鯖と鮮度

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Toshie 2005.09.06 台風が、長崎、生月、松浦、佐世保と通過して、私の生まれた下関もこえて、行きましたね。 定置網とか船とか壊れていませんように!

表示の問題は、ネット上でも悩みました。生食できるいつまでとするか、どのような表記にするのがいいのかなぁっなどです。
いままでは、私自身がこの店の表示はきちんとしているとか、パッケージの裏をひっくり返してみていたのですが、逆に商品を提供する立場になると、難しい問題があるなとつくづく実感しています。

ところで、このMLの過去ログでも、鯖、生食、アレルギーなど、たびたび話題になっているものは、読ませていただいたのですが。。。
ちょっと悩ましい思いをしています。

実は こんな質問を受けました。
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「鯖が好きです。昨年の冬に当たってしまいましたが、コリずに好きです。
 やはり新しい魚のほうが体にもいいのでしょうね」
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どんな魚でも新しいものがいい、というのがごく当たり前の常識となっていると思いますが、改めてこのように尋ねられると、私には的確に答えられないものだと気づきました。
皆さまは、どのようにお考えでしょうか?
知恵を授けてくださいませ。よろしくお願いします。
塩崎@仙台 2005.09.07 ”体にいい”と言う表現はやや漠然としていますが、鮮度という面では、鯖の場合、もちろん新しいほうがあたりにくいということになります。
鯖アレルギーは、鮮度が落ちて、ヒスタミンの含有量が増加することが第一の原因でありますので、保存のよい状態の新しいものがよいですね。
鯖は特にヒスタミンが生成されやすいので注意が必要です。
ただし、加工品はまた別ですが。

もう一つ、アニサキスのアレルギーも、魚ではよく見られます。
これはやはり、鮮度が落ちることによるものとは違いますので、この点に限っては関係ないかもしれません。

体にいい、すなわち栄養や味、健康と鮮度の関係となると難しいですね。
特に水産物は、加工品の種類も方法も多いですから。
Toshie 2005.09.07 塩崎先生
早速、専門家にお教えいただき、ありがとうございます。

「体にいい」という漠然とした疑問に対して 噛み砕いて ご説明していただき
 助かりました。
 
私は、魚を生で食べるのが好きですが、捌きながらのつまみ食いも得意なので、生で食べる美味しさを伝えたくなりますが・・・
魚を送る場合は、温度管理が重要だとつくづく感じます。
魚を召し上がった方も、アレルギー体質やその日の体調によっても違うし、、
安心して召し上がっていただき、美味しいと評価してもらえるのは、大変なことだなぁと思いを新たにしています。
鮨屋の小林 2005.09.08 的確な答えになるかどうかわかりませんが、鮨屋の立場から申し上げますと・・・
魚の美味しさは鮮度だけではないような気がします。
一般的に、捕れてすぐのものが新鮮でおいしいと思いますが(特に貝類)、2・3日、寝かして美味しくなる魚もあるんですよ!
それが鯖、コハダなどなどいわゆる〆ものなんです。白身も含まれるかな?
鯖を生で食べるのなら、鮮度が一番だとおもいます。
現地で食べたこと無いですが、九州の方はゴマだれにつけると聞きました。
築地でも、もちろん生食できる鯖は入ります。
そんな鯖が入荷したときは、僕の勤め先では、小さな店なので鯖1本を、片身を酢〆、もう片身を酒・みりん・醤油で作った物につけこみます。
醤油付けの方は、当日のほうが美味しいです。
酢で〆た方は、じつは翌日、翌々日のほうが、こなれて美味しいですよ。

“鯖と鮮度”というToshieさんのご質問に、正しいお答えが出来たかどうか分かりません。
良い鮮度の魚でも、調理法によって食べごろが違うと言うことを分かっていただきたく、メールいたしました。
基本的には、魚はやっぱり鮮度の良いものを扱いたいですね。

余談ですが、コハダなんかも、築地が休みの第2第4水曜の前日、二日分仕入れて水曜使う分と木曜使う分とで、塩と酢の塩梅を変えたりするんですよ。
以前働いていた店の老職人から教わりました。未だに難しいものです。
白浪@舞鶴 2005.09.08 > 「鯖が好きです。昨年の冬に当たってしまいましたが、コリずに好きです。
>  やはり新しい魚のほうが体にもいいのでしょうね」
> どんな魚でも新しいものがいい というのがごく当たり前の常識となっている
> と思いますが、改めてこのように尋ねられると 私には的確に答えられないものだと
> 気づきました。

もう10年ばかり前に書いた雑文ですが、、、、
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日本海に遊ぶ   どちらが美味しい
 このところ新聞やテレビで魚の鍼(はり)麻酔輸送が話題になっています.
魚のツボに鍼を打って神経を麻痺させておくと,輸送中に泳いだり暴れたりしなくなるので小さな水槽でも活かしたまま運べるようになるというのです.
現在の活魚輸送はほとんど海水を運んでいるようなものですから,この方法が普及すれば輸送コストが大幅に削減され活魚の値段も下がることでしょう.
それどころか,大きなトラックもいらなくなるので,大気汚染の防止や地球環境問題の解決にも一役かえそうとよいことずくめです.
 ところで,美味しい魚といえば活魚と言われるようになったのはここ20年あまりのことです.
もちろん,それ以前から生け簀で泳いでいた魚を客の目の前でさばく活け魚料理はありました.
でも,けれん味の強いキワモノ扱いで,田舎料理,漁師料理として蔑まれていたのです.
 魚が死ぬとまず死後硬直が起こり,体は固くなります.
魚屋で新鮮な魚を探すには頭を持って,体がダラリと垂れ下がらないのを選べばよいというのはこのためです.
さて死後,数時間からマグロのように大きな魚では1日以上が過ぎると,死後硬直が解けて体が柔らかくなり体を作っているタンパク質が分解され始めます.
早い話が腐り始めるわけですが,面白いことに最初はグルタミン酸などの旨味成分がたくさん形成されます.
つまり,死後硬直が解けた後が味はもっとも良くなるわけです.
これは魚だけではなく,牛,豚,鶏などどんな肉でも同じです.
 現在でも,ちゃんとした料理屋では釣り上げた直後に活け締めという方法で即死させ,頭だけを冷やして10時間位置いた魚を使うといいますが,どちらが本当は美味しいのでしょう.
活魚のコリコリした舌触りをとるか,熟成した舌にしみる味わいをとるか,これははっきり言って好みの問題です.
とは言うものの,最近の活魚ブームは少し行きすぎのような気がします.
煮含めた野菜よりサラダを好む食習慣の変化と相通じるものがあるのでしょうか.
それとも,新鮮なものほど必ず美味しいという思いこみのなせる技でしょうか.
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で,たぶん魚貝類も鳥獣肉もあたる寸前が一番美味しいんで,美味求心も博奕の世界ですなm(_ _)m
その昔,猟師は獲ってきた鳥を玄関の土間につるし,毎日肛門の匂いを嗅いで,内蔵の腐り具合から食べ頃を判断したのだそうです(^^;)
Toshie 2005.09.08 魚を生食する時の 寿司職人ならではの細工、魚の扱いの知恵、プロならではのお話し ありがとうございます。

 私は鯖寿司が大好きなので、鯖を一本買うと 〆鯖にして
 鯖寿司を片身2枚で 2本作り、 家族で平らげてしまいます。

 小林さんおススメの酒、みりん、醤油につけるのは、ちらしの具などに
 ピッタリだろうな と味が思い浮かびました。
 割合も聞きたくなりますが、企業秘密 職人技なので、ガマン我慢・・。

 知人の九州や山陰の方も、鯖を生で食べていらっしゃるそうです、
 私が〆るというと、生のほうが旨いよ って おっしゃいます。。。

 魚から 鳥獣肉のお話しの熟成というかグルタミン酸量増加のお話し
 たしかにそうだろうなぁっと思います。
 果物でも、新鮮なものがスーパーに沢山並びますが、
 熟しすぎて、 見切り品のほうに回ったものの方が 甘味最高で
 熟成度が抜群 の味になっていますものね。

 『通』 『マニアック』な 感性で 旨みを伝える
 一般の人がわかりやすい 「コリコリ感」で 美味しさと鮮度を伝える
 なかなか 難しいところだなぁ 
           と皆さんのレスを読ませていただき、感じております。
  ありがとうございました。
    これからも よろしくお願いいたします。





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