鬼カサゴ?ウルマカサゴ?
投稿された 会員さん |
投稿日 | 投稿内容 |
喜界島の村山 | 2003.01.29 | 標題の「鬼カサゴ?」の画像を下記ページに揚げてありますが、同定とまではいかなくても推測だけでも御願い出来ませんでしょうか? http://www.kikaijima.com/sdc/umi-sdc-03-02.html |
おおはし | 2003.01.31 | とりあえず、科博の魚類写真資料データベースで上記二種を検索してみましたが、いわゆるツノつき↓の小型個体は http://db1.kahaku.go.jp/fishimage/detail.html?nextPAGE=NR0008898 10例ほどあったものの、全てオニカサゴ属未同定種となっていました。 たぶんこのサイズのものは現在ジャッジのきめ手みたいのがないんじゃないでしょうか? なのでオニカサゴ属.spでいいんじゃないですかね?? |
野村@最近ROM専 | 2003.02.01 | 写真拝見しました。難しいですね。 顔つきからして、オニカサゴに近いものに落ちると思うのですが、正面顔だけでは、同定のポイントとなるところが見えません。横から撮った写真もあれば拝見したいのですが・・・・・ ごく近いところでも、オニカサゴ、オニカサゴ(沖縄タイプ)、ウルマカサゴ、ミミトゲオニカサゴと4種(今のところ)いますからね。 眼上皮弁は、結構いろんな種でのびるようなので、決定的なポイントにはならないようです。 同じように、眼上皮弁ののびるツノカサゴなんですが、私は実物は見たことがない物で、何とも言えないのですが、図鑑の写真や図表から考えると雰囲気が違うように思われます。 それに、ツノカサゴは小型の種類のようで、20cm近くまではならないようです。 |
喜界島の村山 | 2003.02.01 | >横から撮った写真もあれば拝見したいのですが・・・・・ 横からの画像がポイントなんですね、聞いてみます。 >ごく近いところでも、オニカサゴ、オニカサゴ(沖縄タイプ) >ウルマカサゴ、ミミトゲオニカサゴと4種(今のところ)いますからね。 オニカサゴの画像が圧倒的に多いですね、ミミトゲオニカサゴは1枚も見あたりません。 (googleで) >眼上皮弁は、結構いろんな種でのびるようなので、決定的なポイントにはならないようです。 ああ、そうなんですか。環境によって変わるのですかね。 >それに、ツノカサゴは小型の種類のようで、20cm近くまではならないようです。 この個体は8センチ位なんだそうです。 横からの画像がないか問い合わせてみます。 |
喜界島の村山 | 2003.02.01 | カサゴの画像を2枚付け足しました、横からの画像ではないですが参考にしてください。 http://www.kikaijima.com/sdc/umi-sdc-03-02.html 撮影の時の様子もメールで頂きましたので転載します。 以下引用------------------- この魚を撮影した時は、特に種の判別を目的として撮ってないので、決定的な違いが判断できる画像はありませんでした。どれも似た様な感じです。 図鑑によると、オニカサゴ(沖縄型)とウルマカサゴの違いは、胸鰭内側上半部の褐色班の有無と書いてありました。 水中で生きたカサゴの胸鰭内側を確認する事は、まず無理です。特にこの鰭には毒がありますし・・・。 もし、そこ以外で違いが分かるところ知ってる人がいれば、是非教えてください。 この魚は、特に珍しい魚ではなく、喜界島の海中に普通に何処にでもいる種なので、次回見たときに確認してみます。 画像を見ると、鮮やかな色彩をしてますが、実際水中で見ると、もっと茶色っぽく地味な魚です。 水中では、深さに応じて次第に色が失われていきます(水に吸収されていく)。特に暖色系(赤色)から失われていくため、こんな鮮やかな明るい色には見えません。 ストロボを使って撮ってる為、鮮やかな色が蘇っています。 私も実際に海から上がって、画像を確認してはじめてこんなキレイだったことに気付きました。 一応、その時撮った別の2枚を添付します。あまり参考にならないと思いますが。 また、何か情報があれば、お知らせ下さい。 以下引用------------------- (図鑑によると、オニカサゴ(沖縄型)とウルマカサゴの違いは、胸鰭内側上半部の褐色班の有無と書いてありました。)とありますが、他の差異がありますでしょうか? |
沖縄の島田 | 2003.02.02 | 野村さんのご指摘のとおり、眼の上の皮弁は当てにならないようです。 この類を研究している方(琉球大学)に、人を介して問い合わせして頂いたところ、以下のような内容でした。 オニカサゴ属のScorpaenopsis papuensisかP. oxycephalaのいずれかでであろうが、前者の可能性が高い。 なお、和名については混乱が見られるようで、近い内に整理し発表される予定だそうです。 |
野村 | 2003.02.02 | 島田さんからの返答で、決着がとりあえず付きましたがご参考までに。 追加された写真を見て、分かったことと、日本産魚類検索からの判別法を書いておきますね。 まず、ウルマカサゴ、ミミトゲカサゴとオニカサゴの判別ですが、背鰭の形から判別できます。 背鰭の第3棘(3番目の棘)と第4棘の長さがほぼ同じ長さで、背鰭の切れ込みが大きいのがウルマカサゴ、ミミトゲカサゴ。 背鰭第4棘が一番長く、背鰭の切れ込みが小さいのがオニカサゴになります。 追加された写真を見ると、背鰭の切れ込みは見えませんが、背鰭の第3棘と第4棘の長さがほぼ同じ長さですので、ウルマカサゴのグループになります。 胸鰭の軟条数(棘の数)を写真から数えてみると19本あるように見えます。 ウルマカサゴは通常19本、ミミトゲカサゴは通常18本ですから、ウルマカサゴと考えることができます。 また、ミミトゲカサゴは国内ではほとんどみることができないそうですので、ウルマカサゴと考えていいと思われます。 ここで問題になるのが、島田さんのかかれていた、 > オニカサゴ属のScorpaenopsis papuensisかP. oxycephala > のいずれかでであろうが、前者の可能性が高い。 という部分です。 ウルマカサゴの学名は Scorpaenopsis oxycephalaが当てられていますが、国内でウルマカサゴと言われている種は Scorpaenopsis oxycephalaとScorpaenopsis papuensisが含まれているそうです。 この部分の見解や和名の整理は、論文の発表を待つ必要がありますが、上記2種の間にも当然判別点があるわけですから、それを検討した結果Scorpaenopsis papuensisになるだろうと言うことですね。 最後はやはり現物を見るのが一番なんですけれどね(笑)。 ちなみにオニカサゴ2種(オニカサゴ、オニカサゴ変異型)の違いですが、オニカサゴ 胸鰭軟条数18。体に小黒点が散在する。生息域は琉球列島をのぞく南日本。 オニカサゴ変異型 胸鰭軟条数17。体に小黒点がない。生息域は琉球列島 これに胸鰭内側の斑紋のでかたがポイントとなります。 そのほかにも、各鰭の斑紋や体の模様の出方なども判別のポイントとなることが多いので、横からの写真を押さえておくと後で判別できる可能性が高くなります。 > 水中で生きたカサゴの胸鰭内側を確認する事は、まず無理です。特にこの鰭には毒が > ありますし・・・。 何か勘違いをされているようですが、胸鰭は軟条といって柔らかい棘になっています。 危ないのは堅い棘を持つ背鰭なのでは? |
喜界島の村山 | 2003.02.03 | > 野村さんのご指摘のとおり、眼の上の皮弁は当てにならな いようです。 いえいえ、当方も皆目わからない方ですから。 どしどし、意見が出た方がMLの活力にもつながりますし。 画像だけで魚種の範囲が判るのもこのMLの底力だと思います。 気になさらないで下さい。 > オニカサゴ属のScorpaenopsis papuensisかP. oxycephala のいずれかでであろうが、 > 前者の可能性が高い。 なるほど、そうですか。 最近、魚の新種の発見はダイバーなどの協力で沢山でているそうですね。 |
喜界島の村山 | 2003.02.03 | > 追加された写真を見て分かったことと、日本産魚類検索からの判別法を
書いておきますね。 有り難う御座います、助かります。 > 胸鰭の軟条数(棘の数)を写真から数えてみると19本あるように見えます。 > ウルマカサゴは通常19本、ミミトゲカサゴは通常18本ですから、ウルマカサゴと > 考えることができます。 よく判りますね! 13か14本まではわかりますがあとは数えられません。 > この部分の見解や和名の整理は、論文の発表を待つ必要がありますが > 上記2種の間にも当然判別点があるわけですから、それを検討した結果 > Scorpaenopsispapuensisになるだろうと言うことですね。 なるほど、よく分かりました。 > 最後はやはり現物を見るのが一番なんですけれどね(笑)。 でしょうね(笑) > そのほかにも、各鰭の斑紋や体の模様の出方なども判別のポイントとなることが多いので、 > 横からの写真を押さえておくと後で判別できる可能性が高くなります。 横からの写真が重要ですね。 > 危ないのは堅い棘を持つ背鰭なのでは? ネットでは、他の鰭にも毒がある種類があるように書いてありますが、いかがでしょうか? |
野村 | 2003.02.04 | 写真からの判別は、はっきりとした特徴のある魚は比較的簡単に分かるのですが、微妙な種や生時の色彩がよく分かっていない魚(ヘビギンポの仲間などは、標本ではよく知られている物も生時の色彩がよく分かっていません)の場合には、よほど特徴の写っている写真でないと、判別が付かない場合が多くなります。 何となく属レベルでは分かりますので、何とかの1種と表記される結果となります。 最近では、種の特徴が分かる部分の接写をしたり、研究者と共同で生時の写真を写した個体を採集し標本とし、生時の色彩と比較して水中写真から種の判別をするためのデータ集めもしています。 > よく判りますね! 13か14本まではわかりますがあとは数えられません。 慣れなんでしょうね。 カサゴとウッカリカサゴの判別に、水中で胸鰭軟条数を数えたりしていますから(笑) 撮ってきた魚の同定をするために、写真から鰭条数や鱗の数を数えたりもしています。 > ネットでは他の鰭にも毒がある種類があるように書いてありますが そうですね、ダルマオコゼは臀鰭や腹鰭の棘(硬いほね)にも毒を持つようですね。 カサゴの仲間はだいたいが背鰭に毒を持つようですよ。 どちらにしろ、胸鰭は軟条ですから大丈夫なのではないでしょうか? もっともちょっかいをかけると危ないですけれどね。 私は時々、指示棒でみることもありますが、おすすめはできません。 ついでといっては何ですが、神奈川県立生命の星・地球博物館の魚類写真資料データベースに写真を登録していただければありがたいです。 大橋さんのご紹介してくださった、科博のデータベースは県博のデータを使用して公開されている物です。近々さらに2万点ほどのデータが追加される予定です。 |