インターネット通販で買った鰻を食べ比べて見ました。
さて、第3回の食べ比べは、インターネット通販で買った鰻がテーマです。 インターネット通販で買った場合、街のスーパーで買うのと違い、メーカーの直接販売を利用することになります。 ですので、ここで評価をつけると、結果としてストレートにメーカーの良し悪しを書くことになってしまうので、ちょっと評価のしかたが難しいなあと思っています。順位をつける以上、1位もあれば最下位ももある。これはやむをえないものと、メーカーのみなさんがご理解くだされば、私としては非常に有り難いと思う次第です。 |
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それでは、「味」とは何か・・・・という点ですが、アミノ酸とかイノシン酸とかクエン酸とか、、、、科学的に言えばそんな話になるのでしょうが、それは、現実的なかかわりから言えば無味乾燥なものと言えると、私は思っています。 「味」というのは、決して「一般的に美味しい」とか「一般的に不味い」というようなものではありません。 東と西の味の違いは「文化」の違いと理解されていますし、肉体労働をする人は濃いめの味を好み、事務労働のようなあまり身体を動かさない人は薄目の味を好みます。一人の人間でも、激しい運動をした後に求めるものは普段とは違うわけで、「味」というのは、かくまで「個人的かつ具体的」なものなのです。「生い立ち」と「生活状況」が、その人の味の基準を作るわけです。 このページで私がつけている、「美味しい」とか「美味しくない」とかいう評価は、私の持っている味の基準で判断したものであって、決して「客観的な判断」ではないことをご理解下さい。 私の好みは、関西風の焼き方でタレは甘口です。良く焼いた鰻が好きで、焼きが浅く蒸しで火を通した鰻は嫌いです。 そうした基準で、私が食べて「美味しくない」と評価した鰻でも、他の方が食べれば「美味しい」と評価される事もあるということです。 もちろん、その逆もあり得ます。したがって、ここでつけている評価は、決して「絶対的」なものではないのです。 さらには、「美味しさ」とは、時代によって変化する可能性があるものです。 ここ数年、巷には中国産の鰻があふれかえり(今年はちょっと状況が違うけど)、特に若い人達は中国産の鰻蒲焼の味に馴らされています。そうした人の中には、本当の「炭焼き鰻」を食べたことがないと言う人が多いと思います。 これは何を意味するのか?本当の鰻の美味しさがわかる人が少なくなり、鰻の味の標準は「中国産の鰻蒲焼」になりつつあるということです。大げさに言えば、これは「日本の食文化の危機」だと、私は思っています。 このページのテーマである「食べ比べ」では、本来の鰻の美味しさについて評価したい、それを語りたいと考えています。 ご理解頂けますと、私としては非常に嬉しいですね。 |
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下記に、試食した結果の評価を書きますが、少しおことわりしておきます。今回、試食した各メーカーさんには義理はありませんし、便宜も受けておりません(すべて、きちんとお金を払いました。)ことを明確にしておきます。 試食したのは、一色鰻漁協、駿河淡水、四万十うなぎ、忠平の4社の鰻蒲焼です。 ★一色の鰻は、一番サイズが小さ目で良く焼けていました。炭焼きとは味が違いますが、まあまあ美味しかったと思います。 ★駿河の鰻はサイズが一番大きいのですが、焼きが少し甘く、蒸しで火を通している感じがして、私の好みではありませんでした。 ★四万十の鰻は、駿河の鰻よりさらに焼きが甘く、私の基準ではダメですね。タレがしつこく、その点でも私には合いませんでした。 ★忠平の鰻は、唯一、完全な関東風の焼き方で柔らかく、いわゆる「私の嫌いなタイプ」なんですが、どういうわけかこれが美味い!これは「板東太郎」というブランド鰻で、原料がいいのでしょうね。タレも後口が良く、言うことがありません。おすすめです。(なお、忠平からは、ブランド鰻でないのも送ってもらいましたが、これはそれほど美味しくはなかったです。) ということで、順位をつけるとすれば、1位・忠平(板東太郎)、2位・一色、3位・駿河、4位・四万十となります。 4位になった四万十さん、ゴメンナサイね。 |
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気になったことを書いておきます。通販の場合、どの商品でも同じなのですが、配送料と箱代がかかります。 まあ、配送料はしかたないとして、箱代については「自家消費」の場合は、無駄な経費と言っても差し支えありません。 今回、一色鰻漁協が普通のメールでの注文の上、ホームページに「その他ご希望に応じて詰め合わせ承ります。」と書いてあったので、注文メールに「自家消費なので化粧箱はいらない」と書いたら、無地の箱で送ってくれ、そのぶん、少し安くしてくれました。 写真を見て頂ければ分かりますが、一色鰻漁協以外は立派な箱に入れて送られてきています。 贈答品なら立派な箱が必要かもしれませんが、自家消費の場合は、箱などどうでもいいのです。できましたら、「贈答品」と「自家消費」を選べるようにし、自家消費のほうは少し安くしていただけると有り難いなと思いますが、いかがでしょうか。 |
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市販の鰻蒲焼を食べ比べてみました。(京都版) 市販の鰻蒲焼を食べ比べてみました。(滋賀県版) |
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上から、、、、 1,一色うなぎ漁業協同組合 2,駿河淡水株式会社 3,四万十うなぎ株式会社 4,忠平株式会社 サイズは、駿河淡水のが一番大きい。 |
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一色 裏には説明があるが、表はすっきり。 |
駿河淡水 表も裏も、文章だらけ。 表は、もう少し鰻が見えるようにしてほしい。 |
↓ 四万十は、表も裏も、何も印刷してない。シールも無い。 これはこれですっきりしているけど、物足りなさを感じる。 忠平は、「板東太郎」のシールのみ。(左側) → 右の鰻は「板東太郎」ブランドの鰻ではないので シールも無し。 |
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一色 焼き具合は分からない。 |
駿河淡水 焼き具合は分からない。 |
↓ 四万十 焼きが甘い感じ。 忠平 良く焼けてる感じがする。 → |
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一色うなぎ漁協は、「贈答用の箱は不要」と指定したら、 普通の箱に入れてくれ、少し安くしてくれた。 |
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駿河、四万十、忠平とも、箱代にかなりコストをかけている。 自家消費の場合、こんな豪華な箱はいらないよ。 |
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同じ条件で試食した。(電子レンジでチン) 身の厚みが違うので、あたたまり具合が違う。 まあ、これはしかたがないだろう。 忠平は2種類あるが、「板東太郎」を使った。 |
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忠平と一色の鰻を使って、ひつまぶしを作った。 嫁さんは鰻を食べないので、ごはん2合半ほど作ったが 子供達が「美味しい」と言って、すぐ無くなった。 どちらも、しっかりした鰻だった。 鰻の場合、漬物は「奈良漬け」が定番なんだけど、 奈良漬けがないので沢庵にした。(^_^;) |