タモリという魚?

先日愛媛の友達より「たもり」って魚しってる?って尋ねられました。
「もみだね」とも呼ばれているらしいのですが、形はタイに似ている。薄茶色で黄色い縦じまがある白身だそうです。
各地で呼び方も違うので他の呼び名もあるかもしれません。
「たもり」って正式な名前なのでしょうか? どなたかご存知のかた情報をお待ちしてます。
ナンバー 投稿日 投稿内容
2000.06.28 「たもり」と同一かどうかはわかりませんが、特徴から想像したのが「タカノハダイ」です。
肉質は白身ですが、臭くて。まずい。
中部以南からシナ海辺りまで生息しているとのことです。 ヒントにならないかな?
2000.06.28  うろ覚えなのですが、ヒントに釣られて………。 
岡山の日生(ひなせ)か 牛窓の方で、確かタイのことを、“たもり”といってたように思います。  
フランス風の洒落た料理が出たので聞いたことがあります。その時に、思 いがけない名前だったので、記憶に残ってるのですが………。  
「タカノハダイ」のことだったかどうかは不明です。瀬戸内の辺りですので、「セトダイ」のことだったかも知れません。  
愛媛が郷里ですが、愛媛では個人的には聞いたことがないような………、 岡山方面の方、いかがでしょうね??
2000.06.28 ☆「タモリ」というのは当地では「ヒゲダイ」のことです。  
お刺身用だと超高値で売られていますよ。魚屋よりも料理屋さん向きアイテムですね。
2000.06.28 間違いなくセトダイのことです。愛媛での地方名は、もみだね、もしくは、たもりと言われています。  
   セトダイ(イサキ科 たもり:兵庫、岡山、広島、山口、徳島、愛媛)   
   6〜8月はマダイよりも旨いと瀬戸内海では言われ、値も良い。刺身、煮付け。
   出典:瀬戸内海のさかな(瀬戸内海水産開発協議会編:TEL 078-392-2281)     
この本は、2500円くらいで、やすくていいですよ。 
2000.06.28  いろいろな“タイ”が“たもり”と呼ばれてるようですね。 
投稿して から、スレッドが続いてるので……、ちょっと興味と、気になってたので Web site を、幾つか調べてみました。 最初は、たもり→田守、もみだね→籾種と、稲作の関連する語彙のように感じましたので、むしろ、淡水魚の“メダカ”のことではないかと思っ たもので………。 
メダカは、数千種の地方名があるようですね。
  1. 香川県漁連のサイト“Sea Club”というのをみますと、  五月が旬の魚:セトダイ
    • http://seaclub.power.co.jp/syun/5mon.html
    • 標準和名 セトダイ  地方名 コロダイ、タモリ、ビングシ、コショウ、モミダネ  分類 スズキ目イサキ科
    • 分布 砂泥底   産卵 4〜6月 主に煮付け、塩焼きにしますが、さし身も美味です。と出ています。
    • “たもり”“もみだね”の両方が指摘されてますので、香川辺りの呼び方のようですね。 
日生のペンションで食べた“瀬戸内のお魚のテリーヌ?” とかは、この魚だったようですねぇ。 他にも、
  1. 「岡山の主な魚の地方名(呼び名)の標準和名索引(た行)」
    • http://www.pref.okayama.jp/norin/suisan/hougen_uo_ta.htmでは、
    •  “たもり : コショウダイ (下津井)   たもり : セトダイ (日生,牛窓,胸上,寄島)”が出ていますね。
    • コショウダイは、:学名:Plectorhynchus cinctus 分類:イサキ科と ありますので、セトダイと同じ?ようなものですね。 写真で比べると縞 の色付の具合など、ちょっと感じが違いますが………。
また、末吉さん(Fishml会員さん)の
  1. “大分の地方名”のサイト、  http://www.coara.or.jp/~sueyoshi/local040.htm に依りますと、
    • “トモモリ Tomomori → セトダイ Setodai” というのがありますね。 「トモモリ 」は変化してゆくと「タモリ」ですね。
 興味深いです。 どうも、瀬戸内での地方名のようですね………。
2000.06.28 調べてみましたが、「たもり」は見あたりませでした。
でも愛媛で「モミダネウシナイ」と呼ばれているのはアイナメ若しくはクジメ のようです。
アイナメは黄茶色で体側に5条の側線があり、クジメは側線が1条です。  
でも、ご存じのとおり、アイナメはタイには似てませんよね。全然違う話 だったらゴメンナサイ。アハハハ・・・・
2000.06.28 > ☆「タモリ」というのは当地では「ヒゲダイ」のことです。お刺身用だと超高値で売られていますよ。
> 魚屋よりも料理屋さん向きアイテムですね。
早速、事典をば牽いてみました。
  • [ヒゲダイ] Hapalgenys nigripinnis イサキ科ヒゲダイ亜科 
  • 伊豆半島以南の南日本、朝鮮半島南部、東シナ海に分布。沿岸の砂泥底、岩礁性魚。大陸棚の 浅所にも生息する。
  • 下顎に房状のヒゲが密布することと、背鰭起部直前に前向棘があるのが特徴。(ん〜ん、難しい言葉は、あっしはどうも苦手で...)暗紫褐色の体側に幅広い黒褐色の弓状斜縦帯がある。幼魚が全身黒褐色。(あちょぅ!形態に関してはも〜省略!)
  • 沿岸岩礁や砂泥底にせいそくして、よく魚礁や沈船などを住みかにする。釣り、定置網、底引き網などで漁獲される。食幼魚。
  • 各地の呼び名。アンマサノヤキモノ(魚津)、カナヤリ(新潟)、チンダイ・カカトレ(富 山)、モシゲ・タノキズラ(和歌山)、タモリ・トモモリ(高知・広島・和歌山)、クロメ (鳥羽)、コウコダイ(有明海)、コロダイ(玄海)、ヒゲダイ(下関・江ノ島)
また、Roku@三田さんの
> 瀬戸内の辺りです ので、「セトダイ」のことだったかも知れません。
の「セトダイ」は同じイサキ科ヒゲダイ亜科の [セトダイ] Hapalgenys mucronatus でした。
つまり両者はごく近縁の魚です。
しかし、形態にかんしては、標本の写真をお見せできないのが残念ですが、「ヒゲダイ」は黒褐色。「セトダイ」の方が「おたずね者」の特徴に近い、縞のある茶黄系の色です。(正確には、全体が薄茶、鰭や縁が黄色、縞が焦げ茶ですが)
同じヒゲダイの仲間ですから、「セトダイ」を指して「タモリ」といったことも推測されます。
ちなみにあっしの「タカノハダイ」はタカノハダイ目なので別種。尾鰭に白いゴマ斑点がある ことが特徴です。
2000.06.28 魚の名前と言えば東京の緑川さんが紹介してくれた本があります。  
三省堂の「魚種名辞典(日本魚類学会編)」定価28,000円。  
昨日、葛西臨海水族園のレクチャールームでこの本を見ましたが、とにかく地方名がたくさんかいてありました。 
きっとこの本に載っていると思います。
2000.06.28 >  三省堂の「魚種名辞典(日本魚類学会編)」定価28,000円。
この辞典で、「タモリ」をひいてみると、2つの種類の魚が載っていました。
  1. 標準和名:セトダイ(イサキ科) 
    • 「タモリ」として使用されている地方は 広島県忠海 播磨明石 明石
    • セトダイは、塩屋
    • 和歌山での地方名がコショウダイ
    • 大阪・堺・明石・広島・忠見・玄海での地方名がコロダイと紹介されています。
  2. 標準和名:フエフキダイ(フエフキダイ科)・・・別名タマミ
    • 「タモリ」として使用されている地方は 関西 紀州辰ヶ浜
    • フエフキダイの「タモリ」と似たような地方名としては
      • タマミ:大阪 関西 宮崎 高知県
      • タマメ:紀州串本・三輪崎 和歌山県 周参見 高知県
      • タマン:沖縄 とあります。
魚の名前は、場所によってずいぶん異なる場合もあり、 難しいですね。



Copyright(C) june.29.2000 by Toshio Yabe. Allrights reserved