99年のウナギはどうなる?
今年は、ジャポニカシラスが大豊漁 |
「鰻・99年1月末の状況」で、「私は、今の仕事を9年ほどしていますが、こんな価格は聞いたことがありません。 うーーん、今年のウナギ業界、どうなるのでしょう。」と書きましたが、今年のジャポニカシラスは予想以上の大豊漁、大変な状態になりそうですね。まあ、消費者にとっては、安くて美味しいウナギが食べられるのでいいのですが・・・・ |
今年のウナギのシラス漁は、漁が始まる前から「好漁」が期待されていました。 その理由としては、「エルニーニョが終結」したことです。 詳しい理由は省きますが、エルニーニョが終結したことによって、赤道周辺の海流や海水温に変化がおこり、ウナギのシラスが赤道から北上する海流に乗りやすくなったと推測されています。 ウナギのシラスは、自分自身で泳ぐ力を持っていません。海流に乗ってユラユラと赤道直下から日本まで流れてくるのです。 エルニーニョの時は、赤道から北上する海流に乗らず、ミンダナオ海流に乗り南下し、みんな死んでしまっていたようです。それで、日本・台湾・韓国・中国の沿岸によるシラスが激減していたと予測されています。 今年は、まず、12月19日の「闇の大潮」前後で、大捕れしました。 この時期、業界の方は「これでは正月も休めない。」と嬉しい悲鳴を上げておられました。 最初、1kg120万円(最高時=予測です。)くらいから始まったシラス相場が、この豊漁を受けて99年の初頭には1kg40万円まで急落しています。 この時のシラスは、「非常に綺麗で餌食いも良い」ということで、歩留まりも良いなと思いました。 つまり、シラス価格が下がっても、「生育上の歩留まり」が悪ければ、結局高いものになってしまうのですが、今年の場合、「安値」「歩留まり良し」という理想的な形になりそうでした。 その後、1月の「闇の大潮」まで、捕れ続けていたようで、この段階で1kg20万代という情報が入っています。最初の価格からすると、1kgで100万円ほど下がったわけです。これはもう、「バクチ」の世界ですよ。 この時期には、台湾への(シラスの)輸出も多かったようです。 また、この時期には、ここ数年のジャポニカ・シラスの不漁・相場高のもとで、採算をとれず養殖を休んでいた鰻養殖業者が養殖を再開しはじめたという情報も入っています。 1月末には、「浜値80000円」という、チョー安値も出たということです。もう、無茶苦茶になりました。 良くとれていたのは、千葉県の波崎だったようですが、この時期、三河でも「シラス1尾20円」とか・・・・・ 2月の「闇の大潮」は予想したほど捕れなかったようですが、それでも国内の養殖池のキャパが一杯になってきたため、相場は1kg20万〜25万くらいに安定していたようです。 捕れたシラスは、国内ではあまり売れないので、台湾に輸出されたのが多いと推測されています。 それ以後も、順調にシラスは捕れており、現在の状況を業界では下記のように見ているようです。
また、三河の業界の方は「これだけジャポニカが多ければ、みんなジャポニカを売ります。中国は100トンものフランス種を、どうするつもりなのでしょう。」と、問題点を指摘しています。中国の鰻養殖業界の危機ですね。 現在、三河・駿河・大隅などの養殖場では、すくすくとジャポニカ・シラス(もう、シラスとは言わないのですが)が育っています。早ければ、5月の後半頃から、新子が出てくるでしょう。本格的な出荷は、土用の丑(7月24日)前後になりそうです。 新子がたくさん出ると、当然価格は低下しますが、いつから出てくるのか、この判断が微妙です。 各量販店は、土用の丑のウナギの確保に入っていますが、さて「土用の丑には、いくらで売るのか。」、ここの判断が難しいところです。 消費者にとっては、早ければ6月、遅くとも土用の丑前後から、「ジャポニカ種のウナギ」がお買い得になることは確実です。今年は、私のような「うなぎ大好き人間」には、良い年になりそうですね。 |
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