ドナルドソンの疑問解明

投稿者 投稿日 投稿内容
釣魚食人@愛知 2000.05.25 私が何時も見る釣り堀のHP  http://www.tcp-ip.or.jp/~3arrows/  で以下のような質問がありました。 本日は海堀通の皆様に教えて頂きたいことがあります。
最近(特に兵庫県で..)ブリヒラとドナルドソンという魚が入っているとのことですが、ブリヒラは大体予想は出来ますが、ドナルドソン 何者ですか...
この2種のお魚クンたちの正体と生い立ちと性格をご存知の方教えて下さい。
また釣り方、どこに行けば釣れるか等も教えて下さい。
各ジャンルで、お魚プロの皆様でしたら、御存じないか思い書き込みます。 よろしく、御願いします。
坂巻 2000.05.25 ブリヒラは、ブリとヒラマサ交配させたもので、ドナルドソンは、ドナルドソンニジマスの事だと思います。  
確かニジマスとスチールヘッドというニジマスを交配させたものだと記憶しています。  
成長が早いのが特長だと読んだことがあります。
久々の落塵 2000.05.25 ドナルドソンについては望月さんに聞いたらよいですよ。  http://www.neco.ne.jp/user/sinanoya/
釣魚食人@愛知 2000.05.26 坂巻さん、落塵さん、ドナルドソンの件、有り難うございます。
早速、海の釣り堀の掲示板へ書き込みました。
質問者から、御礼の書き込みが有りました。
頼りになるfishmlです。これからも宜しくお願いします。
田辺@静岡 2000.05.27 >  ドナルドソンは、ドナルドソンニジマスの事だと思います。
>  確かニジマスとスチールヘッドというニジマスを交配させたものだと記憶しています。
>  成長が早いのが特長だと読んだことがあります。
これはちょっと変な気がするのですが。
スチールヘッドはニジマスの品種というようなものではなくて、ニジマスの降海型の筈。
先程リーダーズ英和辞典で調べてもそう書いてあります。
日本で放流されているイワナやアマゴ、ヤマメのように、各地の水産試験場などで品種改良されたものというのが無難なところなのではないでしょ うか。
ちなみにイワナ、アマゴ、ヤマメのように、めったやたらと品種改良されたものを放流するのは地方変異を破壊しています。
例えば、ヤマトイワナとニッコウイワナを区別しない放流ノルマ割り当ては、成長の悪いヤマトイワナはあまり養殖されていないため放流にはその川にいないはずのニッコウイワナが使われたりしてヤマトイワナの生息域 を奪っています。
漁協もこの辺ちゃんと考えて放流事業をやっていただきたいものです。
でなきゃ、維持どころか生態系破壊事業にしかなりませんからね。
#つまり、今の放流事業は生態系破壊事業でしかない。
三上@東京 2000.05.27 > これはちょっと変な気がするのですが。
> スチールヘッドはニジマスの品種というようなものではなくて、ニジマスの降海型の筈。 
私もスチールヘッドはニジマスの降海型(小樽水族館にもそう解説してたような気がします)だと思います。 では、ドナルドソンとは??となると、実物は登別マリンパークニクスで拝見しましたが、自信がなかったので知人に問い合わせてみました。  
詳しい系統まではわかりませんでしたが、頭の小さいニジマスと、太ったニジマスを掛け合わせたものだとか。これはたくさん食べるところのあるニジマス(ドナルドソン)を目的につくったらしい。
でも、かなり見た目は美しくないですよね・・・  間違いかもしれませんが、ドナルドソンさんが改良したものでしたっけ??  だれか、本当のこと教えてください。
さけの孵化水槽のアトキンス式は、  アトキンスさんが作ったはず・・・関係ないですね。
春日井@熊石 2000.05.27 スチールヘッドはニジマスの降海型ですね.
北海道でもたまに見られるようです. その名も「テツ」!! (まんまやんか)
ブラウントラウトもたまに市場に上がります.
ドナルドソンはワシントン大学のドナルドソン博士が23年もの選抜育種を重ねて作り出した成長の早いニジマスの養殖用品種です.
ワシントン大学は構内に川があってサケが遡上するそうです. と,以上引用でした.
北海道大学のある場所も伏流水が流れ出して (メムといいます)、 かの昔にはサケが遡上していたそうです. 今はその水も枯れてしまいポンプで汲み上げています.
三上@東京 2000.05.28 > ブラウントラウトもたまに市場に上がります.  
ブラウンも売られるのですね。降海型ですか?  支笏湖産?

> ドナルドソンはワシントン大学のドナルドソン博士が23年もの選抜育種を重ねて作り出した成長の早いニジマスの養殖用品種です. 
すっきりしました。ありがとうございます。できたら、引用文献を教えていただけるとうれしいです。  

> 北海道大学のある場所も伏流水が流れ出して (メムといいます)、かの昔にはサケが遡上していたそうです.
サクシュコトニ川だったかしら?  
指導教官が北大出身で、史学でしたがサケに関わっておりましたので、話は聞いてました(もう退官しました)。たまに文献にもでてきますね。  
「メム」は、アイヌ語でしたよね。たしか、深川にもそんな地名が  あったはずです。
春日井@熊石 2000.05.28 >  ブラウンも売られるのですね。降海型ですか?湖産?
ちょっと言葉足らずだったですね. 降海型が北海道のいくつかの場所で確認されています.
それが市場に上がったのが確認されたりしたので あのような書き方をしました.
岩内,厚真,留萌,森町の鳥崎川などで確認されていますが, まだまだ多分あるのでしょうね.
この報告は我が職場の研究報告, 「北海道で発見された降海型ブラウントラウト」 (英文) 北海道立水産孵化場研究報告,53号や 「北海道におけるニジマスおよびブラウントラウトの分布」 野生生物保護,4巻1号 (野生生物保護学会) に掲載されています.

> できたら、引用文献を教えていただけるとうれしいです。
ええと,引用文献はそれほど専門的なものではなく手近にあるものからです.
漁業生物図鑑 「北のさかなたち」 北日本海洋センター 刊. 本体価格 \2408
ちなみにこの「北のさかなたち」は 来年北海道の水産試験場が創立100周年を迎えるに当たり、その記念として改訂版が出版される予定になっています.



Copyright(C) May.30,2000 by Toshio Yabe. All rights reserved