うなぎは絶滅危惧種か?
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山口正士 | 2005.08.05 | おととい、学生たちを連れてウナギ料理の専門店に行きました。 この店とは四半世紀の付き合いですが、最近は年に数回しか、実は昔もおなじだったか、でかけていません。 外人客が来ると、ここかすし屋に必ずつれて行く習慣です。 お店の入り口に近づいた時の香ばしい匂いの歓迎がうれしいのですが、生簀が干されていて、生きているウナギが群れ泳ぐ姿を見ることができません。 たしか前回はコイが1匹、さびしげに泳いでいたっけ。 店が空いているのと店員がやる気が無い空気が歴然としているのと、テーブルに残された落書きが消されていないのを見て、この店も先が危ないな、という感想でした。 ウナギは良い味で、皆、これについては満足でした。 職人さんの後継者が消えるようなことになると、伝統の食文化を失うことになるかも知れません。 ウナギが絶滅危惧種の仲間入り寸前であるとすれば、それも仕方が無いか。 |
琵琶湖オオナマズ | 2005.08.05 | 絶滅危惧種ということにはならないと思いますよ。 国内消費が12万トンぐらいか? そのうちの半分以上はジャポニカ種だと思うので、量からすればすごいもんです。 ただ、シラスの供給と日本人が食べる量との関係で言えば、危険だということはあると思いますけど。 レッドデータブック?を見ると、ビワマスも絶滅危惧種なんですね。 でも、漁がされており、商品として出まわってます。 そのへんの関係はどうなるんでしょうか? |
山口正士 | 2005.08.06 | 寿命の長い動物が再生産サイクルを断ち切られてから消えるまでに、かなり長いタイムラグがあります。 大西洋のタラ類の資源崩壊や琉球列島のヤコウガイ資源のクラッシュなどと比較してみると、極端な圧力が数十年続いた後で、ドスン、そしてパーです。 シラス漁からどのくらい逃げ延びているか、親魚の生活環境がどのくらい残っているのか、データがありますか。 また、産卵回遊に出る親魚の数量について推定値があるのかどうか、特にどこから出発している親が量的に重要であるか、わかっていますか。 国産約5万トンのウナギの消費量の中で、天然物はいったい何パーセントを占めますか。産卵回遊に出る親ウナギは天然ものですよね。 その個体数がどのくらいのレベルであればシラスが戻ってこられるか、計算モデルはできているのかな。 つまり、親ウナギの供給源の大部分が日本沿岸であって、そこでシラスが根こそぎに近い状態で漁獲されていて、親ウナギが産卵回遊に十分な個体数レベルに維持される河川環境が破壊されているとして、モデルを想定すれば、ウナギの再生産サイクルを約10年として、20から30年くらいで資源崩壊でしょうか。(素人のヤマカンですが、ファイナルフェーズにすでに入っているのかなと感じています) 台風の影響でシラスの回遊量が変動するのは当然かもしれませんが、かつては多くの異なった場所の河川から時間差を持って産卵回遊に出かけていて、全体として再生産の保険がかかっていたとすれば、親集団が先細りになっていて、一発勝負にかけるだけの札が減少しているはずです。 これに似たような問題が、沿岸の貝類集団で起こっているようです。 リンクされたメタ集団の消長がサブ集団の減少で全体的にリスク分散できずに、結果的 には崩壊というシナリオです。 まだ、少しでも残っている間に、根本的に建て直しを考えないと、崩壊の坂道を転がってゆくものは止めようがないと考えています。 |
琵琶湖オオナマズ | 2005.08.06 | > シラス漁からどのくらい逃げ延びているか、親魚の生活環境がどのくらい残って > いるのか、データがありますか。また、産卵回遊に出る親魚の数量について > 推定値があるのかどうか、特にどこから出発している親が量的に重要であるか、 > わかっていますか。 どうなんでしょ? そういうデータを持ってる可能性があるところと言えば、東大海洋研究所・養殖研究所・いらご研究所あたりでしょうか? たぶん、会員さんの中には、上記の組織の人もおられるはずなんで、ご存じでしたら教えて頂きたいですね。 > 国産約5万トンのウナギの消費量の中で、天然物はいったい > 何パーセントを占めますか。 鰻は、シラスがすべて天然なので、養殖していても、もともとは天然です。 親鰻の天然というのは、ほんの数%でしょう。 > 産卵回遊に出る親ウナギは天然ものですよね。 > その個体数がどのくらいのレベルであれば > シラスが戻ってこられるか、計算モデルはできているのかな。 これも、上記の研究所あたりが、やってるかもしれませんね。 ただ、産卵しているところを誰も見たことがないし、産卵場所も絶対的に確定したわけではないので、データをとる基礎的なところが曖昧な状態と言えるのではないでしょうか。 だいたい、毎年のシラスの好不漁の原因すら、分かっていないのが現状ですから。 数年前の不漁の時は、エルニーニョが原因で海流が変わり、シラスが北上せずインドネシアのほうに行ってしまったのではないかというような仮説がでたことがあります。 たしかに、エルニーニョが終わったら、シラスは採れるようになったのですが、そのうちまた不漁になりました。 したがって、エルニーニョ原因論も、どうも疑問があるようです。 > つまり、親ウナギの供給源の大部分が日本沿岸であって、そこでシラスが根こそぎに > 近い状態で漁獲されていて、親ウナギが産卵回遊に十分な個体数レベルに維持 > される河川環境が破壊されているとして、モデルを想定すれば、ウナギの再生産 > サイクルを約10年として、20から30年くらいで資源崩壊でしょうか。 > (素人のヤマカンですが、ファイナルフェーズにすでに入っているのかなと感じています) シラスは、日本・中国・韓国・台湾・北朝鮮で採れているようです。 規模としては、中国が最大ではないでしょうか。 「根こそぎに近い状態」で漁獲されているのでしょうか?よくわかりません。 研究者のところで、そのような論文や発表があったとは聞いていません。 どなたか、フォローして頂ければ有り難いです。 |
山口正士 | 2005.08.07 | 私がキャッチしている範囲では、シラスは台湾南部と日本の太平洋沿岸が中心であって、中国大陸や朝鮮半島方面にはあまり到達していないのではないでしょうか。 また、遺伝的にみて、種全体が一つの大きなまとまった集団になっているものと認識しています。 このモデルが成立していない場合、お話は大きく修正するべきですが、それでもシラス漁業の取りこぼし率しだいでは、中国での養殖の発展の影響が出てくるのも時間の問題ですね。 とにかく、全体像を把握しておかないと、その行方を占うことはできません。 (私は最悪のシナリオを見ているつもり) シラスはかなり深いところを流されているとしても、黒潮という海流に依存して流動しているならば、そしてシラスの出発点が黒潮の流軸の東側にあったなら、中国大陸側に流される可能性は低くなるでしょうね。 中国において採れるシラスが大量にあるならば、価格差があっても、現地の養殖用に大量に供給されていても不思議ではないと思います。 (中国大陸によったシラスはほとんどが日本に来ているのでしょうか?その場合、日本産との量的な比較はできますか。) 中国大陸沿岸や朝鮮半島に到達したシラスが日本にどのくらい入っているのか知りませんが、それが大量にあるならば、国産のものも含め、無茶苦茶な値段になるはずが無いだろうと思います。 以上は、データを見つけていないのでほとんどが想像、推論ですが、もしこれが当たっている場合は、恐ろしいことになるはずです。 |
うみガエル@清水 | 2005.08.07 | シラスうなぎが黒潮前線付近を流される場合は,対馬を経て日本海にも流されそうですが、日本海でシラスウナギは捕獲されるのでしょうか? 素人質問ですみませんw |
琵琶湖オオナマズ | 2005.08.07 | > 中国において採れるシラスが大量にあるならば、価格差があっても、 > 現地の養殖用に大量に供給されていても不思議ではないと思います。 中国の河川にもジャポニカ種の鰻が生息してますので、中国の国土の大きさや河川の多さを考えれば、シラスの到着する量は多いのではないかと思うのですが、どうでしょうか。 > 中国大陸沿岸や朝鮮半島に到達したシラスが日本にどのくらい入って > いるのか知りませんが、それが大量にあるならば、国産のものも含め、 > 無茶苦茶な値段になるはずが無いだろうと思います。 シラスの採捕量ではなく、池入れ量ですが、下記にデータがあります。 http://unagi.jp/data/data.htm 2005年鰻年度の場合、日本は20トンとなっていますが、これは台湾などからの輸入が含まれているはずです。 したがって、日本の実質の採捕量は、もっと少ないと思います。 台湾が5トンとなっていますが、中国や日本にシラスを輸出しているはずなんで、採捕量としては2倍以上になるのではないでしょうか。 中国の30トンというのは、輸入もありますが、国内採捕も相当あるのじゃないかと思います。 韓国は、数量どおりの採捕と見ていいんじゃないでしょうか。 これで見ると、台湾の池入れ量より、韓国の池入れ量のほうが多いですね。 韓国の場合、自国内消費が中心で日本にほとんど入ってこないので、日本であまり話題にならないのでしょうね。 このデータを年度ごとに見れば、1998年が最低で、翌99年が最高です。 池入れ量としては4倍も違います。その後、増えたり減ったりしています。 採捕の「漁法」は、変化していないと思うので、採捕量の増減はシラスの接岸量の増減を、そのままあらわしていると考えてもいいと思います。 こういう極端な増減は、どう説明がつくのでしょうね。 しかし、このデータは面白いですね。 このサイト「うなぎネット」ですが、下の方にこんな注意書きがありますよ。 「※基本的に鰻関係の数字は財務省のうなぎ貿易統計以外は推定です。鰻は掴み所がありませんから。」 そうなんです。 ですから、ボクが書いていること自体、ボクの独断、勝手な推定にすぎません。 ご了承下さい。 このへんの話は、専門家の方がおられるんで、フォローしていただければありがたいです。よろしく。 |
山口正士 | 2005.08.07 | 教えていただいたサイトで見たら、海流とシラスの接岸の関係がぼやけていますね。 これは予想通りでしたが、シラスの漁獲量の地理的分布を全域で主要河川ごとにデータベースを作ってみないとわかりません。 シラスが来ても漁獲しない河川はないと想定していますが、それでよいでしょうか。 日本海の河川にシラスウナギがどのくらい到達しているのか、それが鍵の一つですね。 イセエビの幼生みたいに日本海にほとんど流れ込んでいないのか、知りたいところです。 http://www.unagi.jp/maker/process/trip.html > 中国の河川にもジャポニカ種の鰻が生息してますので、中国の国土の大きさや > 河川の多さを考えれば、シラスの到着する量は多いのではないかと思うのですが、 > どうでしょうか。 データを探し始めた当初は、私も琵琶湖オオナマズさんと同じようなことを考えていました。 しかし、黒潮流域で浮遊しているものが海流で運搬される場合の一般則を見ていると、黒潮は(少なくとも表層を流動する場合の)一種のバリアーとなっているようです。 ナミノコガイやチョウセンハマグリの地域集団を調べていて気がついたことですが、日本海沿岸と太平洋沿岸では集団間にかなり明確な差異が生じています。 九州の西側、五島列島から南の海域が黒潮にかなり強くつながっていて、対馬海流との関係が複雑になっているようですが、強い海流の流域ごとに集団がまとまっていながら別の流域と隔離されている傾向が読み取れます。 それらの境界になる海域(特に対馬海流の源流域)でのミクシングがどうなっているのか、詳細に解析したいものです。 > このデータを年度ごとに見れば、1998年が最低で、翌99年が最高です。 > 池入れ量としては4倍も違います。その後、増えたり減ったりしています。 > 採捕の「漁法」は、変化していないと思うので、採捕量の増減はシラスの接岸量 > の増減を、そのままあらわしていると考えてもいいと思います。 > こういう極端な増減は、どう説明がつくのでしょうね。 何しろ、とんでもない遠隔地までわざわざ回遊して行って、複雑で変動する海流に乗って帰ってくるようですから、当たり外れは激しくて当然でしょう。 沿岸の貝類資源などでも、幼生が無効分散するかどうかで湧いて出たり、消えたりするでしょう。 浮遊幼生を長期間流動させるリスクはとても大きいと考えてよいはずです。 だから、ギャンブルとして賭け札にリスクヘッジが必要になるはずです。 沖縄の砂浜貝類やその他の沿岸動物の再生産の仕組みを調べていて、夏場の産卵期の台風での撹乱に対するリスク分散を、分割繁殖で実行しているのを見つけました。 海辺で集団が維持される以上にウナギの集団は大きなリスクを抱えていると思います。 シラスの成長過程と接岸のタイミングも合っていないとまずいそうですから、単に流れ着く場所だけの問題ではないでしょうね。 |
ジロー君 | 2005.08.07 | 難しいことは分りませんが、昭和20年代には、日本海から上がってきた鰻の稚魚が(鉛筆くらいの太さと長さ)宍道湖でよく釣れる時期がありました。 また私の友人は、松江城のお堀で竹筒を沈めて鰻漁をしておりました。 したがって、かなりの量の稚魚は日本海にも入っていたと思われます。 素人釣師の体験で役には立たないと思いますが、ご参考までに。 |
山口正士 | 2005.08.07 | ウナギの研究は足元での調査が弱いのではないか、と思います。 産卵場所のミステリーが面白いので、関心がそっちに集中してしまったのでしょう。 ただし、少し前に接岸時期のレプトからシラスに変態する過程などの新知見が続いていましたね。 ヨーロッパではシラスウナギの乱獲が問題になっているようです。 これは間接的に日本人に責任がありますね。 ウナギは河川で上位の捕食者として生態的に重要な地位を占める存在であるという認識があります。 日本では食い物(水産物)としてしか見られていないのでしょう。 日本人の食い意地のせいで、生態系の破壊が海外で進んでいるとして、日本人研究者が肩身の狭い思いをしていると聞いています。 アメリカウナギやオーストラリア、ニュージーランドウナギの場合はどうなっているんでしょうね。アフリカと南米にはウナギはいなかったのかしら。 |
琵琶湖オオナマズ@あくまで、こういうレベルの話になると素人 | 2005.08.07 | 私は学者じゃないので、山口先生と発想が違います。 「食べる」「売る」というところから考えます。 いままで書いてきたことは、基本的に、そうした立場からのものであることをご理解頂けると有り難いです。 > シラスうなぎが黒潮前線付近を流される場合は,対馬を経て日本海にも流され > そうですが、日本海でシラスウナギは捕獲されるのでしょうか? シラスが日本海にも流れていくことは確かでしょう。 日本の地域別の鰻の分布でいえば、日本海側は太平洋側の10%以下だそうです。 それも、能登半島を越えると極端に減少すると言います。 それでも、日本海側の河川にも鰻はいるのですから、シラスもいなければおかしいのです。 日本海側でシラスの採捕が行われているというのは、聞いたことがないですね。 太平洋側の10%以下ですから、やっても商売にならないんじゃないですか。 シラス採捕は、寒い時期に、海に入ってやる仕事ですから、儲からんとやってられないということでしょう。 朝鮮半島では、韓国ではそこそこ採れるけど、北朝鮮ではあまり採れないようです。 (北朝鮮のことは、わからないことが多いですけど) |
山口正士 | 2005.08.07 | > 昭和20年代には、日本海から上がってきた鰻の稚魚が(鉛筆くらいの太さと長さ) > 宍道湖でよく釣れる時期がありました。 > また私の友人は、松江城のお堀で竹筒を沈めて鰻漁をしておりました。 > したがって、かなりの量の稚魚は日本海にも入っていたと思われます。 大変参考になりました。「かなり昔」の情報ですが、最近はどうなんでしょう。 高度成長期を境にして、日本の河川と沿岸の生態系が激変しています。 また、近年起こったハリセンボンの大発生のように日本海側と太平洋側の両方で見られたり、エチゼンクラゲのように日本海を流れて太平洋へは北から回り込んだりしているので、流動するものの出発点と海流の変動の結果では、どこでどうなるか予想がつけにくいと思います。 瀬戸内海沿岸の河川にもウナギはいると思いますが、シラスはやってきているのでしょうか。 沿岸部での稚ウナギの移動もあるだろうし、海にずっといて、河川に上らないウナギもいるようですから、全体的な生態は複雑なことでしょうね。 |
山口正士 | 2005.08.07 | > 私は学者じゃないので、山口先生と発想が違います。 > 「食べる」「売る」というところから考えます。 流通データと生態データのギャップを埋めるためには両方の視点で見比べることが大切ですから、ここでの情報交換は有意義です。 マクロの統計はある程度目安にはなりますが、漁獲データでなくて流通後の最終的なデータであって、しかも表向きである(多分裏にかなりの情報が隠されている)場合は生態とのギャップが大きいですね。 > 日本の地域別の鰻の分布でいえば、日本海側は太平洋側の10%以下だそうです。 > それも、能登半島を越えると極端に減少すると言います。 > それでも、日本海側の河川にも鰻はいるのですから、シラスもいなければおかしいのです。 ふと思ったのですが、河川に上ったウナギがどのくらい定住的であるか、あるいは激しく移動を続けるのか、データはあるんでしょうか。 とにかく川とつながっていない湖沼でも、どこでもウナギは見られる(というより「見られた」)ものである、と記憶しています。 |
琵琶湖オオナマズ | 2005.08.07 | http://www.mitoyo.ne.jp/~fujimaru/turi/unagi/zukan/yo-loxtupa/kaiwa.html ↑ ここ、面白いです。 正しい情報かどうかは判別できませんが、こんなことも書いてあります。 「丹後では昭和30年代に小規模の鰻養殖が行われていたときいています。」 この情報が正しければ、この養殖場の近辺では、シラスを採捕していたとも考えられます。 宍道湖あたりの黒子を運んで養殖した可能性もあると思いますが、採算を考えれば可能性は低いですね。 近くの海辺に寄ってくる稚魚を使っての養殖というのは、よくある形態だと思います。 昔、志布志のチリメンジャコやさんに行ったことがあるのですが、そこでは、海産の稚鮎も採れるんです。 チリメンジャコの漁と加工をやるかたわらで、鮎の養殖もされていました。 |
琵琶湖オオナマズ | 2005.08.07 | > マクロの統計はある程度目安にはなりますが、漁獲データでなくて > 流通後の最終的なデータであって、しかも表向きである(多分裏に > かなりの情報が隠されている)場合は生態とのギャップが大きいですね。 鰻の場合、ご指摘のとおり、公表されたデータの裏に隠されているものが多いと思われます。(たとえば、先のシラスのデータでも、密輸とかがあるらしいし、そういうのが公表値に反映しているのかどうか、、、、とか) そのうえ、生態データ自身が不十分なので、学問的な議論をする上では、かなり厳しいです。 山口先生が別メールに書かれている下記のご指摘は、正しいと思いますね。 > ウナギの研究は足元での調査が弱いのではないか、と思います。 > ふと思ったのですが、河川に上ったウナギがどのくらい定住的であるか、あるいは > 激しく移動を続けるのか、データはあるんでしょうか。 どうなんでしょ。 鰻が陸上を移動しているという話は、よくありますけどね。 私は見たことがないですけど。 > 湖沼でも、どこでもウナギは見られる(というより「見られた」)ものである、 > と記憶しています。 川とつながっていない湖沼にいる鰻は、産卵には行かないのでしょうか。 とにかく、鰻はふしぎなことが多いので、下記のような楽しい議論もできるんで すね。 鰻の産卵場所の仮説 1.従来の南洋海山エリアのみ 2.1の他に他のエリアも存在する 3.1,2を否定し、近海の1箇所 4.近海の複数エリア 5.どこででも 上記は、下記サイトより引用 http://www.mitoyo.ne.jp/~fujimaru/turi/unagi/zukan/yo-loxtupa/kaiwa.html |
宮古島のカニ | 2005.08.08 | > とにかく川とつながっていない湖沼でも、どこでもウナギは見られる > (というより「見られた」)ものである、と記憶しています。 いつ、何を見たのか全く憶えていないのですが、ウナギが川を超え分布を拡げられる理由は、その記事の筆者が目撃した「人の歩く山道をはうウナギ」ではないかというおもしろい推論がありました。 雨中はもちろん、雨上がりや朝露など、十分な水気があれば、陸上を移動可能であるというのですが、いかがでしょうか。 |
久々の金太郎 | 2005.08.09 | 琵琶湖オオナマズさんが、紹介されたウナギ釣のサイトに顔を出していますし、ウナギの話題ですので投稿しますね。 実はご指摘のとおり > 山口先生が別メールに書かれている下記のご指摘は、正しいと思いますね。 >ウナギの研究は足元での調査が弱いのではないか、と思います。 と言うのは大正解だと思います しかし、やっている事は貴重な(変な?)サンプルなど、研究機関や教授の要請で寄付したりもしていますし、「簡易判別係数」でジャポニカと思われない個体なども鑑定していただいてもいます。 そんな繋がりで、去年からは釣師と教授が一緒になって、弱い部分を見直そうと言う事になりました。 最近では移動する個体が多いのか、定着性が高い個体が多いのか、など、各々マーキングしたりして調べようともしています。 今は途中ですが、湾内、河口部を除く、上流域、中流域、止水域では圧倒的に定着性が高い個体が多いという話になりますが、正確な調査ではありません。 (下りがつれ始めてるので・・・) ネットでは弊害が山ほどありますが、何処まで調査できるか私は期待しているんですよ |
琵琶湖オオナマズ | 2005.08.10 | > 雨中はもちろん、雨上がりや朝露など、十分な水気があれば、 > 陸上を移動可能であるというのですが、いかがでしょうか。 そういうのを目撃した人は、結構おられるといいます。 それはそれでいいし、私もそのとおりだと思っているのですが、疑問点は、そこまでの苦労をして(鰻自身は苦労と思っていないのだろうけど)、川から隔てられた池まできたとして、さて、産卵に帰ろうというとき、どうするんでしょ。 産卵に帰らず、そのまま、その池で死ぬのでしょうか? このあたりの疑問が、なかなかすっきりしないところなんですね。 なお、琵琶湖のウナギは、淀川・宇治川・瀬田川がさかのぼれなくなっているので、大阪湾からシラスは登ってきません。 毎年、滋賀県漁連が高嶋の事業所でシラスを育て、放流しているようです。 |
琵琶湖オオナマズ | 2005.08.10 | > しかし、やっている事は貴重な(変な?)サンプルなど研究機関や教授の要請で > 寄付したりもしていますし「簡易判別係数」でジャポニカと思われない > 個体なども鑑定していただいてもいます 金太郎さんが出没されているWebでも、「簡易判別係数」というのが出ていましたが、意味が分かりませんでした。教えて頂ければ有り難いです。 > そんな繋がりで去年からは釣師と教授が一緒になって、弱い部分を見直そうと > 言う事になりました。最近では移動する個体が多いのか、定着性が高い個体が > 多いのかなど、各々マーキングしたりして調べようともしています ご苦労様です。そういう地道な活動がだいじですね。 ところで「交雑種」については、どうお考えですか。よろしければ教えて下さい。 |
金太郎 | 2005.08.11 | >簡易判別係数」というのが出ていましたが、意味が分かりませんでした。 簡単に言うと、ウナギの各部位の長さを測ってジャポニカであるか無いかを見極める計算式です。 しかし、最終的にはDNA鑑定を行なわないと確実ではありません。 ですが、全ての個体を調査すると、費用と時間が掛かりますので、その点では重宝してます。 > ところで「交雑種」については、どうお考えですか。よろしければ教えて下さい。 私個人の意見では、まず無いと思います。 しかし、海に出た産卵群の中にジャポニカに混じってアンギラ種も、数匹(2匹?)だと思いましたが確認されているようです。 本能的にフランス種、またはアメリカウナギがサルガッソに向かうのに途中まで一緒になったのかもしれませんが、非常に気になりますね。 私は、サルガッソに向かうのも本能なら、群れで産卵に向かうのも本能だと思います。 ジャポニカの群れを離れてサルガッソへ数匹で向かうとは納得できません。 産卵行動に入ったら「群れる」と言う本能の方が勝つんではないかと思います。(裏づけはありませんが) じゃあ、なぜ「無いと思う」かと言いますと、日本の川にフランス種(アメリカ種も)が確実に大幅に減ったと実感しています。 今日本に残っているのは、どれも大型の残党がほんの少しだけではないでしょうか。 そうなると、交雑種の出現は数字的に無いのではないかと思います。 今は交雑種と言うより、DNAを使った新しいウナギの分類がどの様に行われるかが気がかりですね 春に問い合わせたら、もう直ぐ塚本先生が公表すると言われたのですが、まだ知らされていません。どなたか、ご存知ないでしょうか? 海外のサイトではすでにウナギの種類が増えていますが、私は語学が苦手で・・・ おっと!また横道にそれました。 |
琵琶湖オオナマズ | 2005.08.11 | > 簡単に言うと、ウナギの各部位の長さを測ってジャポニカであるか無いかを見極める > 計算式です。 しかし、最終的にはDNA鑑定を行なわないと確実ではありません。 なるほど、体形の違いによって、だいたいの判別をしようということですね。 > > ところで「交雑種」については、どうお考えですか。 > 私個人の意見では、まず無いと思います。 そうですか、安心しました。 > しかし、海に出た産卵群の中にジャポニカに混じってアンギラ種も > 数匹(2匹?)だと思いましたが確認されているようです。 そうなんですか。どこで、確認されたのでしょう? 確認されたということは、産卵に向かうルートも解明されつつあるということと考えればいいのでしょうか? > 私は、サルガッソに向かうのも本能なら、群れで産卵に向かうのも > 本能だと思います。 > ジャポニカの群れを離れてサルガッソへ数匹で向かうとは納得できません > 産卵行動に入ったら「群れる」と言う本能の方が勝つんではないかと > 思います (裏づけはありませんが) このあたりの問題は、まだ解明されていないのですよね。 > じゃあ、なぜ「無いと思う」かと言いますと > 日本の川にフランス種(アメリカ種も)が確実に大幅に減ったと実感しています > 今日本に残っているのはどれも大型の残党がほんの少しだけではないでしょうか > そうなると、交雑種の出現は数字的に無いのではないかと思います 昔、養殖場から逃げ出したり、放流されたりしたフランス種(アメリカ種も)が、そのまま大きくなった状態ですね。 フランス種(アメリカ種も)のシラスが登ってきて、川に入り、親鰻になったということではないわけですよね。 そうであれば、交雑もしていないし、産卵もしていないと言えませんでしょうか? まあ、継続的にDNA鑑定を行わないとはっきりしたことは言えないと思いますが。 |
琵琶湖オオナマズ | 2005.08.12 | ニュージーランドより、こんなニュースが入ってます。 http://www.frst.govt.nz/news/2005/Mahurangi_tech-Jul05.cfm FISのメルマガに掲載されていました。 ちょっとだけコピーしますが、転載不可なので、詳しいことは上記の英文サイトをごらんください。 日本では、まだ「商業レベル」にはいってないので、このニュースが正しければ画期的なことですね。 > ニュージランド産ウナギ畜養の画期的な技術 (ニュージーランド) > ニュージランドの<http://www.mti.net.nz/>Mahurangi Technical Institute > (MTI) では、ニュージランド産ウナギ(Anguilla australis)の畜養技術のみなら > ず、商業的数量で人工孵化させる技術を開 > 発した。おそらくはウナギ畜養の研究開発史上の画期的な技術とみられている。 > <http://www.frst.govt.nz/>科学技術調査財団の7月21日付新聞発表によれば、 > ウォークワースを基地とするMTIのウナギ畜養プロジェクトからはめざましい成 > 果が得られたという。この畜養プロジェクトには、MTIのポール・デッカー理事 > (デッカー・コンサルタント社)が舵取りをして、20万ニュージランドドル > (139000米ドル)が投資されている。 > 新聞発表にいたるまでの数週間に、MTIの科学者たちは数千尾のウナギを孵化 > させることに成功した。 > 「これはウナギの畜養が成功した数少ない事例の一つであり、商業的な数量の > 人工孵化に成功したという点では、世界でもはじめてのことと思う」と、 > デッカーは語った。 |
ジロー君 | 2005.08.12 | 面白いレポートで、親の卵から人工孵化に成功したとすると、まさに画期的ですね。 南半球の鰻については、南極探検の白瀬中尉の探検記の中に出ていたのを読んだ気がしますが、この試みが、蒲焼の母国日本で最初にされなかったのが残念です。 鰻の試験管ベビーを食べることになりそうですが、原産地表示はどうなるのでしょうね。 |
愛知県のpinnoおぢ | 2005.08.13 | > 日本では、まだ「商業レベル」にはいってないので、このニュースが正しければ > 画期的なことですね。 別にケチを付けるわけではないのですが、、「孵化に成功」と書いてあるだけで、シラスウナギを作り出したとは書いてありませんね。実際はどうなんでしょうか??? |
山口正士 | 2005.08.13 | 原文を読んだ印象では、シラスはまだですね。 コマーシャルレベルを「商業レベル」と訳すのはいかがなものか、とケチをつけておいて、大きな問題はレプトからシラスに変態する時に大きな山場が待ち構えているのは自明なので、これを越えるまでは水産レベル(あるいは産業レベル)に到達したなどと法螺を吹いてはならないでしょう。 NZでは実験段階ですが、ここまでを低予算でやり遂げたらしいことは評価できます。 日本の水産試験研究機関では担当部署のたらいまわしで、専門にくらいついてハイリスクのプロジェクトに身命を捧げる仕事をさせないし、大学などでは短期的に成績をあげないと研究費も何も来なくなるし、結果、画期的な仕事が出来なくなる態勢を作ってしまっているので、このままでは水産研究では世界に遅れをとります。 |
琵琶湖オオナマズ | 2005.08.15 | 「商業レベル」という日本語訳に注目したのですが、誤訳に近いようですね。 レプトからシラスに変態するところが「商業レベル」になるのは、まだまだ先のようですね。 日本の研究では、すでに20センチ以上のウナギになってますし、日本のほうが有望かと思います。 http://150.26.56.30/~dbmngr/cgi-bin/search/search_detail.cgi?RESULT_ID=570&YEAR=2003 ニュージーランドでも日本の研究は知られていると思うのですが、それにも関わらず、こういうニュースが出てくるというのが疑問です。 |
山口正士 | 2005.08.15 | 日本の水産試験研究の情報発信では、内にこもっているという実態があるので、海外から情報を得るのは難しいでしょう。 国際的に研究情報を発信している水産試験場などは、非常に珍しい存在ではないでしょうか。 少し古い情報ですが、宮崎県のシラスウナギの漁獲データが見つかりました。 http://miyazaki.4zen.jp/011/15/index.html この中で示されているグラフを見れば、シラス漁業のインパクトが想像できます。 |
藤田 | 2005.08.15 | >日本の水産試験研究の情報発信では、内にこもっているという実態があるので >海外から情報を得るのは難しいでしょう。国際的に研究情報を発信している >水産試験場などは非常に珍しい存在ではないでしょうか。 小員もそう思います。 日本の水産試験場には、外国の文献を読もうというレベルの研究者もいないように思いますし、彼らとて水産行政に従事しているのあって、水産研究はしているのかな(過激な発言すいません。)と思っています。 それと、西欧人には長年の畜産から考えても、この種のCultivateには伝統があります。 しかも英語での情報ですから、既に世界中に飛んでいるでしょう。 でも、うなぎをこれほどまでに食べるのは、日本だけですからね。 コマーシャルレベルでのシラスの育苗をやって儲けることが出来るのは、この魚介人でしょうね。 そうすると、これは天然シラスとか、試験管シラスとかの大激論も出てきますね。・・・ |
おかめ | 2005.08.15 | >日本の研究では、すでに20センチ以上のウナギになってますし 拙訳書のあとがきでも書かせていただきましたが、水産総合研究センター養殖研究所の担当研究員の方におききしたところ、今年5月の時点でいちばん大きな人工孵化ウナギは約55センチに達し、40センチ以上に育ったウナギも8尾いるそうです。 これらのウナギを親候補として育てて、人工孵化二代目の誕生を目指しているとおっしゃっていました。 少し前にこちらで話題になった「陸を移動するウナギ」や欧米でのシラス資源保護の取り組みなど、若干ですが拙訳書にも出ておりますので、ご興味がおありの方は、よろしければご覧になってみて下さい。 |
琵琶湖オオナマズ | 2005.08.15 | > それと、西欧人には長年の畜産から考えても、この種のCultivateには伝統があります。 ここの「Cultivate」は、翻訳すると「深めてください」と出ますが、それでは意味がわかりません。 この文脈はどう理解すればいいのでしょうか? > そうすると、これは天然シラスとか、試験管シラスとかの大激論も出てきますね。・・・ どうでしょうか。 ぼくは、その点はあんまり問題にならないのではないかと思っています。 末端消費者が気にしてるのは、「天然」か「養殖」かであって、養殖用の種苗の出所まで気が回りませんよ。 鮎は、もともと湖産と海産があり、冷水病の事もあって人口種苗が加わりました けど、そういうことが話題になっているのは養殖業者レベルだけです。 カンパチの種苗は大半が中国産ですが、これだけ中国産の製品が問題になっていても、カンパチの種苗が末端で問題になることはありませんからね。 まあ、そこまでは知られていないといえば、そのとおりなんですが。 養殖用の種苗で問題になるとすれば、遺伝子操作がされた場合でしょうね。 |
琵琶湖オオナマズ | 2005.08.15 | > http://miyazaki.4zen.jp/011/15/index.html > この中で示されているグラフを見れば、シラス漁業のインパクトが想像できます。 うーーん、これを見る限りでは、、、、、 シラス採捕量の増加により、親鰻が減少したといえそうですね。 下っていく成熟した鰻を捕るのが原因だということの証明にはなりませんね。 |
琵琶湖オオナマズ | 2005.08.15 | おかめさんの本「ウナギのふしぎ」は、興味深く読ませて頂きました。 http://www.fishml.com/unagi/syoseki.htm > 拙訳書のあとがきでも書かせていただきましたが、水産総合研究センター養殖研 > 究所の担当研究員の方におききしたところ、今年5月の時点でいちばん大きな人 > 工孵化ウナギは約55センチに達し、40センチ以上に育ったウナギも8尾いるそうです。 はい。書いてありましたです。 それをWeb上でさがしたのですが、出てこないのであのように書きました。 > 少し前にこちらで話題になった「陸を移動するウナギ」や欧米でのシラス資源保 > 護の取り組みなど、若干ですが拙訳書にも出ておりますので、ご興味がおありの > 方は、よろしければご覧になってみて下さい。 私たちが「なんぼ売れた?」「相場はなんぼや?」「シラスが採れてへん」etc、 日常的にあくせくしている鰻の世界とは、また違った鰻の世界がありました。 「ウナギのふしぎ」 中身の濃い本です。おすすめですよ。 |
藤田 | 2005.08.16 | cultivate には、栽培・培養・養殖の意味があります。 今、皆が普通に食べている牛・羊・豚・鶏等も野生種を改良して出てきたものです。 (長年に亘る 品種改良の成果です。) 鮭の養殖をコマーシャルベースにまで高めたのは日本人ではなく西欧人ですね。 (この養殖鮭と天然鮭の交配で、奇形の鮭がなんて話もありますね。) 僕がお世話になった研究所では、色々な植物プランクトンをタンク培養し、牡蠣他、色々な二枚貝にどのプランクトンが一番効率的な餌になるのか研究していました。 (非常に時間の掛かる、また手間の掛かる実験です。) 温度設定や与え方、与える時期 ETC・・・ 牡蠣なんぞ、そんな研究しなくても世界の何処でも、既に養殖技術としてコマーシャルベースで確立していると云ったら、純粋に生物学的に研究しているとか・・・・ドクトーラ(西語で女性の博士)に怒られました。 その内、素晴らしい新方式による牡蠣の養殖方法が出来るかも・・・ >末端消費者が気にしてるのは、「天然」か「養殖」かであって、養殖用の種苗の >出所まで気が回りませんよ。 >鮎は、もともと湖産と海産があり、冷水病の事もあって人口種苗が加わりましたけど >そういうことが話題になっているのは養殖業者レベルだけです。 そうでしょうか。 鮎でも、天然とか養殖とかで、マーケットにおける消費者の評価は如何でしょう? これまた表示問題もあるのではないでしょうか? >カンパチの種苗は大半が中国産ですが、これだけ中国産の製品が問題になってい >ても、カンパチの種苗が末端で問題になることはありませんからね。 >まあ、そこまでは知られていないといえば、そのとおりなんですが。 僕も知りませんでした。 >養殖用の種苗で問題になるとすれば、遺伝子操作がされた場合でしょうね。 話が飛躍しますが、ARGの自然農法に任せた侭の大豆栽培では、普通種の場合に栽培コスト(肥料や殺虫剤)が掛かるとかで、遺伝種組み換え大豆が大規模に栽培されており、これの最大の買い手が中国です。 まさか、この大豆の加工品が日本には来ていないでしょうね。 (製品となれば 検証できないでしょうね。) |
愛知県のpinnoおぢ | 2005.08.16 | > 少し古い情報ですが、宮崎県のシラスウナギの漁獲データが見つかりました。 残念ながら、ウナギの資源等に関するデーターも知識もないので参加は出来ませんが、上記サイトに書かれている内容について、少しだけ訂正を(というより時代の流れで、現在の状況を説明)させていただきます。 表1 成長段階によるウナギの名称 >養 太 :30〜50cm 80〜150g 成品とも言う。蒲焼のサイズ。 >ボ ク :50cm以上 200g以上 日本では食用にしないが、ヨーロッパでは好まれる。 とありますが、現在では蒲焼きサイズはほとんどが200g以上。 養殖においても、一番作られているサイズは250g前後ではないでしょうか。 もちろん、それ以下を使っておられる鰻屋さんもおられるでしょうが。 現在のこちらの鰻養殖では、餌付けから150日台で上記のサイズまで育てて、出荷してしまいます。 一般的に関東方面が細いもの、関西方面が太い物を使うようです。 余談ですが、中国産ウナギから「マラカイトグリーン」が検出したことで「国産ウナギでも・・・」という書き込みがある掲示板もありましたが、国内では(申し訳ない私は一色しか知りませんが)全く使用しておりません。 使う必要がないからということが一つと、発ガン性があり、残留も非常に長期にわたることが分かっているからです。 ありがたいことに、養殖形態が変化することによってウナギの病気も変化して行き、鰓腎炎や水性菌、鰭赤病、赤点病など、いろいろな病気が発生することがなくなりました。 |