。 あれって、どんな養殖してんのか、かなり興味があります。 > 回転寿司屋の絵が、マグロのニュースによく出てきますが、 > あそこでマグロって言われているのは、トンボ(ビンチョウ)やカジキやバショウじゃないかな? > ひょっとしたらシイラだったりして、 > 本マグロやミナミマグロなんぞではないように思うがどうなのでしょうね。 テレビに出てるのはどうか知りませんが、いまはお客さんの目が肥えてますから、へんなもんは出せません。 そんなことしてばれたら、いっぺんに新聞・テレビ・ネットで報道されますからね。 そういう誤魔化しで利益を取るという時代ではありませんよ。 仕入れの力、商品開発の力、どこと組むのかという判断力が必要な時代です。 |
琵琶湖オオナマズ | 2006.12.24 | 小さな本マグロをヨコワと呼ぶのは、多くの方がご存知ですよね。 実は、これが美味いうえに、価格的に「庶民派」なのですよ。 http://www.geocities.jp/hdk8823/syuminoheya/non_theme/yokowa.htm ↑ 3年前、金沢での会議に車で行き、会議の前に近江町市場で買ったヨコワです。 フライパン(直径30cmぐらい)で焼いているカマの大きさで、だいたいの魚体がわかるでしょうが、これで3000円+箱代500円です。 ヨコワの腹は脂があって美味いのですが、魚体が小さいだけに、大トロのような脂ではなく、控えめな脂でいいですよ。 ボクは、鮪類では、ヨコワのコストパフォーマンスが最高だと思っています。 |
名古屋のじろまる | 2006.12.24 | 「よこわ」 西の言い方でしたっけ? 関東では何というのでしたっけ? 名古屋では「めじ」かしらん。 もちろん私も大好きですし、当店でもよく使います。 > ヨコワの腹は脂があって美味いのですが、魚体が小さいだけに、大トロのような > 脂ではなく、控えめな脂でいいですよ。 脂のありようがいいですよね >めじ 私は、養殖の脂ぎんぎんのマグロはあまり好かないのですが、琵琶湖オオナマズさんの言われるように、回転寿司ではけっこう見かけますね。 若人ダケでなく、年配の人でも競うように皿を取っています。 てことは、恐らくアレが現代の日本人の好むところ、なんですよねえ。 脂ぎんぎん、を望んでいるのですよね。 消費者の動向に合わせて商品を作ったら、ああなったんですよね。 そのあたり、詳しいコト知りたいなあと思います。 |