鰻の偽装表示、行政の責任について

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琵琶湖オオナマズ 2004.06.06 この間の鰻を巡る状況について、いくつかの文章を書いたのですが、それをまとめて追加修正し、Webにアップしました。
 http://www.geocities.co.jp/WallStreet/2654/gyouseinosekinin.htm

みなさんに読んで頂きたいので、全文、ここに転載させて頂きます。
みなさんのご批判やご意見を頂けますと有り難いです。
長文です、すみません。
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4月の末に、東京に行きました。
 東京に行ったときは、いつも「デパ地下」や話題になっているスーパー・量販店を見に行くようにしています。
 なぜなら、東京で流行っていることが、そのうち、京都にも流れ込んで来るのははっきりしているのですし、この業界は、流れの先を読み、それにどう対処していくのかの方針をきちっと持っていなければ、生き抜いて行くことが難しいのですから、情報収集が決定的に大事なのです。
 ただ、私のまわりでは、予算もなくヒマもないという理由で、なかなか、そうしたことができない会社や組織も多いのが実態です。
 でも、大事なことは大事なこと、機会をみつけて、足での情報収集に力を入れて頂きたいです。
 私は魚が専門で、中でも鰻に興味があります。(最近は、インターネットのほうにも足を踏み入れていますが、、、)
ですので、店を見るときは、鰻を中心に魚の売場を見ます。
 4月末と言えば、暖かくなって「鰻の売れ行き」が、一つのピークになる時期です。
 この時期の販売状況が、それ以降、夏に入っての品揃えのありかたや売れ行きを占うものともなっているのです。
 そんなこともあって、上野、御徒町、渋谷、池袋などの、名のあるお店の鰻売場を見て回りました。
 その中で、いくつか疑問を感じたことがありますので、そのことを書いてみます。

 4月の末ですから、どう考えても、国内養殖場からは「新仔」が出荷されていない時期なのに、「新仔」のシールを貼った蒲焼きが、二つのお店で売られていました。
 また、以前から「産地偽装」として何度も噂になった蒲焼きが、「現在の国産相場」ではとても売ることができないような安値で、堂々と「国産」表示で、それも、名のあるデパートの地下食料品売り場(テナント)で売られていました。
 上野のアメ横の魚やさんに、こうした商品が並んでるのでしたら、私も「さもありなん」と納得するのですが、日本を代表するいくつかのデパートで売られているのですから、無視できることではないと思いました。

 上では、「東京での季節はずれの新仔鰻」のことを書きましたが、これが関西にも出回っているのがわかりました。
 5月中旬過ぎのこと、私の友人があるところで買ったのが「新仔380円」という表示の小さめの蒲焼きでした。
 私は、「そんなあほな・・・まだ、新仔は、九州も三河も出てへんで」ということで、これが「怪しい鰻だ」という話になったわけです。
 東京で起こっていることは、ほどなくして京都でも起こるという実例です。

 「日本養殖新聞」さんが、「中国産の鰻蒲焼をリパックして販売している」という報道をされたのは、2000年の9月5日号でした。
私はこれを見て、鰻業界として、そういった商品が出まわっていることを、はっきり認めたということで、画期的だと思いました。
 それで、この問題を私が主催しているfishmlに投稿し、会員の皆さんに議論していただきました。
 fishmlの会員さんは、川下の消費者から川上の養殖業者、その間にいる各段の流通業者や加工業者、さらに研究者や釣り人などなど、いろんな立場の方がおられますので、当然、さまざまなご意見が出てくるわけです。
 現状肯定の人もいれば怒ってる人もいる。そうしたご意見をまとめて、下記のホームページに掲載しました。
 鰻の偽装表示問題が社会的に問題になった端緒は、ここからなのです。
  http://www.fishml.com/uonoryutu/ripakkuunagi.htm

 あれ以来、もう3年半もたっています。
 この3年半の間に、「偽装表示」などの誤魔化しについての世間の目は、非常に厳しくなりました。当然のことだと思います。
 しかし、こと「鰻の偽装表示」に限っていえば、テレビ・新聞などで色々と報道されてきましたが、いまだにその根を絶つことができていません。
 それどころか、不景気が浸透する中で、末端小売業者の経営悪化が進み、会社をつぶしたくない、なんとか利益を出したい、という当たり前の願いにつけこむ形で、悪辣・巧妙な手段が使われるようになってきたと思います。
 この状況について、私が問題に思うのは、行政がこうした消費者騙し、不正に対して、その根絶を目指して強力に取り組んできたかどうかということです。
私が、一消費者として見た感じでは、とても本気でやっているように思えません。
 昨年でしたか(一昨年だったか?)、行政は「土用の丑」の前に、メーカーや小売店に点検に入り、結果的に「最盛期である商売の邪魔をした」ようなかっこになってしまいましたよね。
 それ以降も、我々が見ることのできる「小売店の売場」では何もかわらず、あいかわらず「怪しい鰻」が売られているのが現状で、業界の状況は改善されていないのです。
 業界で、「あれはなーー、****や」と、苦々しく語られているにもかかわらず、実際、手つかずで、同じような偽装表示商品が繰り返し出回っているのが実態なのですからね。
 問題の抜本的解決を図るためには、「嘘つき食品から消費者を守るガードマン」としての役割を、行政が本当に消費者の立場に立って「強力」に果たしていく事ができるかどうかという点が、問われていると思います。
 それが実践をされれば、鰻業界の健全な発展にもつながるのではないかと思います。行政の責任は重いですよ。

 この間、負の話題で有名になった二つの企業。三菱自動車のクレーム隠しと鳥インフルエンザの浅田農産。
 こうした問題を起こした企業や業界は、それぞれで「村社会」を形成しています。
 結果として浅田農産は会社解散。三菱自動車は次々とリコール隠しが発覚し、会社の存立自体が危うくなりそうな状況になっています。
 「村社会」の中だけで通用するルールが世間に通用しなくなり、世間から糾弾されているのです。
 鰻業界について言えば、「業界の常識は世間の非常識」というのが、まだまだ、大手を振ってまかり通っている世界ですし、そういう意味では立派な「村社会」だと思います。
 である以上、三菱自動車や浅田農産の件を「対岸の火事」視せず、自らの問題として捉えることができるのかどうか、業界として厳しく問われていると思います。

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以上、ここまでお読み下さり、ありがとうございました。
関根@日フレ編集長 2004.06.06 水産業界で20年。 しかし、水産業界から足を洗いました。
今回のこの投稿ですが・・・どうも、この業界は景気が悪くなるとすぐ「行政やら納品業者」に責任転嫁したがると思います。
それと、「消費者を守る」とか言ってますが、販売しているのはスーパーでないですか。
スーパーに「非」は無いのですか?
私も日本全国スーパーの仕入れ担当者と商売をして来ました。
スーパーの担当者は相当量の情報を持ってます。これは事実です。
なのに「なぜ偽装表示するのですか?」 そう、こちらがそう聞きたい!
知ってるくせに「知らないふりをしてるだけ」と違いますか?
箱に「MADE IN CHINA」と書かれていても、シャーシャーと「国産」と販売している店の多い事。
言い訳は「納品業者から国産と言われた」、「日本語で書かれてなかったので解らなかった」、こんな言い訳が、まかり通るわけ?
それでいて、納品業者・行政に責任転嫁しているに過ぎない。
スーパー納品業者の「悲劇の声」を聞いてください。
今回消費税5%が内税になりました。
スーパーは「消費税取りません」と言ってますが・・単に納品業者に5%値引きを強制しただけと違いますか?
築地の仲卸の荒利率は10%も有りません。
スーパーは50%取ってるではないですか!
もう、いい加減に「知らんふり」は止めませんか? 本当の意味で、消費者の為!
琵琶湖オオナマズ 2004.06.06 > どうも、この業界は景気が悪くなると
> すぐ「行政やら納品業者」に責任転嫁したがると思います。

あ、それはちょっと違います。
僕は、そういう立場で書いたわけではないですよ。
関根さんが書かれているように、「偽装表示」は、メーカー段階も、販売店段階もありますからね。これを「取り締まれる」のは、行政だけだといいたいのですよ。

> 「消費者を守る」とか言ってますが、販売しているのはスーパーでないですか。
> スーパーに「非」は無いのですか?

スーパーでもいろいろあるわけで、みんながみんな、偽装表示をしているわけではありませんよ。

> 私も日本全国スーパーの仕入れ担当者と商売をして来ました。
> スーパーの担当者は相当量の情報を持ってます。これは事実です。

事実でしょうね。
私のような、ローカルでやってた人間でも、そこそこ情報が入っていたのですから。

> 知ってるくせに「知らないふりをしてるだけ」と違いますか?
そういうところもあるかもしれませんね。
しかし、これからは、そういうことが明らかになったら、社会的に葬られるようになります。
すでに、牛肉の偽装表示などでは、そのような例がありますよね。

> 箱に「MADE IN CHINA」と書かれていても、シャーシャーと「国産」と販売している
> 店の多い事。言い訳は「納品業者から国産と言われた」
> 「日本語で書かれてなかったので解らなかった」、こんな言い訳が、まかり通るわけ?

こういうのは論外でしょう。
僕が書いてるのは、こういうのは行政がきっちりと取り締まる必要があるということです。
「それが実践をされれば、鰻業界の健全な発展にもつながるのではないかと思います。」と書いているのは、そういう意味を含んでいます。

> スーパー納品業者の「悲劇の声」を聞いてください。
> 今回消費税5%が内税になりました。
> スーパーは「消費税取りません」と言ってますが・・
> 単に納品業者に5%値引きを強制しただけと違いますか?

これには反論があります。
以前にも書いたのですが、小売りもメーカーも中間流通も、売れなければ困るわけです。
5%が内税になって、それをそのまま「総額表示」すれば、値頃をはずしてしまうのですから、売れなくなることは、まあ、事前に、ほぼ分かっていたことですよね。
売るためにはどうすればいいのか。
「総額表示」で値頃の価格とする。つまり、実質5%の値下げです。
この値下げ分をどこが負担するのかという問題ですが、それを一方的にスーパーに求めるのですか。そうはならないでしょう。
メーカー・流通・小売りが共同して、「総額表示」で値頃感のある商品を作ること、それが大事だと思いますよ。
メーカーや中間流通が、そのことを理解していないとしたら、それは、状況に対応できていないと言わざるを得ないと思いますね。
もちろん、スーパー側が「単純に5%の値下げ」を要求するのは、明らかに間違いだと思いますけどね。

> 築地の仲卸の荒利率は10%も有りません。
> スーパーは50%取ってるではないですか!

50%のところも30%のところもあるでしょう。
売るための設備がどれだけ高いかということもありますので、単純に利益率の大小だけでは判断ができないと思うのですが。

> もう、いい加減に「知らんふり」は止めませんか?本当の意味で、消費者の為!
私も、そう思いますよ。

業界人からの反論やご意見が出てきたら嬉しいな、、、、と思ったりしています。
もちろん、消費者のご意見も大歓迎です。
のちゅ 2004.06.06 > スーパーでもいろいろあるわけで、みんながみんな、偽装表示をしているわけではありませんよ
*私のところではそのようなことはやっていません!
産地などわからないときは(中卸から表示が伝票に載ってきてないとき)、産地は入れていません。
これがいいかどうか解りませんが・・・(いいわけないですよね?うそをつくよりいいかな?という程度です。)
いいかげんですみません!

> > 私も日本全国スーパーの仕入れ担当者と商売をして来ました。
> > スーパーの担当者は相当量の情報を持ってます。これは事実です。

> 事実でしょうね。
> 私のような、ローカルでやってた人間でも、そこそこ情報が入っていたのですから。

*一応それなりの情報は聞いています。
でもそれは中卸やら、荷受、メーカー、同業者、このMLからです。

> > スーパーは「消費税取りません」と言ってますが・・
> > 単に納品業者に5%値引きを強制しただけと違いますか?

> 「総額表示」で値頃の価格とする。つまり、実質5%の値下げです。
> この値下げ分をどこが負担するのかという問題ですが、それを一方的にスーパー
> に求めるのですか。そうはならないでしょう。

*ほとんど当店が負担しています。
おかげさまで先月度の荒利が非常に悪く大目玉を食らいました!(悲しい)

> メーカー・流通・小売りが共同して、「総額表示」で値頃感のある商品を作ること、
> それが大事だと思いますよ。
> メーカーや中間流通が、そのことを理解していないとしたら、それは、
> 状況に対応できていないと言わざるを得ないと思いますね。

*ところが!市場の方では従来どうりの外税です!
今までとなんら変りはありません!
従って、そのまま原価に5%上乗せしたものが当店の原価となっています。
そこからの値入となりますので、今までぎりぎりの値入でやってきた物ですから利益は5%減っています。値ごろ感って非常に大事ですよね!
当初はそのまま売価に5%乗せていたところは売上が悪くなってきている為、元にもどしつあるようです。
皆さん、今まで398円だった物が、412円と400円の大台に乗ってしまったらどう感じますか?結局、払う金額は同じなのですけど・・・

> > 築地の仲卸の荒利率は10%も有りません。
> > スーパーは50%取ってるではないですか!
> 50%のところも30%のところもあるでしょう。
*50%!!??そんなに取れていたら何も悩みませんよ!!
中には取れるものもありますが、それには原体を加工して加工して、手間隙かけてやっと取っているのです。捨てるところもありますし。
中卸さんは、ほとんど右から左に動かすだけなのでは?それもほとんど箱ごと!
まあいろいろあるでしょうけど。
このことについては、当店が中卸について感じていることですけど(自分の仕入れてい
る中卸ですけど・・・)
関根さん、オオナマズさん、気に障ったらごめんなさい!!
ただ自分の周りの対応と、皆さんが言っていることと大きな開きがありましたので・・・

> > もう、いい加減に「知らんふり」は止めませんか? 本当の意味で、消費者の為!
> 私も、そう思いますよ。
*賛成です!!
店の中でよく説明してます。お客様に。
鰻のことに関しても、外国産のマグロに関しても、外国産の商品にイチャモンつける人には特に厳しく!!
琵琶湖オオナマズ 2004.06.07 > 産地などわからないときは(中卸から表示が伝票に載ってきてないとき)
> 産地は入れていません。これがいいかどうか解りませんが・・・
> (いいわけないですよね?うそをつくよりいいかな?という程度です。)

これは、仲卸、もしくはその前の大卸段階が問題ですね。
小売りとしては、仕入れ先からの情報がなければ、表示しようにもできないですよね。
産地の書いてない商品は仕入れないよ、、、という強い態度でいられればいいですが、ローカルではなかなかそうもいかないでしょうから。
やはり、こういう現象が起こるのも、制度に欠陥があるのか、行政の点検が不十分なのか、どちらかでしょう。
産地を表示すると言うこと自体は、問題はいろいろありつつも、消費者にとっては良いことなのですから、制度上に欠陥があるのなら、少しずつでも修正して頂きたいものです。
行政の点検については言わずもがなで、「法律を作って、あとは知らんよ」という態度では行政としての責任は取れないと思いますね。

> *一応それなりの情報は聞いています。でもそれは中卸やら、荷受、メーカー、
> 同業者、このMLからです。

全国的に展開している量販店のバイヤーなら、相当な情報を持ってると私も思いますね。そういう量販店なら、情報を売って商売をしている人ともつながりがあるし、情報組織自体を社内に持ってるというところもあるでしょう。ですので、関根さんのご指摘は正しいですよ。

> > スーパーは「消費税取りません」と言ってますが・・
> > 単に納品業者に5%値引きを強制しただけと違いますか?

> *ほとんど当店が負担しています。
> おかげさまで先月度の荒利が非常に悪く大目玉を食らいました!(悲しい)

大手の量販店と、ローカルや地域のディスカウントショップなどでは、仕入れ先との力関係が違うのですよね。関根さんのご指摘は、大手の量販店のことでしょう。

> 皆さん、今まで398円だった物が412円と400円の大台に乗ってしまったら
> どう感じますか?結局払う金額は同じなのですけど・・・

チラシやお店のPOPに表示されている価格が、従来は「本体価格 198円」とかいう、いわゆる値頃感のある価格表示だったんですよね。
これに、レジで5%の税金を加算されて払っていたわけです。
現在は、POPの表示が「税金込み」になってますから、結局、払うお金は同じなんですが、「なんか、高いような気がする」んです。
これは、理屈の問題ではなく「感覚」の問題なので、どうしょうもないですね。

> *50%!!??そんなに取れていたら何も悩みませんよ!!
> 中には取れるものもありますが、それには原体を加工して加工して手間隙かけてやっ
> と取っているのです。捨てるところもありますし。

全く、そのとおりだと思います。
何もせずに、50%も取れたら(100円で仕入れたものを、そのまま陳列するだけで、200円で売れる)、もう、我々は左うちわで過ごせます。(^_^;)
この点でも、関根さんのご指摘は、大手の量販店のことだと思います。

> > もう、いい加減に「知らんふり」は止めませんか?本当の意味で、消費者の為!
> *賛成です!!
ほんとの悪徳業者でないかぎり、みんなそう思っておられるでしょうね。
オバQ 2004.06.07 ちょっと緊張気味の投稿です。
まず、ウナギの偽装表示というといくつかパターンがあります。
それをきちんと説明しなければならないでしょう。

その1
海外産の冷凍蒲焼を工場内(工場かどうかも疑わしいですが)でつめかえ、小分けした形で出荷する。勿論「国産」または「●●産」となります。


その2
海外から輸入された生きたウナギ、いわゆる活鰻を国内の加工場で加工し、それを「国産」、または「●●産」で出荷します。


その3
海外から輸入された白焼、または半加工の状態のウナギ蒲焼を国内の加工場で加工し
ます。勿論それを「国産」、または「●●産」で出荷します。


その4
海外から輸入されたウナギを仕入れた小売店で「国産」として販売してしまう。


このいずれもが、業界で起きている偽装表示のパターンです。
「その4」は非常に少ないケースだと思います。「その2」「その3」は、また後で説明します。
この中で、一番悪質なのは「その1」でしょう。加工すらしていませんから。
でも、なぜか、原料の産地証明(活鰻問屋から出されたもの)がでてきます。
でも、その加工場では煙も出なければ骨や肝も出ません。
ましてや、そこにある包丁はウナギ用の包丁ではなく、スーパーで売っている家庭用の包丁です(この意味はまた別の機会に説明します)
しかも、中国産レベルの安さで出てくるものもあれば、国産と同等の水準の価格帯で出まわるものもあります。
後者の方を見分けるのは難しいです。何せ中国の加工技術は非常に高くなっています。
粗悪品は別ですが、品質がどうこうで見分けられるレベルではないですよ。
加工のプロの方でもわかんないんじゃないですか?

要は、小売店だけの問題ではないのです。
産地問屋を通じてメーカーから原料原産地証明まで出てくれば、小売店も信頼せざるを得ないのでは?
ただ、小売店で納得いかないのは、どう見ても自分のところで売っている中国産と同じ価格帯であることは明らかで、他の国産と価格に大きな開きがある疑わしい商品でも「『証明書』さえ出てくればいいんだ」という考えで販売してしまうことです。
「企業努力の賜物でしょ」といった小売店の経営者がいました。
企業努力で、キロ単価1000円変わるものですかねぇ。
かといって、詰め替えて国産と同様の価格帯で売っても頭にきますがね。

もし、私の認識で間違いがあればご指摘いただけるとありがたいです。
琵琶湖オオナマズ 2004.06.07 > その1
> 海外産の冷凍蒲焼を工場内(工場かどうかも疑わしいですが)でつめかえ、
> 小分けした形で出荷する。勿論「国産」または「●●産」となります。
> 中でも悪質なのは「その1」でしょう。加工すらしていませんから。
おばQさんがおっしゃるように、僕もこれが一番悪質だと思います。
中国産の完成品の冷凍蒲焼を箱から出して、トレーにのせてパックするだけなんですよ。そして、「**湖産」とか、「***川産」とかのシールを貼るんです。
それだけで、値段が倍ほどになるんです。濡れ手でアワの商売です。
いや、商売と言えない。詐欺ですよね。
こういうのをのさばらしておいたら絶対にダメなんです。
これを、行政がなんとかしなければ、誰がするんでしょう。
行政の重大な責任だと思います。

> 他の国産と価格に大きな開きがある疑わしい商品でも
> 「『証明書』さえ出てくればいいんだ」 という考えで販売してしまうことです。
> 「企業努力の賜物でしょ」といった小売店の経営者がいました。
> 企業努力でキロ単価1000円変わるものですかねぇ。

こういう経営者は論外ですよね。
鰻以外でも、同じようなことをやってるんでしょうね。
関根@日フレ編集長 2004.06.07 行政は所詮、机上の空論。
そんなものに、複雑な流通システムに対応できる訳無い。
店頭で「偽装表示」を見つけても、何も出来ないでしょう。
まず、スーパーは「納品業者に責任転化」、納品業者はその先の「仕入業者に責任転化」、仕入業者・・・と続く。
「問答無用!発見したら現行犯でスーパーから50万」、そうすれば、だいぶ変ると思いますが・・・

私がスーパー対応の納品業者を辞めたのは、多くのスーパーの仕入れ担当者が価格最優先・品質2の次ぎ3の次ぎ。それと、マニアル仕入。
「うちは98円で販売するから、50円で納品して」、これで商談終わり。
商談中は他社の見積書と比べるだけ。こんな商売に嫌気がさした。

でも、今でもスーパーで買っている事は確かです。
「所詮このスーパーのレベルではこんなもん・・」と割り切って。
琵琶湖オオナマズ 2004.06.07 まあ、そういうやりかたもあると仮定して・・・

> 「問答無用!発見したら現行犯でスーパーから50万」
> そうすれば、だいぶ変ると思いますが・・・

それを、誰がするんですか?
僕は、行政しかないと思うんですけどね。

> 「うちは98円で販売するから、50円で納品して」、これで商談終わり。
> 商談中は他社の見積書と比べるだけ。
某***ーなんかは、そうなのでしょうね。
白浪@舞鶴 2004.06.07 > 鰻以外でも、同じようなことをやってるんでしょうね。
アサリとカキもひどいようですね.
カキどころの某県では,カキの産地を特定するために、和歌山の毒物カレー事件のヒ素分析で話題になったSPring-8(大型放射光実験施設)の利用も検討しているとか。
で,不思議なのは加工品はともかく,生ものの輸入は厳しい検疫を受けているはず...どこの国から誰が輸入したかも全部分かっているはずなのに,その情報は全く活かされていない.
もちろん,プライバシーや企業秘密は保護されなくてはいけませんが,これだけ不当表示という犯罪が横行しているのに、情報がまるで活かされてないのでは....どの業者がどれだけ中国産ウナギを仕入れ,それを国内産と偽って販売したかなんて、司法当局がその気になれば訳もなく調べられそうに思うのですが,そんなことを調べるほどヒマではないのか,まともに調べると水産流通業界は無茶苦茶になるのか?
ところで,社会的な問題も大事なのですが,特に水産物の生もの輸入は,外国の生物を国内に大量に持ち込んでいるらしく,生態系に与える問題もかなり深刻です.
関根@日フレ編集長 2004.06.07 > それを、誰がするんですか?僕は、行政しかないと思うんですけどね。
やってる諸外国は沢山有ります。
ものすごい、権限を与えられた第3機関が行ってます。
1番厳しいのはアメリカのアラスカ州でしょう。
罰金どころか、営業停止3日間。全くの抜き打ち、しかも私服調査員。
担当者が文句を言うと・・水戸黄門の印籠のごとく証明書を出して、すべて終わり。
これが、生産者である漁師から、加工場、販売店まで!
私も捕まった・・・いや、厳重注意された事が有る!
日本じゃ・・・すぐ「人権問題」を出してくる団体が多いから。
「人権よりルール」を打ち出すかどうかじゃ無いかな?
のちゅ 2004.06.07 関根さんの言っているのはやはり大手なのでしょうね。
大手になるとバイヤーさんは自分の力で売れていると勘違いしやすくなるようです。
ほとんどの人が大柄な態度になりがちだと思います。よくないですよね。
もし、そのバイヤーがローカルなお店に来て取引をお願いするとしたら、同じ態度でできるでしょうか?そんなことをしたらどこからも相手にされなくなると思います。
中卸、荷受、メーカー、スーパー、どこも商売なんですから、持ちつ持たれつだと思います。無理をすればどこかで抜かれますよ。
要は人間同士なんだから、信頼関係しかないと思いますが?
消費者に対してもそうだと思います。
売ってやっている!。買ってやっている!なんて思っていたら大間違い!!
こんな態度の人おおいとおもいます。
自分が関係ない商売のところでお客としていったときには気をつけているつもりですけど・・・
全くのサラリーマンの人に多いと思います。お客面するひと。
どこかでその人も売る側になっているはずなんですけど(間接的に)・・・わからないんだなぁこれが!
もし自分が反対側だったら?なんて考える人少ないですよねぇ!
もっと思いやりを持たなくては!
関根@日フレ編集長 2004.06.07 私は最高、某ハムメーカーの水産部門で、年間200数十回商談してました。
もちろん大手も有りましたが、多くが、地方1番店ですね。
それと3チャンスーパーも数多く商談しましたよ。
最近の傾向は、零細スーパーも、大手スーパー並みの事を言って来ますよ。
それでいて、倒産した時は「・・・・」、大手は完全マニアル。
中小零細は、メチャなりふり構わず。
まぁ、最悪はコンビニですけどね。
まだ、陰でやってると思いますよ99%赤伝。
私も1度拒否したら「出入り禁止」を喰らって・・・「他の部署に迷惑かけた」と、会社からは始末書。それ以来、コンビにはコピーとNTTの支払い以外利用してません。
のちゅ 2004.06.08 前に築地のレポート楽しく拝見させていただいておりました。
4月に築地の方へ見学しに行ってきました。
そのときに「これが関根さんが言っていた○○なのか」と関心してました。
ところで、、、、
そーなんですか!コンビニなんですか!
なんか、自分とこだけ儲かればいいみたいな感じですね!
消費者はありがたいかもしれませんが・・・しかし、コンビニを利用する人って安いから行くなんて人いますかね?(実際は少しも安くない!)
同じものがスーパーに売っていたら、ずっとスーパーの方が安いはずなんですけど・・・なんでそんなに叩くのでしょうか?経費がかかりすぎなのでしょうかね?
卸がつぶれたら困るのは自分達なのではないでしょうか?
自分に跳ね返ってくるのに!
【山形】さとう 2004.06.08 > で,不思議なのは加工品はともかく,生ものの輸入は厳しい検
> 疫を受けているはず...どこの国から誰が輸入したかも全部
> 分かっているはずなのに,その情報は全く活かされていない.
本題とはそれますが、私もこれはKHVの時に感じました。
昨年5月の時点で、FishMLに鮎屋さんから鮎屋さんのユーザの方からの質問という形で、岡山での鯉の大量死の投稿があり、海童さんが魚病センターで直接聞いてこられ、私にもDMをいただけるようにお願いした事があります。
11月に霞が浦で大量死が確認された後に、これもKHVである事が確認されました。
KHVは鯉のみの魚病ですが、食用鯉は国内生産量が100%で輸入はされていません。
しかし、半年以上たった今でも、どの様にして国内に持ち込まれたかは発表されていません。
今となっては魔女狩りをするつもりはありませんが、誰が持ち込み、無病証明書はしっかりしたものであるのか、当事者にすら情報は明かされていません。
農水省が調査しているのかも疑問があります。
多田尚弘@東京都調布市 2004.06.08 >やってる諸外国は沢山有ります。
>ものすごい、権限を与えられた第3機関が行ってます。

なるほど。それはすばらしいですね。
消費者としては「偽装品を売ってた販売店から無条件で罰金50万円」っていうアイディアには大賛成です。
もちろんホントにだまされていた販売店さんもいると思います。
なので、もし販売店さんが善意の第三者的な被害者だった場合、購買時の国産表示証拠を提示すればその罰金は卸業者へ、そこもだまされていたならさらに大元の加工業者に科せばいい。
ただし、購買時の国産表示証拠を提示できれば罰金を免除としたらザル法です。
まず無条件に販売店に罰金を科す。
だまされた証拠が提示されたら、その卸業者に罰金を科す。
卸業者からの罰金が支払われたら徴収した販売店に返金する。
以下同様に加工業者か輸入業者か詐欺の大元まで追求する。
ミソは、まず直接販売し店を置いては逃げられない販売店から確実に徴収し、偽装に関わった業者のどこかからは必ず罰金が徴収されているという点です。
「わしも被害者や」と「わしもや」「わしもや」と進むうちに、大元にたどり着く前に不明になってしまう可能性が限りなく低くなりますから。
「わしは被害者や」と証拠提示だけで済んでしまったら、痛みゼロです。
自分が痛い思いをせずに、うまい汁だけ吸っていて真剣に追求するか?
しないでしょう。そしてまた証拠揃えに気を配って甘い汁を吸うでしょう。
でも50万円という罰金は半端ではありません。小さな店なら傾きます。
偽装品の販売で得る、ささやかなあぶく銭など飛んでしまいます。
購入した元の証拠があるからと、あきらかに偽装品とわかる品を扱うのも自粛するようになるでしょう。必然的に信頼できる業者を選ぶ事になります。
卸業者にしても50万円の罰金がかかれば真剣さは同様でしょう。
あそこからの品は儲けにつながるからとか、袖の下をもらっているからと、調査に積極的に協力せず、うやむやになるのを任せることも無くなるでしょう。

>1番厳しいのはアメリカのアラスカ州でしょう。罰金どころか、営業停止3日間。
>全くの抜き打ち、しかも私服調査員。
>担当者が文句を言うと・・水戸黄門の印籠のごとく証明書を出して、すべて終わり。

営業停止3日間が妥当かどうかは別問題ですが、そのくらいのシステムにしないと効き目はないでしょうね。

>これが、生産者である漁師から、加工場、販売店まで!
>日本じゃ・・・すぐ「人権問題」を出してくる団体が多いから。
>「人権よりルール」を打ち出すかどうかじゃ無いかな?

この「人権」も矛盾だらけですよね。
本来重視されるべきは「被害者」の、また「まっとうな人間」の人権です。
正当な理由無くそれに被害を与えた「加害者」の人権をなぜ保護するのか?
まぁ「拷問はしない」程度の人権は認めますけど、被害者の被害が補償され正当な人権が回復した状態に到るまでは、加害者の人権は最低限しか認める必要は無いと思います。

> > 中でも悪質なのは「その1」でしょう。加工すらしていませんから。
>おばQさんがおっしゃるように、僕もこれが一番悪質だと思います。
>中国産の完成品の冷凍蒲焼を箱から出して、トレーにのせてパックするだけなん
>ですよ。そして、「**湖産」とか、「***川産」とかのシールを貼るんです。

詐欺以外の何物でもないと思います。
そんなヤツらに正直者と同等の人権を認める必要はないでしょう。
上で書いたような罰金50万円制度を、厳密に適用すればいいんです。
1回の証拠で50万円、10回分なら500万円、100回分なら5千万円。
まぁ払えるわけ無いけど、払い終わるまで刑務所で強制労働させればいい。
そのくらい厳しくすれば詐欺も無くなるでしょう。
ちょっと恥ずかしい話だけど、私自身罰金が30万だか50万だかに変わってから、酒気帯び運転しなくなりましたもの。
保護をするなら、真面目に精一杯やっている人でしょう。
いかがわしい事をしているヤツらが儲けて、たまに見せしめで捕まっても、収支を見ればまだトータルでは儲かっているなんて間違ってますよ、絶対。
「正直者が馬鹿を見る」現状はどうにかしたいですね。
スガヤガラ 2004.06.08 行政の責任は重いと思いますが、この国の行政が責任を取る機能を持つまで、すくなくとも数10年はかかると思います。
うなぎにかぎらず、漢方なんか同じものを健康食品原料で輸入すると、残留農薬などうるさく調べられるのに、漢方薬原料で輸入する分には野放し状態だそうです。
そんな行政に期待するより、消費者が賢くなるのが最善だと思います。
浅田農産でたとえると、悪しき商習慣で祖父は自殺、父親は閉店、再出発した孫の代で商道徳確立(仮定)みたいな、熟成した商道徳への新陳代謝を促す消費者の知恵に期待します。
琵琶湖オオナマズ 2004.06.14 標記の問題について、「行政はあてにならないから、消費者が賢くならなければいけない」という論理と、「相当な強制力を持たせて、末端から告発すべき」という論理の二つが出ています。これについて考えて見ました。

具体的に、鰻のことがでているので、それから考えてみましょう。
[fish 8714] でオバQさんが書いておられますが、鰻の偽装は非常に巧妙になっており、「品質がどうこうで見分けられるレベルではないですよ。 加工のプロの方でもわかんないんじゃないですか?」ということです。
こういうのを、消費者がどうしてみつけることができるのでしょうか。
少々、消費者が賢くなったとしても、消費者だけでは無理だと思います。

「相当な強制力を持たせて、末端から告発すべき」という意見についてですが、こういう機関を作り活動させること自体、司法なり、行政なりが行うわけで、そのことを無視した議論は意味が無いと思います。

専門的な情報や知識を入手できるのは、行政機関や司法機関であって、そこが動くことが決定的に大事なわけで、それを動かせるために消費者が声をあげていく。
そういう関係にならなければいけないのではないかと思うのですが。

別の面から言いますが、人間は、基本的に「社会に役立つこと」をしたいと考えていると思います。
行政機関で働いている方は、このMLにもたくさんおられます。
このMLでの今までの議論は、言ってみれば「お前らのやってることは全くなっとらん、頼りにならん」とバカにしているようなことだと思います。
これはよろしく無いのでは、と私は思います。
あなた方が頑張ってくれることによって、消費者の権利が守られるのですから、今以上に力を出して下さい、頑張って下さいと、激励したほうが良いと思います。
行政機関で働いておられる方も消費者の一人であり、そういう意味では、偽装問題などについては、同じ思い(というより、もっと強い思い)をしておられると思うのですが。

さらに、別の面ですが、「相当な強制力を持たせて、末端から告発すべき」という論理ですが、これも問題があると思います。
この論理では、意図的であろうと無かろうと、偽装表示商品を扱っていたら処罰されるわけです。
先にも書いたように、偽装表示商品は非常に巧妙になっています。
鰻の専門家でもわからないのに、専門家でない小売店の親父さんが、偽装を見破ることができるのでしょうか。無理だと思います。
そして、小さいお店、資本力の小さい企業ほど情報力は弱いですから、そういう企業が騙されやすいし、そこが摘発されれば、企業の存続自体に影響が出る可能性があります。最悪、倒産に至るかもしれません。
これでは、本来の意図はどうあれ、「弱いものイジメ」にならざるをえません。

この間の、三菱自動車の問題やハンナンの問題を見てみても、決して「消費者が賢くなったから摘発された」わけでは無いのです。
行政や司法機関の、敢えて言えば「良心的な部分」が正しく動いたから、摘発されたのです。
もちろん、背景として、世論の盛り上がり、別の言葉で言えば「消費者・国民の圧力」があったわけですが。

以上、この間の議論について、今の私の考えを述べました。
みなさんのご批判を期待しております。



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