突きん棒漁法

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園@消費者 2000.06.16 「MATTANNZA」というのは「死の部屋」と呼ばれるしかけに追いつめたマグロを手鉤で引っかけて引き上げるときの合図の言葉です。
漁の最高責任者は海流の来る位置を読んで、そこにしかけ(定置網)をして、ある日突然「明日は引き上げだ」ということになって船を出し、「MATTANNZA」のかけ声で一斉にマグロを引き上げるんだけど、まちがって落ちたりしたらあっと言う間に暴れるマグロにもみくちゃにされてけが人、死人が出る荒々しい男の漁でした。  
それとは別にシチリア島では「突ん棒」と呼ばれる特殊な船でマグロを獲る漁も あるそうです。
船の前に長い棒が突き出ていて、人間がその先から銛を打って獲るそうです。
藤本@あいち 2000.06.16 > 「MATTANNZA」というのは「死の部屋」と呼ばれるしかけに追いつめたマグロを手鉤で引っかけて引き上げるときの合図の言葉です。  
またまた、知らないことがありました。なんかこの漁は深いような気がしてきました。
「死の部屋」と言う言葉も私には始めてです。勉強になります。

> 「MATTANNZA」のかけ声で一斉にマグロを引き上げるんだけど、まちがって落ちたりしたらあっと言う間に暴れるマグロにもみくちゃにされてけが人、死人が出る荒々しい男の漁でした。  
そうそう、そうなんです。そんな感じがテレビに出ていましたね。

> 船の前に長い棒が突き出ていて、人間がその先から銛を打って獲るそうです。
「突ん棒」という言葉は何処かで聞いた事がありますが。もっと知りたくなりましたね。
沖縄の甲斐 2000.06.20 > 「突ん棒」という言葉は何処かで聞いた事がありますが。もっと知りたくなりましたね。
シチリアの突きん棒は、TBS系「世界ウルルン滞在記」で俳優の江口洋介氏が体験していましたね。
ものすごく高いマストの上の見張り台から獲物を探すやつ。
番組のホームペイジで探そうとしましたが古すぎて残っていませんでした。
ビデオに録ったのですが、テープが行方不明です。
私の知り合いの70歳の海人(うみんちゅ:漁師)は、現在でも季節的にサワラの突きん棒をしています。
三宅島か父島あたりでも、アメリカ系開拓民の子孫がサワラの突きん棒を行っている様子をテレビで観たことがあります。
藤本@あいち 2000.06.20 > シチリアの突きん棒はTBS系「世界ウルルン滞在記」で俳優の江口洋介氏が体験していましたね。
いやーこれ見たかったですが、見れませんでした。
このウルルン滞在記はいつも別れに涙しますが、私も何故かこの頃もらい泣きしてしまいます。

> 私の知り合いの70歳の海人(うみんちゅ:漁師)は、現在でも季節的にサワラの突きん棒をしています。    こんな漁師さんに漁の話しを色々と聞いてみたいですね。古い話しには興味がそそりますね。  
沖縄の漁師のおじいさんがおばあさんと2人暮らしで、おじいさんは小さな船であれは、ワラサではなくてカマスたぐいの漁の映像を見た記憶があります。  
結構、危ない漁の様子でしたが、違ったでしょうかね。
釣れた魚を、棒で頭を殴って気絶させて取り込むという漁はなかったでしょうか?。
老人と海のようなタイトル? だったと思いますが。すみません。記憶が定かではありません。  
このMLに入ると判っていたら、もっと真剣に書き留めておくべきでした。
中にはおじいさんのカジキ漁もあったような、何かこんがらかってしまいました。  
ワラサの突ん棒ですか。一度やってみたいものですが、構えるだけで突こうと思ってもワラサが早いものだからなかなか突けないと思いますね。
寺井 2000.06.21 >私の知り合いの70歳の海人(うみんちゅ:漁師)は、現在でも季節的にサワラの突きん棒をしています。  
突きん棒だけではないのですが、千葉の勝浦の漁業者(私は師匠と勝手に言わせてもらっています。)の、石橋宗吉 口述、加藤雅毅 記述の「一本釣渡世」(筑摩書房)を一読を。
ayutaro@神奈川 2000.06.21 三崎の小釣船には、2〜3本 カジキ突きの棒が乗っています。
篭屋丸さん 最近、使っていますか?
平田@沖縄 2000.06.21  突ん棒について、港にいる漁師に聞き取りしました。  
突ん棒は主にカジキ漁で使われています。カジキは、時に背鰭及び尾鰭の一部を海面上に出して泳ぐので、これをブリッジの上に組んだ展望台から必死に探すことから始まります。
広い海で僅かに突き出た鰭を探す!これは神業です。    
カジキを見つけると、逃がさないように全速力でそっと?近づきます。
舳先に足を固定し、両手で4mの銛を持って一気に投げつけます。
上下左右に激しく揺れ動く舳先の上に何も掴まらずに立ち、銛を頭に命中させる。これも神業です。  
銛が命中すると、銛に電気を流し、魚を気絶させます。
それから船に取り込み、頭を潰して鰓内蔵を取り出して、魚槽に入れます。
電撃は強くやると魚は即死しますが、肉が変質するそうです。
電撃がない頃は、取り込みも大仕事だったようです。  
最近は、カジキの価格も低迷し、経営の厳しい漁法のようです。  
先日、「クイズ伸介君」(沖縄での放映はとても遅れている)で突撃隊が体験しているのを見ました。
確かに大変な漁でした。何より魚を追いかけて旅に出て、家にいるのは年に2ヶ月とか。  
ちなみに、サワラの場合は、餌擬で魚をおびき寄せてから銛で突きます。これも神業ですね。
藤本@あいち 2000.06.21 >  突ん棒について、港にいる漁師に聞き取りしました。
突ん棒に関してこれだけ調べて頂き、感謝感謝です。つくづく、このMLに入って良かったと実感しています。

>  上下左右に激しく揺れ動く舳先の上に何も掴まらずに立ち、銛を頭に命中させる。これも神業です。  
んーん。この辺は想像が付きますね。何度かテレビで見た事ありますから。ですが実際はもっと感じが違うんでしょうね。

>  銛が命中すると、銛に電気を流し、魚を気絶させます。 
銛に電流を流すというのは始めて聞きました。
銛に電線なんか付けているのですか?。この電線は1本でしょうかプラス、マイナス一緒なんでしょうか?。
それともマイナスのほうは海自体でアースとしているのでしょうか?。  ん〜。興味があります。  
もう少し温かく(いや暑くなるとと言った方が良いかも知れませんが)なると、ハワイ付近でカジキの釣りが始まり、テレビで見れるのではないでしょうか。  
沖縄はカジキ専門の遊漁船の釣りはないのですか。

>  何より魚を追いかけて旅に出て、家にいるのは年に2ヶ月とか。  
何にしても漁と言うのは大変なものだと痛感しています。

>  ちなみに、サワラの場合は、餌擬で魚をおびき寄せてから銛で突きます。これも神業ですね。  
これまた餌擬でのおびき寄せと言うのも発見です。
どういう風な餌擬なんですか?。 大きいものかな?。サバなんかに似た餌擬でしょうか?。
どういう風なおびき寄せ方なんでしょうか。
喜界島の村山 2000.06.22 サワラの話しが出てきましたので。

>  ちなみに、サワラの場合は、餌擬で魚をおびき寄せてから銛で突きます。これも神業ですね。    
奄美のどの町村だか忘れましたが、この動作を祭りの中で演じているところがあります。  
実際に漁をしたのは魚が多かった頃が多かったでしょうが。    
餌擬はわかりませんが、たぶんムロアジではないですか。
ちなみに、私は沖縄でいうグルクン(ここでは赤ウルメ)をバケツですくって漁ったことがあります。 
こませをまくと水面の手元まで浮いてきました。
釣竿はほっておいてバケツですくいました。気分は最高でした。ここの防波堤でした。
平田@沖縄 2000.06.22 >  この電線は1本でしょうかプラス、マイナス一緒なんでしょうか ?。  
件の漁師は沖に行ってしまって聞けませんでしたが、電線は一本だったと記憶していますので、ご指摘のとおり海をアースにしていると思います。

>  沖縄はカジキ専門の遊漁船の釣りはないのですか。    
ありますとも。毎週金曜日に地元の新聞に記載される釣り情報にも写真入りで釣果がよく載ってます。
久米島や与那国島では、カジキ釣りトーナメントを毎年開いています。沖縄で誰か詳しい方報告してください。

>  これまた餌擬でのおびき寄せと言うのも発見です。どういう風な餌擬なんですか?。  
「沖縄の漁具、漁法」という本に載っているのは、次のとおりです。
  1. 餌擬  頭は牛角5p、胴は桧の根本30〜35p、胸鰭は山羊の角15p、尾鰭は牛角 2〜8p・・・・・・・ということは全長50p程度ですね。
  2. 漁法 5mほどの竿に4〜5mの道糸をつけ、それに餌擬をつけてサバニの舳先に立って、餌擬を振り回して音や波をたて、サワラに刺激を与えて誘集する。餌となるトビウオやムロアジに、いかに似せるかが技。
  3. 釣果  曇りの時はサワラを視認しにくく、餌擬を噛まれてしまい、相当歯形が残る。1日中船を流して操業し、多いときは10余匹100kg、少ないときは2〜3尾。
とのことです。
私の港では、この時期、マグロ延縄船により沖サワラが1隻で250匹ほど水揚されますが、豊漁時は10円/kgになってしまいます。今日は210〜84で平均157円/kgでした。
なお、沖縄で言うサワラは、全て沖サワラのことだと思います。
カラッポ@愛知県 2000.06.22 三重県では、布の吹流しのような物を使います。
直径10cmくらい、 長さが70〜80cmくらいで、魚に擬してあるらしく、半分(縦に)を黒っぽい色で塗られていました。
舟を止めて、一人が吹流しを竿で泳いでいるように動かすと、オキザワラが寄ってきてもう一人がモリでしとめる、というやりかたです。
私が行ったときは1尾しか獲れませんでした。
珍しい漁法があるな、と思っていたんですが似たような漁法があるんですね。
それにしても、今まで吹流しはオキザワラが「配偶者」を求めて近づいてくるものだと、勘違いしていました。
藤本@あいち 2000.06.23 > 餌擬  頭は牛角5p、胴は桧の根本30〜35p、胸鰭は山羊の角15p、尾鰭は牛角2〜8p・・・・
かなり高そうな餌擬ですね。

> 漁法  餌となるトビウオやムロアジにいかに似せるかが技。  
いかに魚に餌擬を似せて見せるか。というのに人間の賢さと技術の凄さはいつ聞いても凄いと思います。  
私の知っている三重の漁師はシカの角(あ!秘密の事だったかな?)を疑似餌に使います。
この疑似餌で魚の形を作ると大した魚には見えませんが、これが海水にいれると「お!なんだ!アジか?」というぐらいに変身してしまいます。
アジの模様がくっきりと出てきて、まるで本物が泳いでいるようなのです。  
アオリイカを釣る時にエビに似たてた疑似餌が売ってありますが、あれも海水に入れると変化します。
しかし、餌擬は何時のころから使い出したのでしょうね。どなたかご存じの方は居ませんか?。

> 沖サワラが1隻で250匹ほど水揚されますが、豊漁時は10円/kgになってしまいます。
サワラがキロ10円?。なんだかショックです。
釣りに行く時はボウズは無いと していても、エサやコマセ、交通費、船代込みで一人18,000円から21,000円 ほど出るのです。
やっと釣ったサワラも5キロ!!・・・・50円???。沈みますね。アジやサバの方が高かったりして。  
しかし、餌擬は何処から始まったのでしょうね。

カラッポ@愛知さんの言われる疑似餌は結構大きいし長いですね。
これ、初めて聞きました。
こちらでもそんな漁がまだあるんですね。三重県の熊野方面でしょうか。
籠屋丸@三崎港 2000.06.24 天気の悪い日が多くて、伊豆七島近海のキンメ漁に行けないので、今は、相模湾の昼サバ釣りをしています。
銚子の巻き網で大量に獲れたとかで、相場があまり芳しくないようです。

> 三崎の小釣船には、2〜3本 カジキ突きの棒が乗っています。篭屋丸さん、最近、使っていますか?
三崎では、ほとんどの船が銛竿(カジキ突きの棒)を乗せてあります。
突きん棒漁を専門にする船はありませんが、漁の行き帰りに、メカジキやマンボウを突いたり、夜、灯りによってきたのを突く場合があるので、常備しています。
1月ほど前にマンボウめがけて投げましたが、外れでした。
サバのたも掬い漁のときに、サバを追いかけてきたクロカワカジキを突いたことがありますが、日中泳いでいる魚を突くのは、素人にはむずかしいです。
HPトップの今日の写真に、銛竿の写真を載せましたので、参考まで。 http://www2.odn.ne.jp/~aad73750/



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